インディアンは解熱に使用 |
|
年の暮れは1年の締めくくりと、新しい年を迎える心の準備期間です。この時期になると、花屋さんの店頭に並ぶ花のひとつに「ポインセチア」があります。赤と緑のコントラストが見事なポインセチアはクリスマスのイメージが強いですが、クリスマスに限らず冬の観葉植物としての地位を占めるようになっています。
ポインセチアが日本に渡来したのは明治時代で、当初は温室植物として育てられていました。一般家庭に普及するようになったのはここ30年ほどで、それまでは一部の愛好家が楽しんでいたに過ぎませんでした。そのため、詩歌に詠まれるようになったのも、比較的新しいといえます。 美しき 花かとも朱に きわまりし その葉をみれば あわれポインセチア 猩々木(ポインセチア) 咲かす仏具の 推錦師(ついきんし)
ポインセチアの植物名は、アメリカ初代メキシコ大使ポインセットが、この植物をアメリカに持ち帰った功績を記念して命名されました。日本名は「猩々木(ショウジョウボク)」です。赤い小綿包を花の顔に見立て、酒を飲んで赤い顔になった猩々(古代の架空の動物)に例えたことに由来します。クリスマス時期に赤と緑のクリスマスカラーになることにちなんで「クリスマスフラワー」と呼ばれたり、茹でた海老の色に例えて「伊勢海老花」と呼ばれることもあります。 出典:牧幸男『植物楽趣』 |