シラカンバ(白樺:シラカバともいう)という樹木の寿命は意外と短め
です。樹齢が30年くらいを過ぎると樹勢が衰えるものが増えて来ます。
健康の森の中でも、先端の枝が枯れて落ちたり、根元から傾いてくるもの
がありましたので、この冬は、ちょっと心配なものを何本か伐採しました。
この木は、少しずつ根元から傾斜し始めていました。
シラカンバは白い幹が特徴的ですが樹勢が落ちると幹の色が汚くなります。
樹皮の代謝が悪くなって、幹にカビや藻、汚れが付きやすなるからです。
もう、十分に種も飛ばして、世代交代の役目も果たしたでしょう。
切り株を覗いて見ると、芯が空洞で、根元にもすき間ができていました。
根株の腐朽が進んで、木が傾き始めたのでしょう。
シラカンバは幼木の頃からカミキリムシの幼虫などに幹や根株の中を食害
されやすく、そこから腐朽菌が入って材が腐ってきます。
30年を過ぎれば、そのような個体が増えて来ます。寿命を見極めて、
世代交代を促すのも森の管理では大切なことです。
森の中の明るい空間が好きなシラカンバは、老木を伐ることによって
また、たくさんの苗木が生えてくることでしょう。