HOME > 健康の雑学 >  【2014年5月号】 腸の雑学

腸の雑学

腸で幸せホルモンがつくられる?ミミズの腸は地球を救う?腸の総面積は二条城・二の丸御殿大広間の2倍ある?!今月は「腸」にまつわる、超ためになる雑学をお届けします!


腸の総面積はテニスコートなみに“超広い”?!


私たちのお腹の中にある臓器の中でも最も長いのが、小腸と大腸です。個人差はありますが、日本人の平均的な大腸の長さは約1.5メートル、小腸の長さは約6〜7メートルもあります。驚くのはその表面積の広さです。大腸の内壁を全部広げると、その表面積はなんとテニスコート半面分=約100平方メートル、さらに小腸はその2倍、テニスコート1面分=約200平方メートルもの表面積があるのです。
大腸と小腸の総面積を畳に換算すると、あの徳川15代将軍慶喜が大政奉還をした二条城・二の丸御殿の有名な大広間の2倍もの広さに相当する面積が、私たちのお腹の中にぎゅっとつまっているわけです!
なぜそんなにも広いのかというと、小腸や大腸の内部はフラットではなく、内壁には消化・吸収の役割を持った小突起が無数にあるため、表面積が膨大になるのです。
ちなみに、農耕民族の日本人は狩猟民族で肉食中心の欧米人より腸が長いという俗説がありますが、正確なエビデンスはありません。腸の長さは人種の違いより身長差に影響されるようで、男性のほうが女性よりも腸がやや長いという説もあります。

腸で幸せホルモンがつくられる?


私たちが「幸せだなあ〜♪」と感じるのは、喜びや快楽を伝える脳内伝達物質「セロトニン」が大きく関与しています。別名「幸せホルモン」と呼ばれるセロトニンは、体内にスプーン1杯分(約10ミリグラム)ほどしかありませんが、その90%が腸内にあり、脳にはわずか2%しかありません。
セロトニンは、魚や卵、乳製品に含まれている必須アミノ酸「トリプトファン」を原料に、ビタミン類のサポートで腸内でつくられますが、腸内細菌のバランスが悪いとセロトニンが合成できなくなり、キレやすくなったり、うつ状態になったりします。
また、ストレスを感じると、腸がそれを緩和するための防御反応としてセロトニンが分泌されますが、セロトニンが急激に増えすぎると、腸が不規則に収縮して、男性は下痢になりやすく、女性は便秘になりやすくなります。「緊張するとすぐお腹がピーピー」「忙しいとなぜか便秘になる」――そんな経験がある人は、実は腸が脳より早くストレス警報を送ってくれているのかもしれません。幸せもストレスもコントロールする腸は、まさに「第2の脳」といえます。

ミミズの腸は地球を救う?!


ミミズ



人間の祖先に思いをはせると、生物に最初に備わったのは、脳や心臓ではなく、腸でした。クラゲやイソギンチャクには脳がなく、腸が脳の役割もカバーしています。梅雨時になると、公園などでうれしそうにニョロニョロしているミミズを見かけますが、ミミズも脳を持たない生物の代表選手です。
あの有名な生物学者ダーウィンが、死ぬ間際までしていたのもミミズに関する研究でした。ダーウィンの研究によると、5万匹のミミズが1年間に排泄するフンの総量は18トンもあったのだとか。

ミミズは暗い地中で泥を黙々と食べて腸で消化し、それをフンとして出しますが、ミミズの腸内には無数の優れた腸内細菌が棲んでおり、土壌のさまざまな有害物質を有益なものに変えてくれています。やせた土地を肥えた土地に変え、地球の自然を守っている功労者は、実はミミズの腸だったのです。
ミミズを煎じた生薬もあり、その腸内細菌の力は東洋医学の世界でも認められています。見た目はちょっとグロテスクですが、ミミズは地球に欠かせない無口で真面目なよき相棒なのです。