甘酒には、ブドウ糖やビタミンB群などさまざまな栄養が含まれています。古くは「日本書紀」にも記述がある伝統的な飲料で、健康維持のために習慣的に飲む人も多くいます。甘酒にはどんな魅力があるのでしょうか? 甘酒の種類や成分、おすすめの飲み方を紹介します。
甘酒とは
甘酒は麴を発酵させて作ったものと酒粕を溶かしたものの2種類があります。酒粕を使ったものには微量のアルコール(1%未満)が含まれますが、麹を使った「麹甘酒」はノンアルコールで子どもも飲むことができます。
甘酒の種類
麹甘酒
米と麹と水、もしくは米麹と水を発酵させて作る甘酒です。米のでんぷんが糖化されることで、砂糖を加えずとも強い甘みが感じられます。
米と麹と水の配合により口当たりが異なり、水分量が多いものは「ストレートタイプ」などと呼ばれ、そのまま飲むことができます。水分が少なくどろりとしているものは「濃縮タイプ」などと明記され、薄めてドリンクにしたり調味料として使われたりします。
酒粕甘酒
米と麹と水で作った麹甘酒に酵母を加えると、糖がアルコールに変化し、酒になります。原酒を搾ったのが日本酒で、搾りかすが「酒粕」。酒粕を水で溶かし、砂糖を加えたものが「酒粕甘酒」です。
甘酒の栄養素
ここでは麹甘酒の栄養素を紹介します。
ブドウ糖
麹の酵素によってでんぷんから分解されたブドウ糖は、脳に届く唯一のエネルギー源。「脳糖」とも呼ばれます。
必須アミノ酸
たんぱく質を合成する20種類のアミノ酸のうち、体内で作り出すことのできない9種類のアミノ酸を「必須アミノ酸」と呼んでいます。甘酒には、9種類の必須アミノ酸がすべて含まれています。
食物繊維
甘酒には腸内環境を整える食物繊維、善玉菌のエサとなるオリゴ糖が含まれています。近年の研究では、食物繊維と似た働きをするたんぱく質由来の「レジスタントプロテイン」が甘酒に存在することがわかりました。
ビタミンB群
エネルギーの代謝に欠かせないビタミンB群は互いを補い合いながら作用するため、バランスよく摂取することが大切。甘酒は、ビタミンB1、B2、B6、B12、パントテン酸、イノシトール、ビオチン、葉酸を含み、その含有量は米の3~4倍といわれています。
コウジ酸
麹菌に含まれ、日本酒を作る杜氏の手がきれいなことから発見された成分。厚生労働省により美白作用が認められ、化粧品に配合されています。
甘酒のおすすめの飲み方&飲むタイミングは?
甘酒の美味しい飲み方
すりおろした生姜を加える飲み方がポピュラーですが、炭酸水やトマトジュースともよく合います。就寝前のリラックスに飲むのもおすすめ。詳しいドリンクレシピは以下よりチェックしてください。
甘酒を飲むタイミングは?
甘酒に含まれるブドウ糖は体内に大量に貯めておくことができないので、朝はほとんどなくなっています。1日のスタートに甘酒を飲めば、脳が活性化し集中力がアップするでしょう。ただし、甘酒のみで朝食を済ませてしまうと血糖値が急上昇する恐れがあるので、朝食後に飲むのがおすすめです。
また消化がよく、胃腸に負担をかけずに栄養補給できるのも甘酒のメリット。疲労を感じたときや風邪をひいたとき、夏バテ対策に飲むのもいいでしょう。
1日にどのくらい飲むといいの?
甘酒のエネルギー量は100g約80kcalです。1日の摂取量に制限はありませんが、食事量とのバランスを見て、とり過ぎに注意しましょう。
甘酒を飲むときの注意点
酒粕甘酒には微量のアルコールが含まれています。お酒が苦手な方は注意し、子どもには飲ませないようにしましょう。
甘酒の歴史
甘酒がいつ頃作られたのかはわかっていませんが、古くは「日本書紀」(720年)に甘酒の起源とされる「天甜酒(あまのたむさけ)」についての記述があります。天は「神様」甜は「甘い」という意味があり、「神様に捧げる甘い酒」という意味合いがあると考えられます。今でも神社で参拝者に甘酒が振る舞われたり全国各地に甘酒にまつわるお祭りがあるなど、神事との深い関わりがうかがわれます。
江戸時代半ばに入ると甘酒は庶民の間でも広く親しまれるようになりました。甘酒売りが登場し、俳句にも「甘酒」が登場します。甘酒の季語は「夏」。当時から、滋養強壮の飲み物として人気があったとされています。
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養命酒製造 健康情報局

薬用養命酒愛飲家向け健康情報誌『養命酒だより』や会員向けメールマガジン『元気通信』を発行。
医師や専門家の監修のもと、健康に関する情報発信を行っている。