「全国植樹祭ながの2016」で天皇・皇后両陛下が
「お手植え」、「お手播き」された長野県に関わる樹木は
健康の森の構内でも見ることができます。
という訳で、前回のつづきです。
この春「ウラジロモミ」を、記念館の北側のスペースに植えました。
現在、構内の森林整備ではアカマツ林を伐採して、
四季の変化が楽しめる美しい広葉樹林へ転換を進めています。
さらに長期的には、本来のこの地域の自然環境を象徴する樹木である
「モミ」や「ツガ」などの常緑針葉樹が混成するような、
針広混交林へ方向づけできれば良いと考えています。
「ウラジロモミ」をここに植えたことの意味の1つには、
将来の森の姿を先行して創造したいとの思いもあります。
もちろん記念館周りの景観として、クリスマス飾りなどにも
使いたいという目的とも合致して選定されました。
「ウラジロモミ」はちょうど今頃が芽吹きの季節です。
新芽の黄緑色が目に鮮やかですね。
豆知識ですが、
中央アルプスの植生では、モミの仲間(マツ科モミ属)は
標高で分布が異なり、棲み分けが見られます。
およそ1200m以下が「モミ」、1200~1700mが「ウラジロモミ」、
1700m以上が「シラビソ、オオシラビソ」となっています。
駒ヶ根工場の標高は約800mですから、
厳密には「モミ」が本来の自然植生です。
構内でも自生の「モミ」が見られます。
「モミ」は枝が疎らでちょっとトゲトゲした雰囲気があります。
樹形が三角形で美しく、植栽木としての取扱いが容易なこともあり、
今回は「モミ」ではなく、「ウラジロモミ」を植えることになりました。
冬のクリスマス飾りも楽しみですね。
モミの仲間は、私の好きな樹木であるので、
ちょっと長文になってしまいました。
つづく。