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水戸黄門の雑学

水戸黄門は実は諸国漫遊していなかった!? 日本で初めてラーメンやチーズを食べたのは水戸黄門?! 黄門様のご当地マスコットキャラクターが地域を活性化!——今月は水戸黄門の雑学をお届け!


水戸黄門は実は諸国漫遊していなかった!?


水戸黄門といえば、テレビドラマのように助さん&格さんを従えて諸国漫遊をしていたと思われがちです。しかし、そんな史実は記録にまったくなく、実際は若い頃に鎌倉を巡ったり、水戸藩主になってから領内と江戸を往復する程度だったようです。ただ、黄門様こと徳川光圀は、佐々十竹と安積澹泊という2人の家臣を全国各地に派遣しており、彼らが助さん&格さんのモデルになったといわれています。
光圀自身が名君として庶民に慕われていたのは事実で、彼の死後に『水戸黄門仁徳録』という伝記物語が作られました。それに弥次喜多道中でおなじみの人気滑稽本『東海道中膝栗毛』のエッセンスが加わり、2人の家臣が「弥次さん&喜多さん」ならぬ「助さん&格さん」と化した講談『水戸黄門漫遊記』が、江戸末期の大ベストセラーになりました。それがやがて映画やドラマとなって、21世紀の今日まで黄門様人気が継承されているというわけです。
ちなみに光圀が「水戸黄門」のネーミングで呼ばれているのは、位の高い人物の実名を庶民が口にすることがご法度だったからです。そのため、藩名の「水戸」と、光圀の武家官位である権中納言の別称である「黄門」を合体した呼び名が広まったのです。


日本で初めてラーメンやチーズを食べたのは水戸黄門だった!?


水戸黄門


水戸黄門は歴史や医学に精通しており、幅広い好奇心の持ち主だったようです。「医食同源」を実践していた黄門様は、食に対する興味も大変深く、日本で初めてラーメンを食べた人物といわれています。明の儒学者が献上した中華麺のレシピを会得し、黄門様が自ら凝った麺やダシ汁をこしらえて客人にふるまったという伝記も残っているようです。彼は他にも餃子やチーズを日本で初めて食べたといわれています。
当時は動物の殺生を禁ずる五代将軍・徳川綱吉の「生類憐みの令」が出ていたはずですが、黄門様は牛や豚、羊の肉もがっつり食べる肉食系だったようです。あくまでも俗説ですが、あの黄門様が数十匹の犬の皮を綱吉に皮肉を込めて献上したという、意外すぎる逸話も残っているのだとか…。
その一方で、黄門様はインコを海外から取り寄せてかわいがったりもしていたようです。好奇心旺盛な黄門様は、南蛮からの舶来品を好み、ワインを愛飲し、日本最古の「メリヤス足袋(オランダ製のソックス)」を愛用していたそう。好奇心もりもりで肉食でハイカラ好きな黄門様は、ドラマのほっこりしたイメージとはちょっと異なるキャラクターだったのかもしれません。


黄門様のご当地キャラクターが地域を活性化!


水戸黄門のお膝元の茨城県水戸市には、黄門様をモチーフにしたマスコットキャラクターが複数あり、地域活性化に貢献しています。人気の黄門様キャラクターを幾つかご紹介します。
まずは、水戸市のマスコットキャラクター「みとちゃん」。黄門様のコスプレをした女の子で、ヘアスタイルは納豆を包む稲わらという、不思議ちゃんなルックス。お出かけが大好きで、黄門様が日本で最初に食べたといわれるラーメンを再現した「水戸藩ラーメン」が好物だそうです。


「みとちゃん」の着ぐるみの写真
「みとちゃん」は水戸市のさまざまなイベントに登場!


ドラマのように「ハッハッハッハッハァ!」と大口開けた笑顔がトレードマークの「いきいき黄門さま」は、水戸商工会議所のキャラクターです。顔半分が口という豪快なスマイルを見るだけで景気がよくなりそうです。
黄門様は茨城県を代表するキャラクターにもなっています。その名も「ハッスル黄門」。葵の御紋の巨大な印籠と杖を手に、飛び跳ねてハッスルしている姿がキュートです。好きな食べ物は茨城産のメロン、コシヒカリ、常陸牛と、やはりご当地名物オシです。
このように水戸黄門がご当地のマスコットキャラクターとして今も愛されているのは、民衆への思いやりにあふれた人柄によるものといえるでしょう。