HOME > 健康の雑学 > 【2009年6月号】梅雨の雑学
立秋を過ぎたら「梅雨明け無し」。再び来るのが「戻り梅雨」。年や時期、地域によって性格を変える「梅雨」の雑学をお送りいたします。
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梅雨とは、たとえていうなら「南の高気圧」と「北の高気圧」の“仁義なき戦い”とでもいいましょうか。この2つの高気圧の勢力ががっぷり四つで組み合って動かず、その間に生じる気圧の谷間、いわゆる「梅雨前線」も動かないことが原因となっています。 しかしながら、前線の動きや位置によって梅雨の気候は若干変化します。時期や年ごとによっても、雨が降らない「空梅雨」になったりと、「性格」があるんです。梅雨にも「陽性」と「陰性」があること、ご存知ですか? 陽性の梅雨は、集中豪雨になったと思ったらカラリと晴れたりする、いわばスコールのような雨が繰り返し起こるタイプのもの。一方、陰性の梅雨は、止みそうにない雨がしとしとと降り続くタイプのものです。陽性か陰性かを左右するのは、梅雨前線の位置。一般的に、この前線より南側に位置する地域では陽性に、北側に位置する地域では陰性になります。ごく簡単にいえば、南国は陽性、北国は陰性。また、梅雨入りの時期は陰性で、梅雨の後半からは陽性に変わることも多くあります。 ちなみに、「梅雨が明けない」年も、地域によってはあるんです。たとえば秋田県では、平成13年や平成15年には梅雨明けが特定できませんでした。北vs南の高気圧の仁義なき戦いの決着がつかず、いつまで経っても梅雨前線が北上せずに雨が降り続き、暦の上で「立秋」を越えてしまった際に「梅雨明け無し」となるそうです。 さらに、梅雨が明けたはいいけれど、太平洋高気圧が弱まったスキに、北方のオホーツク海高気圧が再び強まってくることがあります。この高気圧には寒気がともなっているので、冷たい北風が吹いてきます。これが東北地方などに冷害をもたらす「やませ」と呼ばれる風です。そこに雨が伴うと、いわゆる「梅雨の戻り」と呼ばれることになります。 そして、南の高気圧が頑張って「夏」をもたらし終わると、季節は秋へ。この時期も、北の高気圧が再び力を盛り返してきて、梅雨の時期と同じような気圧配置となり、いわゆる「秋雨前線」が生じて長雨が降ることがあります。一部では、秋の風物詩とかけあわせて「すすき梅雨」などとも呼ばれる現象です。 |
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