今年の夏も構内で2本の松枯れが発生しました。
長野県では現在、各地でアカマツ林の松枯れ被害が広がっています。
松くい虫による松枯れは、正式にはマツノザイセンチュウ病といい、
外来生物の「マツノザイセンチュウ」が樹体内で増殖することで枯れ、
在来昆虫の「マツノマダラカミキリ」によって感染・伝搬します。
養命酒健康の森では10年以上前から、この松枯れへの対策も含んだ
森の健全化に取り組んでいます。昭和47年に駒ヶ根工場が開設されて
以来、「森を大切にする=木を切らないこと」として保護されて来た
構内の森は、アカマツが混み合って鬱蒼としていました。
「ヒトを癒し未来へとつながる美しい森」で皆様をお迎えしたい。
そんな理想の『森づくり』を始めてから11年、アカマツを段階的に伐り、
自生する広葉樹を生かした森の転換・整備が進められています。
私自身も自らのチェーンソーで500本以上のアカマツを伐採しました。
伐採されたアカマツは木材として搬出され、
松枯れ木も適正に処理しています。
その成果は、カフェテラスからの森の眺めを見れば一目瞭然です。
こちらは2009年5月の森の姿。
そして、こちらが2019年5月の同じ場所からの眺めです。
それまでのアカマツを主体とした森は、
この様に、芽吹き・新緑から紅葉まで四季の変化が美しい、
自生種のサクラ、カエデ、カンバ、ナラなどで構成された、
広葉樹の森へ姿を変えつつあります。
松枯れ被害が進む地域の里山の森をどうしたらよいのか、
その答えとして、ひとつの事例を示すことができれば良いと思いつつ、
日々の森づくりにも励んでいます。