HOME > 健康の雑学 >  【2016年9月号】 フルーツの雑学

フルーツの雑学

「苺やメロンは果物じゃない?!」「そんなバナナ?!バナナは日本の国民的人気者」「開けてビックリ!ナゾのエキゾチックフルーツ」——今月はちょっと意外なフルーツの雑学をお届け!


苺やメロンは果物じゃない?!


昭和の終わり頃、大流行した「苺大福」。今では「スイカ大福」「パイナップル大福」「メロン大福」「マスカット大福」「ブルーベリー大福」と、フルーツ大福のニューカマーが全国から続々と誕生しています。ただ、「苺大福」や「スイカ大福」「メロン大福」は、正しくはフルーツ大福ならぬ「ベジタブル大福」です。なぜなら、農林水産省では、樹木に実がならない苺やスイカ、メロンなどを、「果実的野菜」と分類しているからです。
高価なマスクメロンは「果物の王様」などといわれ、1本の木に1つの果実だけを育てて甘みを凝縮させる「一木一果」という栽培方法で育てられます。そんな特別扱いの王様マスクメロンも、実はウリ科キュウリ属の1年草なので、野菜の王というべきなのかもしれません…。
果物というと、みずみずしくジューシーな果実を想像しがちですが、農林水産省の分類では、意外にも栗が果物扱いになっています。栗が果物というと違和感があるかもしれませんが、今のようにお菓子がなかった時代の日本人は、栗や桃、柿などの果物をおやつにして栄養を補っていました。「桃栗3年、柿8年」といいますが、1年草ではなく、成長して木になる果実をお菓子のように愛食していたのです。「菓子」の「菓」から草かんむりを外すと「果」になりますが、「果物」の「果」とは「木の実」を意味しています。お菓子のルーツが果物だったことを思えば、フルーツ大福が愛されるのも必然なのかもしれませんね。


「そんなバナナ?!」バナナは日本の国民的人気者


バナナ


日本人はバナナが大好きな国民です。日本バナナ輸入組合が2015年に実施した「バナナ・果物消費動向調査」(全国16歳以上の男女対象)によると、回答者の7割近くが「よく食べる果物」としてバナナを挙げており、リンゴやミカンを大きく引き離して、バナナが11年連続でよく食べる果物1位の座に君臨し続けています。
バナナとひと言でいっても、世界に300種以上あるといわれ、日本人に最もポピュラーなのは「ジャイアント・キャベンディッシュ」といわれる品種です。バナナの歴史は古く、紀元前5千年以上昔から東南アジアで栽培されてきました。日本にバナナが入ってきたのは明治時代ですが、実は戦国時代にポルトガルの宣教師が織田信長にバナナを献上した記録があり、バナナを初めて食べた日本人は信長だったという説もあるようです。
ちなみに、作家の吉本ばななさんが「ばなな」をペンネームにしたのは「バナナの花が好きだったから」と公式HPで答えています。
日本人の定番ギャグ「そんなバナナ!」もバナナ好きの国民性をよく表しています。ギャグの由来には諸説ありますが、1980〜90年代に大人気だった小林よしのりさんの漫画「おぼっちゃまくん」に登場して一気に広まりました。バナナの魅力は味や手ごろさだけでなく、どこかユーモラスなイメージがあるのも、根強い人気の秘密といえるでしょう。


開けてビックリ!ナゾのエキゾチックフルーツ


スターフルーツ

「えっ、コレがフルーツ?!」とビックリするような奇妙な果物を熱帯のホテルや市場などで目にすることはありませんか?例えば、カット面が見事な星型の「スターフルーツ」は、どう見ても小さなヒトデにしか見えません。意外とジューシーで、食べると淡白な梨のような味がします。


フィンガーライム

オーストラリア沿岸の熱帯雨林で育つ「フィンガーライム」の外見は、細長い柑橘類に見えますが、パックリ開けると、まるで「キャビア」です。プチプチした半透明の粒々がびっしり詰まっている見た目のグロテスクさとはうらはらに、意外と爽やかな柑橘系の風味があるのが特徴です。


ドラゴンフルーツ

龍のウロコのような果皮を持つ「ドラゴンフルーツ」は、鮮やかなピンク色の皮の下に、蟻が大量にたかっているような黒い粒々だらけの果肉があり、初めて見た人はギャップに驚くかもしれません。


ドリアン

トゲトゲしたハリネズミのようなルックスの「ドリアン」は、東南アジア原産の有名な果物。これを食す際は、場所を選ぶ必要があります。なぜなら、ナイフを入れた瞬間、腐ったタマネギのような強烈な臭気に襲われるからです。持ち込み禁止のホテルや飛行機も多いので気を付けましょう!


ブラックサポテ

メキシコから中央アメリカ原産の「ブラックサポテ」のパッと見は、青い渋柿です。でも、ナイフを入れると…「ああっ、腐っている!」と誰しも顔をしかめるようなどす黒いチョコレート色!けれど、そのチョコレート色の果肉を思い切って食べると、チョコレートプディングのような味が…! 人もフルーツも、見た目だけで判断せず、中身を味わう(かかわる)ことでいろいろな発見がありますね。