むくみとは、体液のめぐりが悪く皮膚の下にたまっている状態です。体の水分が下半身から心臓に向かうときは、ふくらはぎの筋肉がポンプ役になりますが、女性は筋肉が少ないので脚にたまりがちです。また生理前や、塩分の摂りすぎも原因に。一時的な理由のものは時間が経つと治まりますが、慢性的なら原因に合わせた対処を。なお、心臓や腎臓の病気が原因の場合もあるので、急にひどくなったり全身がむくんでいたら病院で受診しましょう。
体内の水分代謝が乱れているタイプです。本来は心臓に向かって戻るはずの水分が、下半身や顔など、末端にたまってしまうのです。日本は湿度が高いので、水分代謝に問題のある人はより水分が出にくく、たまりやすくなりがち。水分の摂り方と出し方、両方に注意が必要です。
熱中症を防ぐためにも水分補給は重要ですが、とりすぎはNG。のどが乾いて水を飲むときも、一気にゴクゴクでなく、少なくちょびちょび飲むのが、余分な水をため込まないコツです。また、体のめぐりをよくして水分を排出させるため、汗が出るくらいの運動を。車に乗らず歩く、体を大きく使って家事をするといった、日常でできることも心がけて。お風呂はシャワーで済まさず、湯船に浸かって汗を出しましょう。じっくり汗を出すのがいいので、岩盤浴やミストサウナは効果的です。食べ物では、キノコ類や豆類が水分代謝をよくしてくれます。
体のエネルギーのバランスが乱れると、内臓の働きが悪くなったり、自律神経が乱れることで水分がうまく排出されず、むくみやすくなります。このタイプの人は、エネルギーの偏りを整えることで低下していた機能が回復すると、むくみが改善してきます。
心身のめぐりをよくするケアを行いましょう。酸っぱい食べ物には、エネルギーの流れをよくする働きがあります。レモンやグレープフルーツなどを常備し、焼き魚やおひたしに絞ったり、サラダに入れたりかけて、こまめに摂りましょう。梅干しもおすすめ。また手足を1分ほどブルブルと細かく振る動きも、水のめぐり改善に効果的です。仕事や家事の合間にやってみて。
血流の悪さがむくみの原因と考えられます。体の水分は、動脈によって体のすみずみに運ばれ、静脈にのって心臓に戻ります。この血流に問題があり、血管から水分がしみ出るとむくみの症状に。特に多いのが、生理と血流の関係です。生理のときは血流が滞りがちで、むくみやすくなります。また、血がめぐらないと体が冷えるので、さらにむくみが悪化することに。
下半身に血液がたまりやすいので、足先からふくらはぎ、太もものマッサージを。寝るときは足の下にクッションなどを置き、足を高くしましょう。また、冷えは血流を悪くします。「首・手首・足首」と首のつくところは寒さが入りやすいので、この部分をカバーする服装を心がけて。食事は血のめぐりをよくする、しょうが・にんにく・ネギなどの薬味を料理に添えたり、サバ・イワシなどの青魚を温かい料理でいただきましょう。
むくみは、病気を引き起こす手前の「未病」の状態。未病の段階から症状を改善することで、より健康な状態へと近づくことができます。むくみやすい人は、体に老廃物がたまっているため、めぐりが悪くなっていると考えられます。老廃物のたまった体は疲れやすかったり太りやすいなど、さまざまな不調につながります。また血流が悪いと、内臓機能の低下にも。むくみは未病のサイン。自分の体を見つめ直す機会と考え、まずは生活習慣を見直すことから始めましょう。
東洋医学では、むくみの基本的な原因として、健康な体に必要な3つの要素である「気・血・水」のめぐりの悪さがあげられます。
東洋医学では、むくみのように水分のめぐりが悪い状態を「水滞」として、水分の偏りを整える対処をします。しかし、水のめぐりが悪くなる原因には、体の健康の基礎となる「気・血」が関係していることも。体のエネルギーとなる気が滞ると内臓の働きに影響を与えてさまざまな不調の元になりますが、そのひとつがむくみです。もうひとつが、血流との関係。「瘀血(おけつ)」といって、血がよどみ流れが悪くなると、血液中の水分が体の各部位に残ってしまい、手足のむくみとなります。
東洋医学では、「むくみ=未病」のとき、自ら健康になろうとする力「自然治癒力」を高めることを重視しています。
東洋医学で用いられる「生薬」は、体に不要なものを取り除いたり、代謝を良くしたりと、それぞれの生薬が多くの薬効成分を含んでいるため、複数組み合わせることで効能の幅が広がります。
気になるあなたの未病レベルは?