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月刊 元気通信

養命酒

特集記事 2022年5月号

鏡を見れば体の不調や予防法がわかる!
暮らしに取り入れたい「見るだけ健診法20選」

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5月は健康診断の季節です。そこで今回は「顔」や「舌」、「爪」など体の部分を毎日観察するだけで、自分では気づきにくい体の不調を発見できる「見るだけ健診法」を紹介します。
不調のサインを見つけるだけでなく不調の原因まで分かるので、自分の体調や気分をコントロールしやすくなります。東洋医学の専門家が普段おこなっている健診の知恵をわかりやすくまとめているので、今日からでも気軽に試せます。
体の不調のサインに早めに気づければ、病気になる前の「未病」の状態で養生できますよ。

教えてくれた先生

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国際中医専門員櫻井大典(さくらいだいすけ)先生

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アメリカ・カリフォルニア州立大学で心理学や代替医療を学び、帰国後、イスクラ中医薬研修塾で中医学を学ぶ。中国・首都医科大学附属北京中医医院や雲南省中医医院での研修を修了し、国際中医専門員A級資格取得。日本中医薬研究会に所属し、同志と共に定期的に漢方セミナーを開催。中医学の振興に努めるかたわら、SNSにてやさしくわかりやすい養生情報を発信する。

主な著書に『まいにち漢方』(ナツメ社)、『漢方的おうち健診-顔をみるだけで不調と養生法がわかる』(学研プラス)、『気軽に、気うつ消し』(ワニブックス)などがある。

教えてくれた先生

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薬剤師・国際中医専門員 今井健二先生

成城漢方たまり店長。東京薬科大学卒業。遼寧中医薬大学日本校卒業。外資系製薬企業で新薬開発の仕事に10年携わった後、国内大手の中医学専門の漢方薬局へ転職。漢方相談を行う。管理薬剤師、店長、薬局部門統括を歴任。遼寧中医薬大学附属医院、雲南省中医医院にて研修を修了。

 

 

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最近目の下のくまがひどいし、顔全体もむくんでいる気がする。

 

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僕は口の周りに吹き出物がよく出て、おまけに歯ぐきが腫れている…。きっと体のどこかが悪いのだろうけど、原因が何か分からないから困るよね。

 

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その顔にあらわれた状態をみれば、体や心の不調の原因が分かりますよ。実は顔は不調のサインを写し出す鏡のようなもの。顔のさまざまなパーツや爪などをよく観察すると、なぜそれが起こったのか、どんな不調のサインなのかが判断できるようになるのです。

 

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確かに顔がイケていないときは体調もイマイチなときが多い気がします。でも、どうして顔を観察すると体の内側のことが分かるのですか。

 

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それは顔や爪などのパーツには、それぞれに関係の深い臓腑があるからです。臓腑とは東洋医学で体を動かす働きや機能を分けたもので、「肝」「心」「脾」「肺」「腎」の5つ(五臓)です。肝の不調は目、心は顔全体、脾は口などにあらわれやすいので、顔や爪にあらわれたサインを観察すれば不調の原因もみえてくるのです。

 

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顔と体内の状態が関係していることは分かりましたが、五臓など聞き慣れない単語が出てきてなんだか難しそう…。

 

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いえいえ、最初は難しいことは考えず、8つのパーツに分かれたチェック項目に沿って顔や爪をみるだけでも大丈夫です。みる項目がたくさんあって迷うならば、まずは2週間、舌を観察するだけでもいいでしょう。基本的に観察するのは自分の好きな時間で大丈夫ですが、寝起きや食後すぐ、色の濃い飲み物を摂ったあとは、正確な健診が難しいので避けましょう。

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見慣れるまでスマホのカメラで写真を撮っておくと変化に気づきやすいですよ。さあ、気軽に見るだけ健診にチャレンジしてみましょう!

 

目の活動のエネルギー源は中医学でいう気血水の「血」です。その血が蓄えられる場所が五臓の「肝」なので、目と肝は深く関わっています。つまり、目を酷使すると血を消耗させるので、目も肝も弱ってきます。また、肝はストレスを処理する働きもしているので、強いストレスがかかるとまず肝が弱り、その結果、目にも症状が現れます。

まぶたがピクピクする

突然まぶたがピクピクするのは、眠りが浅かったり、強いストレスがかかったりしたときに現れやすい症状です。頻繁にまぶたが痙攣するなら、肝が働きすぎて弱っている可能性があります。肝は筋膜や筋とも関連しているので、不調になると筋が痙攣をおこします。ちなみに、足がつるのも同じ理由からです。みかんやグレープフルーツなどの香りの強い柑橘類はストレスを解消してくれるのでおすすめです。

目の疲れ(ドライアイ)

「目の奥が痛い」「目が乾く」「しょぼしょぼしてピントが合いにくい」などの症状は、肝のトラブルと考えられます。目は血によって養われていますが、血を蓄えるべき肝が寝不足などで休めていないと目も痛めつけることになります。また、女性は毎月生理で血液を失うため、血が不足した状態になりがちです。疲れ目の自覚がある場合は、鶏のレバーや乳製品などの食材で血を補いましょう。また、ホットタオルなどで目の周囲を温めて血流を促すのも有効です。

まぶたの裏が白っぽい

「あっかんべえ」をしたとき、下まぶたの裏側が白っぽい場合は、いわゆる貧血です。中医学では血が足りない状態です。放置していると、顔や唇の血色も悪くなり、ちょっと動いただけで疲れやすくなってしまいます。胃腸が元気な人はレバーや鶏肉を、弱っている人はにんじんやほうれん草、黒豆など植物系の血を作る食材を積極的に摂りましょう。

口は消化が始まる部分であり、「消化不良は口から始まる」と言われるほど大切な“消化器官”です。口と胃腸を含む消化器全体が繋がっているので、胃腸のトラブルは口や口の周りに出やすいといえます。五臓のなかで消化器官と関係が深いのは「脾」です。脾が弱まると消化吸収が弱まり、さまざまな不調が発生してしまいます。

就寝中によだれが出る

朝起きたら枕によだれのあとがある。うたた寝するとよだれが出るという人は胃腸が弱っているのかもしれません。五臓それぞれに関係の深い体液があり、胃腸をあらわす脾と関係が深い体液がよだれです。赤ちゃんが胃腸炎を起こしてもよだれが大量に出ます。大人は日々の食事の負担による場合もあります。お粥や肉を入れないうどんやそばなど、さっぱり味で温かい食べ物をしっかり噛んで食べましょう。また、急性胃腸炎の場合もあるので気になる場合は早めにかかりつけ医に相談しましょう。

口の周りに吹き出物ができる

甘いもの、辛いもの、油が多いもの、味の濃いものは中医学では「熱」をもたらすとされる食べ物です。その熱で胃の粘膜が炎症を起こした結果、口の周りに吹き出物としてあらわれます。口の周りの吹き出物、とくに赤い吹き出物は胃腸が弱っているサインです。胃の炎症がすすむと、胃痛や口臭の発生も招いてしまいます。熱を冷ます働きがあるなすを、油を使わずにグリルなどで焼きなすにして食べるとよいでしょう。

顔をみて不調や病気を判断する「望診」のなかで、体の状態が一番あらわれるのが舌です。皮膚に覆われた体のほかの部分に比べ、舌は薄い粘膜に覆われているだけなので、細胞そのものが見えるようなイメージです。舌をみるときは、形・色・苔の状態をみます。よく勘違いされがちですが、舌に苔があるのは不調ではなく、薄い苔があるのが正常な状態です。

白い苔が厚くついている

舌そのものの色が見えないくらい厚く白い苔に覆われているとき、それは食べ過ぎ飲み過ぎで胃腸が弱り、水が停滞している状態です。また、健康のためと考えて、水を毎日2ℓ以上飲むなどしても、水分の摂りすぎで胃腸は弱まります。いんげん豆や枝豆、そら豆などの豆類は水の代謝を促し、余分な湿を取り除くとされています。

全体が濃い赤色

舌が真っ赤なのは血色がよくて健康的だからではなく、体の潤いが足りていないサイン。赤くてさらにひび割れていれば、カラカラに乾燥している状態です。冷たい飲み物をゴクゴク飲んだり、スナック菓子を食べ過ぎたりして、胃腸が弱ると体の潤いとなる水が作れません。水分を補う働きを持つイカ(白い物)を加熱して食べましょう。また、卵も体の水分を補い乾燥を改善させるのでおすすめです。

周囲がでこぼこしている

舌の輪郭部分に歯形がついてでこぼこしているときは、余分な水分が溜まってむくんでいるか、エネルギー(気)不足の状態です。気には筋肉を引き締める作用がありますが、不足すると舌がだらんと広がって歯に押し付けられ、歯形がつくのです。エネルギー不足のときは睡眠時間を確保することをはじめ、しっかりと体を休めることが必要です。豊富な栄養素が含まれる甘酒や、じゃがいもやさつまいもなどホクホクした食感の食べ物はエネルギー補給に最適です。

歯は成長と老化の度合いがわかるバロメーターの一つです。五臓の中で成長を担っているのは「腎」なので、歯の状態は腎と深く関わっています。若いのに虫歯になりやすいのは腎が弱っていると考えます。また歯は骨とも繋がりが深く、歯が弱いということは全身の骨も弱いかもしれません。

歯ぐきのトラブルややせて下がってくる場合は「脾」が弱っていると考えられます。

虫歯になりやすい

もちろん、甘いものを大量に食べたり、歯磨きをしないのが虫歯の大きな原因です。ただ、そうした傾向がないのに虫歯になりやすいのは、「腎」に原因があるかもしれません。腎は成長発達、老化の過程に関わっているので、足腰を鍛える、体を冷やさないといった老化対策が有効です。黒ごま、ひじき、黒豆、海苔などの「黒いもの」には、腎の働きを高める力があります。

歯ぐきから血がでる

中医学には「血が熱を持つと暴れ出す」という考えがあります。出血するのは体内に熱がこもり血が熱を帯びる(血熱)からです。またウイルスや細菌に感染して熱が生まれ、血が熱を持っている状態かもしれません。これを放置すると口臭の原因となることもあります。白菜は解熱の働きを持つほか、利尿作用やお腹の調子も整えるので“熱対策”にぴったりです。

歯ぐきが腫れる

歯槽膿漏や歯肉炎以外の原因で、歯ぐきが腫れて鈍痛が続くような場合は、体内の潤い不足が考えられます。病気などで体力を消耗したり、過度な発汗で体を疲れさせたりすると、体の潤いが極端に減ってしまいます。また、胃腸が疲れると体に必要な量の血や水が作れません。そのため肌や歯ぐきが乾燥して敏感になり、ちょっとした刺激でも炎症が起きやすくなります。牛乳やヨーグルト、チーズなど、水を生み出して体の中を潤わせる乳製品を意識的に摂りましょう。
 

鼻は鼻水などの分泌液を参考にしながら、トラブルの有無をチェックします。中医学では鼻は五臓のなかの「肺」とつながっているので、鼻にトラブルがある場合は肺が弱っている、または呼吸系に負担がかかっている可能性が高いです。鼻水が多いときや濃い黄色をしているときは、肺に負担がかかっていると考え、肺に溜まった熱を冷ますようにします。

鼻がつまりやすい

ダイエットを意識して生野菜をたくさん食べて、炭酸水をゴクゴク。このように冷たい食べ物や飲み物を摂りすぎていると、余分な水分を排出しきれなくなり、体の中にドロドロとした不要物「痰湿」が溜まっていきます。それが鼻をつまらせている可能性があります。痰湿を溜めすぎるとむくみや体が重く感じる原因にもなります。春菊は痰を排出する働きのほか、肺を潤す働きもあるので、鼻と肺のトラブル時におすすめです。

鼻の内側に吹き出物がでる

チョコレートやスナック菓子などの食べ過ぎや、栄養バランスを考えない食生活が原因のひとつ。また、喫煙や冷たく乾燥した空気のところに長時間いるなどの行動で、肺を弱らせている可能性もあります。寒い、冷たいと感じる場所は避け、加湿器の湿度は40%以上を保つようにしましょう。

中医学の専門家が望診する際に、舌の次に重視するのが顔全体の様子です。一般の人が顔色で体調をつかむのと同様に、顔色や肌の状態をみることで体全体が元気かどうかを判断する基準としています。また、皮膚は五臓の中では「肺」とつながりが深いので、皮膚にトラブルがある場合は肺の弱りが考えられます。

くすみが気になる

肌の透明感がなく濁った色にみえるとき、主な原因は瘀血(ドロドロの汚れた血)が考えられます。冷えや睡眠不足により血の巡りが悪くなった状態で、肩こりにつながることも。黒っぽさを感じるくすみの場合は、生命力を担う腎が弱っているサイン。玉ねぎやにらは血行を促す働きとともに体を温める働きも期待できます。ただし、急に黒っぽくなった場合は病院を受診しましょう。

毛穴が目立つ

小鼻や頬の毛穴が気になるとき、睡眠不足などで疲れていることが考えられます。疲労が溜まると体はエネルギー(気)不足になり、筋肉を引き締める力が弱くなります。すると体は重く感じるようになり、肌はたるんで毛穴が開いてしまいます。枝豆は体力やエネルギーを補い、胃腸の調子を整える食材です。一方、白い皮脂が詰まって目立つ場合は、不要物の痰湿が溜まっているサインです。体のなかの余分なものを取り除く働きのある、こんにゃくを摂るようにしましょう。

 
中医学では髪は「血」の一部と考え、髪の毛を「血余」と呼びます。つまり、体を血が巡り、最後に余った分が髪になるという意味です。健康でつややかな髪が生えるためには、体の各所に配っても余るくらい十分な量の血が体内にないといけません。

枝毛が多い

潤い(水)か血のどちらか、または両方が不足していると考えられます。枝毛のほかに頬が赤みを帯びている人は潤い不足、爪が割れやすい人は血の不足が濃厚です。また、血が足りていない状態なので、西洋医学でいう貧血がひどくなる可能性もあります。ストレスや過労、暴飲暴食などで血を貯める肝や、潤いである水や血を作る脾を弱らせていないか振り返りましょう。血と水を補い、さらに精神を安定させるとされる牡蠣がおすすめです。

頭皮が硬い

長時間パソコンやスマホを見続けて目を酷使していると、血を消耗するため肝が弱っていきます。その結果、頭皮部分の血や水の流れが悪くなり、皮膚の弾力が失われた硬い頭皮になっていきます。また、姿勢やストレスで栄養や血が届かないと、薄毛の原因にもつながりかねません。目の酷使が原因に考えられるときは血と水を補う卵やほうれん草を食べるのがおすすめです。ストレスを感じているならば、気を動かす働きのあるカルダモンやクミン、ターメリックなど香りが強い香辛料を摂りましょう。

顔をみる以外にも日々チェックしやすいのが爪です。爪をみれば今の体全体の状態と、近い過去にどんな体調だったかが判断できます。

色が明るいピンクで表面にでこぼこやスジ、線などがないのが健康で正常な状態です。それ以外の場合は何かの不調が考えられます。

割れやすい(二枚爪)

爪が割れやすい、欠けてしまうといったトラブルの原因を中医学では「血」が不足していると考えます。睡眠不足や目の酷使などのストレスをかけることで、血と密接な関わりを持つ肝の状態が弱まってしまい、爪が割れやすい状態になってしまいます。緑黄色野菜や魚など血をつくる食材を食べる、少しでも早く寝るなどの対策をとりましょう。

縦ジワがある

潤い(水)不足の可能性が高いです。顔にシワができるのと同様に、基本的には加齢による老化現象のひとつです。ただ、若くてもジャンクフードばかりを食べるなど偏った食生活をしていると、潤いのもとが不足して胃腸も弱り、潤いを作り出せなくなってしまいます。貝柱や帆立貝などの貝類には潤いを補って体内の乾燥状態を改善する働きがあります。

横スジがある

最近の日本の女性は実は栄養不足といわれます。過度なダイエットやインスタント食品に頼った食生活が原因ですが、そういう人は爪に横スジが目立ってきます。横スジは過労や体内の血の不足のサインです。栄養と潤いの両方を運ぶ血が不足すると、筋肉がつる、目が疲れる、肌が乾燥するなどの症状もあらわれるようになります。かつおや鮭、さば、まぐろは血を補う働きに優れています。できるだけ加熱して摂りましょう。

「見るだけ健診法」はいかがでしたか。鏡をみて自分自身を“健診”するだけでなく、家族やパートナー同士でお互いの健康状態を確認するのもおすすめです。毎日の習慣にすれば、深刻な病気になる手前の「未病」の状態で気づくことができたり、慢性的な不調が解消できたりするはずです。

そして万が一、気になる不調のサインがあった際は、かかりつけ医に相談するなど、早めに不安を解消しましょう。

 

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