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花とハーブの雑学

ハーブの香りで虫をかく乱する「コンパニオンプランツ」とは?魔女のほうきはハーブだった?! 世界最古の薬局のレシピに使われている花とは?――今月は花とハーブの雑学をお届け!


ハーブの香りで虫をかく乱する「コンパニオンプランツ」とは?


好きな食べものでも、苦手なものがトッピングされていたら、食べるのを避けたくなることはありませんか?同じ原理で、植物を育てる際、虫がたかるのを防ぐために、虫が嫌うハーブを一緒に植えることがあります。こうした共存共栄する植物を「コンパニオンプランツ」といいます。
例えば、キャベツやニンジンの畑にセージやローズマリーを植えると、ハーブの香りで害虫が野菜の匂いを感知しにくくして、益虫を引き寄せてくれます。トマトと一緒にバジルを植えると、バジル独特の香りで害虫を野菜から守ってくれるだけでなく、トマトの味もよくなります。どれも食卓を彩るヘルシーな食材なので、一石二鳥ですね。ジャーマンカモミールは“植物のドクター”とも呼ばれ、一緒に植えると土壌が改良されて他の植物の病気が治ることもあるそう。バラに付くアブラムシやゾウムシにはキャットニップがおすすめですが、猫はキャットニップが大好物なので、せっかくのコンパニオンプランツを猫に台無しにされないようにご注意を。

魔女のほうきはハーブだった?!


『ハリー・ポッターシリーズ』も『魔女の宅急便』も、魔女や魔法使いの乗り物といえばほうきが定番ですが、一説によると、このほうきはハーブの一種エニシダを束ねたものだそうです。エニシダは英名で「broom=ほうき」ともいわれ、ヨーロッパのケルト文化圏では、エニシダでほうきをつくって掃き清めると悪い虫をはらうといわれ、浄化のシンボルにもなっています。エニシダに含まれる成分には、幻覚をもたらす作用もあることから、幻想的に飛び回る妖しい魔女のイメージと結びついていったのかもしれません。
また、魔女のルーツは、薬草を使って民間療法を行っていたハーブ使いの女性たちだったともいわれています。毒にも薬にもなるハーブを巧みに使いこなす知恵者の女性がまるで魔術師のように見え、恐ろしいイメージが広がっていったのではないでしょうか。


魔女シルエット


現代では、ほうきにまたがった魔女は人気アニメや絵本の愛すべきキャラクターと化し、老婆のイメージが強かった魔女も、今や年齢を超越した若さを誇る「美魔女」にとって代わられた感もあります。英語の「魔女=witch」は「賢い女性=wise woman」に由来するという説もあり、現代の魔女とは自分を美しく魅せる知恵に長けた賢い女性なのかもしれません。


世界最古の薬局のレシピに使われている花とは?


イタリア・フィレンツェにある『サンタ・マリア・ノヴェッラ』は世界最古の薬局として、当時の面影を伝えています。今も受け継がれる伝統製法がつくられたのは13世紀のこと。フィレンツェを代表する「サンタ・マリア・ノヴェッラ教会」の前身の小さな修道院で、2人の修道士が始めた医薬的な介護活動がきっかけでした。17世紀には、植物学や科学に精通した聖職者が薬局長になり、メディチ家御用達の称号が与えられました。

サンタ・マリア・ノヴェッラ教会


薬局に現存する最古のレシピといわれるハーブウォーターに使われているのは、バラの花です。中世の修道士たちが人々を癒すためにバラの成分を入れてつくったといわれるローズウォーターは、ワインの希釈や薬の飲用に使われ、ペスト流行時には家の消毒にも使われていたのだとか。ローズウォーターをはじめ、同薬局伝統のポプリや香水、リキュールなどの原料には、今も中世の頃と同じようにフィレンツェ郊外のトスカーナ丘陵で栽培されているハーブ、花、果実などが用いられているそうです。フィレンツェを代表するルネサンスの画家ボッティチェリの名画『春(プリマヴェーラ)』には、今もトスカーナに自生している数百種の植物の描写が見られ、春の女神が大地に美しいバラの花をまいている様子が描かれています。