HOME > 健康の雑学 >  【2018年12月号】 インフルエンザの雑学

インフルエンザの雑学

「インフルエンザはイタリア生まれ!?」「鳥インフルエンザがヒトにも感染する?」「新語「インフルエンサー」とインフルエンザは関係あり?」――今月はインフルエンザの雑学をお届けします。


インフルエンザはイタリア生まれ!?

「インフルエンザ」という言葉は、16~17世紀のイタリアで生まれたといわれています。当時はまだ感染症がウイルスによって拡大するという考え方がなく、占星術師たちは、人々が次々に病気になるのは冬の冷たい寒気や星の動きが影響しているのではないかと考えました。そのため、「影響=influenza(インフルエンツァ)」というイタリア語が、流行性感冒を総称する言葉になりました。18世紀に英国で流行性感冒が蔓延した際にこの言葉が使われ、世界的に広まっていきました。
日本でも幕末に蘭学者により「インフルエンザ」という言葉が導入され、「流行性感冒」と訳されました。それ以前は、風邪が流行る度に、江戸の人気芝居「お染久松」にちなんで「お染風邪」と呼ばれたり、江戸の名横綱・谷風が流行り風邪で亡くなったことから「谷風」と呼ばれるなど、時代の世相風俗を反映したネーミングがなされていました。
1918~1919年に世界中で流行した有名な「スペイン風邪」は、スペイン王室にも蔓延したことが盛んに報じられたことに由来します。また、1957年に流行した「アジア風邪」や、1968年に流行した「香港風邪」など、インフルエンザの発生や流行の中心となった地域の名前が冠された通称で呼ばれることもあります。この先、“日本風邪”が流行しないことを願うばかりですね。


influenza


鳥インフルエンザがヒトにも感染する?

インフルエンザは動物にも感染します。中でも鳥類に感染するA型のインフルエンザウイルスを「鳥インフルエンザ」といいます。鳥インフルエンザウイルスは、鳥同士で感染するもので、通常はヒトには感染しないと思われていましたが、近年、ヒトも鳥インフルエンザに感染する事例が各国で確認されています。鳥インフルエンザウイルスは野生のカモなどが自然宿主ですが、ニワトリなどに感染し、高い病原性を示すウイルスに変異したものを「高病原性鳥インフルエンザウイルス」といいます。ニワトリがこのウイルスに感染すると多くが死んでしまい、海外ではヒトの死亡例もあります。
「感染した鶏肉や卵を知らずに食べたら、うつるのでは…?」と心配になるかもしれませんが、厚生労働省によると日本ではそうした事例はなく、70℃以上になるように十分加熱すれば、鳥インフルエンザウイルスは感染性がなくなるそうです。鳥インフルエンザのヒトへの感染ルートは、病気の鳥の羽や乾燥したフンを吸い込んだり、内臓に触れた手から体内に入った場合といわれています。ただ、日本では、この病気にかかったニワトリの処分や施設などの消毒が徹底されているので、通常の生活では感染の危険性は低いといわれています。


新語「インフルエンサー」とインフルエンザは関係あり?

近年よくメディアで使われる「インフルエンサー」という言葉は、インフルエンザと響きが似ていますが、関係はあるのでしょうか?インフルエンサー(influencer)とは、「影響者」を意味する英語です。この言葉は、ラテン語の「影響(influentia)」が語源となっています。イタリア語由来のインフルエンザも、語源は同じラテン語なので、元をたどればルーツは同じといえます。
インフルエンサーとは、万単位のフォロワーを持つカリスマブロガーや、「YouTube」で人気を博すユーチューバーなど、SNSを通じて発信した情報が世の中に大きな影響を与える人を総称した言葉です。各企業でもインフルエンサーを活用した宣伝活動「インフルエンサー・マーケティング」を行っており、SNSのフォロワーが多いインフルエンサーの採用枠を設けている企業も増えています。三省堂が主催しているキャンペーン「今年の新語」の2017年度版では、大賞の「忖度」に次いで2位に「インフルエンサー」が選ばれました。同年に日本レコード大賞を受賞した乃木坂46の楽曲『インフルエンサー』は、好きな人のすべてに影響を受けているというせつない恋心がテーマになっています。インフルエンサーから影響を受けるなら、インフルエンザのような悪いウイルスではなく、いい影響を受けたいですね。