健康の森 BLOG

「カエデ」と「もみじ」

2012.11.21 森林担当 やっしん



紅葉の季節になりますと、よく
「カエデともみじは何が違うのか?」
と質問されます。

という訳で、本日のテーマは
「カエデともみじ」です。

結論から言いますと、どちらも
カエデ科カエデ属に分類される樹木の総称、
あるいは一般的な呼び方ということになります。

1.日本にはカエデ科カエデ属の樹木は数多く、
 約28種類あり、その他、園芸品が多数あります。

2.カエデ属は専門的には、「Acer」という学名
 (ラテン語、ローマ字読み)で表しますが、
 米英名では「maple:メープル」と言います。
 日本では、普段「楓」の字が使われます。
 「Acer」は裂けるの意味があり、葉が切れ込んで
 いることに由来します。

3.例えば、学名では、
 「ハウチワカエデ」は、「Acer japonicum 」
 と表します。

4.「カエデ」の語源は、「カエルデ」つまり、
 カエル(蛙)の手のような葉を持つところから
 来ています。

5.しかし、葉に切れ込みがなく単葉の「マルバカエデ」や
 「チドリノキ」、葉が三枚に分かれた「メグスリノキ」や
 「ミツデカエデ」なんて変わり者もあります。

6.「モミジ」の語源は、
 「草木の葉が黄や赤に変化する」という意味の動詞で、
 万葉時代や上代は「もみつ」、後代では濁って「もみづ(ず)」
 と言い、現代では「紅葉(もみじ)する」または、
 「紅葉(こうよう)する」と言います。

7.「もみぢ(もみち)」や「もみじ」は「もみちば」が
 短縮された名詞で、「紅葉した葉や草木」を言い、
 さらに、その代表として「イロハモミジ」などのカエデ
 を「モミジ」と呼びます。

8.植物分類上では、「カエデ」と「モミジ」は区別しません。
 カエデ属の仲間は皆、似た様な羽の付いた種を付けます。

9.造園や園芸など観賞を主とする分野では、葉の切れ込みが
 深いカエデを「モミジ」と呼び、そうでないものを「カエデ」
 (トウカエデなど)と呼び分けることがあるそうです。

10.ちなみに、カエデの仲間で、「モミジ」の標準和名が付く
 のは、以下の3種類しかなく、葉の大きさは違いますが、
 姿形は良く似ています。
 1)「イロハモミジ」 本州では、福島県以南の太平洋側に分布
 2)「ヤマモミジ」 本州では、主として日本海側に分布
 3)「オオモミジ」 本州では、主として太平洋側に分布
 ここ、健康の森では3つの中では「オオモミジ」のみ自生します。

という訳で、
カフェテラスからの眺めを楽しませてくれたカエデは、
「オオモミジ」でしたが、すかり葉が落ちてしまいました。

【11月7日】
11月7日

【11月14日】
11月14日

【11月16日】
11月16日

【11月19日】
11月19日

木の根元は、落ち葉のジュータンになりました。
落ち葉のじゅうたん

左が「コハウチワカエデ」、右が「オオモミジ」の葉です。
コハウチワカエデとオオモミジ
「健康の森」では、コハウチワカエデが一番多いのではないでしょうか。

ちなみに、
きれいな落ち葉は、新聞紙に挟んで重石をして乾燥させた後、
ラミネータでパウチシートに保存すると長く楽しめます。

長々、お付き合いいただき、ありがとうございました。

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