シャキシャキ&ネバネバ山芋で「気」を補う
春も終盤となり立夏を迎える5月には体も心も少々疲れ気味に。
そんな5月には「気を補う」食材がおすすめです。薬膳でとくにおすすめしたいのが「長芋(山芋)」です。山芋は「山薬(さんやく)」という名の生薬の原料としても使われています。今回は生でも加熱してもおいしい山芋を使ったネバネバ常備菜を、包丁を使わずにジッパー袋でつくるレシピをご紹介。
材料を入れてたたくだけの簡単レシピで、作ってそのまま保存もできて便利です。ご飯やトーストにのせて食べるほか、サラダのドレッシング代わりや、卵などを加えて焼けば山芋焼きにもなるなど幅広くアレンジいただけます。
袋の空気を抜いて冷蔵で3日間、冷凍で1ヶ月ほど保存が可能です。
長芋とオクラのネバネバ常備菜
材料(作りやすい分量)
・長芋 300g
・おくら 8〜10本(1袋)
・梅干し 1個(塩分8%、18g)
Aめんつゆ(3倍濃縮) 大さじ1と1/2
A酢 小さじ1
Aごま油 小さじ1
・塩 適量
作り方
1. オクラはネットのまま塩をまぶし、こすり合わせて産毛をのぞく(ネットがない場合は塩をまぶし、まな板の上で10回ほど転がす)。水で塩を洗い流し、耐熱の皿にのせ、ふんわりラップをしてレンジ(600W)で1分20秒加熱する。ラップをはずして粗熱を取る。
2. 長芋はピーラーで皮をむき、ジッパー袋に入れる。梅干しは種を除いて入れる。Aを加える。袋を厚手の布巾の上にのせ、麺棒で大きな塊がなくなるまでたたく(麺棒がない場合はすりこぎなどで代用)。
ここがポイント!
麺棒はできるだけ水平に持ち棒の先端ではなく“面”でたたく。袋の開口部分を軽く持って封をしないままたたくことで、全体がよく混ざり袋も破けにくい。
3. 1をキッチンばさみで斜めに切りながら加える。さっと揉んで全体をなじませる。
食欲がないときに…わさび
胃腸の冷えを防ぎ、食欲を増進させます。食べる直前にお好みの量を加えます
お通じが気になるときに…白いりごま
大腸のすべりをよくするといわれ、お通じの改善に。ジッパー袋にお好みの量を加えてなじませます。
アレンジ:山芋焼き
材料
Aたたき長芋とオクラの常備菜 150g
A薄力粉 大さじ1(9g)
A卵 1個
サラダ油 小さじ1
お好み焼きソース、マヨネーズ、削り節、刻みのり、九条ネギ(小口切り) 各適量
1. Aを合わせてよく混ぜる。
2. スキレットまたはフライパンにサラダ油を熱し、1を流し入れ、中火で両面焼き色がつくまで焼く。
3. ソース、マヨネーズをかけ、削り節、刻みのりをのせる。
教えてくれた先生
齋藤 菜々子(さいとう ななこ)さん
料理家、国際中医薬膳師。一般企業勤務を経て、日本中医食養学会、日本中医学院にて中医学を学び、国際中医薬膳師の資格を取得。独立後は「今日からできるおうち薬膳」をモットーに、身近な食材を使った薬膳を、雑誌やWEBで提案している。著書に「基本調味料で作る体にいいスープ」「基本調味料で作る体にいい作りおき」(ともに主婦と⽣活社)、「体にいい煮込みおかず」(ワン・パブリッシング)がある。