最強の免疫アップ術をマスターしよう!
新年は「長生き呼吸法」で全集中!
年末年始は1年の疲れが出て体調を崩しやすく、ウイルスなどの感染症にもかかりやすくなります。そこで今月は、人気ドクターの小林弘幸先生に「呼吸法」を変えて免疫力をアップする方法を教えていただきます。
- お話を伺った先生
- 順天堂大学医学部教授 日本体育協会公認スポーツドクター
小林 弘幸(こばやし ひろゆき)先生
1960年生まれ。順天堂大学大学院医学研究科博士課程修了。アイルランド国立病院外科留学を経て順天堂大学医学部教授に就任。順天堂大学医院に日本初の便秘外来を開設。自律神経研究の第一人者。『医者が考案した「長生きみそ汁」』『「ゆっくり動く」と人生がすべてうまくいく 副交感神経アップで体の不調、ストレスが消える!』『自律神経を整える「長生き呼吸法」』など著書多数。
年末年始は疲労がたまって免疫力が低下!
感染症のリスクも増大!?
お正月休みに入って生活パターンが変わると、免疫系と密接な関係がある自律神経のバランスが乱れがちになり、免疫力に悪影響を及ぼします。さらに冬は寒さや運動不足で血行が悪くなるうえ、年末年始は暴飲暴食をしがちなので、腸の働きも落ちてしまいます。全身の免疫細胞の7割は腸に集中しているので、腸内環境が悪化すると免疫力も下がってしまい、感染症などにかかりやすくなってしまいます。免疫力を上げるためには、まず自律神経のバランスと腸の働きを整えることが必須なのです。
呼吸が速い人は自律神経が乱れている!
自律神経には、緊張やストレスを感じた時に優位になる「交感神経」と、リラックスしている時に優位になる「副交感神経」があります。ストレスが多いと、交感神経が優位になって呼吸が浅く速くなりがちです。浅くて速い呼吸が習慣化してしまうと、全身の細胞に運ばれる酸素量が減るので血行が悪くなり、体調を崩しやすくなってしまいます。また、脳にも十分な酸素が行き届かないので、精神的にも不安定になり、自律神経のバランスがますます乱れるという悪循環に陥ってしまいます。
1分間に呼吸が〇回以上の人は要注意!
自分が1分間に何回呼吸をしているかを数えてみましょう。理想的な呼吸回数は、1分間に12~20回です。もし、1分間に20回以上呼吸をしているようなら、速くて浅い呼吸が習慣化している可能性があります。
自律神経のバランスを整える秘訣は「呼吸」にあり!
自律神経は呼吸、血行、消化・吸収など全身の生命維持機能をつかさどっています。呼吸は自分で意識してコントロールすることが可能です。意識的に深くゆったりした呼吸をすることにより、自律神経のバランスを整えることが可能なのです。自律神経のバランスが整えば、酸素も栄養もたっぷり含んだ血液を全身に巡らせることができ、免疫力アップに欠かせない腸の働きもよくなります。
呼吸を変えると
自律神経が整い免疫力もアップ!
自律神経研究のスペシャリストである小林弘幸先生が考案した「長生き呼吸法」は、自律神経を整えることで血行も腸内環境も改善でき、免疫力をアップできる健康法です。呼吸を意識するだけでよい健康法なので、「長生き呼吸法」と命名したそうです。この呼吸法は朝昼晩いつ行っても、何回行ってもかまいません。1日1分行うだけでも自律神経をリセットして整えるのに役立ちます。
1日1分の「長生き呼吸法」をやってみよう
口から6秒吐いて、鼻から3秒吸う「長生き呼吸法」は、誰でもムリなく自然に呼吸できるリズムです。この呼吸法をぜひ覚えてください。
足を肩幅に開いてまっすぐ立ち、肩の力を抜いて両手を脇腹に当てて、肋骨の下を軽くつかみます。
6秒間かけて口からゆっくりと息を吐きながら上体を前に倒し、両手でグーッと脇腹の肉をおへそに集め、腸に痛くない範囲で適度な刺激を与えます。
3秒間かけて鼻から息を吸いながら上体をそらし、両手の力をゆるめていきます。
新年から「長生き呼吸法」で「全集中」!
人気アニメで話題の「全集中」の呼吸法も、深い呼吸によって全身の細胞に血液を巡らせることで、心身の状態を整えて力を発揮できるという点で、実は「長生き呼吸法」とよく似ています。「長生き呼吸法」で全集中してパワフルな年明けを迎えましょう!
「長生き呼吸法」と合わせてこんな呼吸法もやってみよう!
受験生におすすめ!光を遮断する「集中力アップ呼吸」
目を閉じて交感神経を刺激する光を遮断すると、副交感神経が優位になり、緊張がほぐれて集中力が高まります。背筋を伸ばして椅子に座り、目を閉じて両目を覆い、口から6秒息を吐き、鼻から3秒息を吸う呼吸を10回ほど行います。受験などを控えている方は、基本の「長生き呼吸法」に加えて、この呼吸もおすすめです。
睡眠不足の人におすすめ!新年から快眠!「ぐっすり呼吸」
年末年始は生活リズムが乱れて睡眠の質が悪くなりがちです。質のよい睡眠をとるために、夜寝る前には基本の「長生き呼吸法」に加えて、副交感神経を優位にする「ぐっすり呼吸」も実践しましょう。
足を肩幅に開いてまっすぐ立ち、全身をできるだけ上に伸ばして両手をクロスさせます。
一気に脱力して、口から6秒息を吐いたら、STEP1の姿勢に戻って鼻から3秒息を吸います。
小林先生もゆったり深い呼吸で命拾い
小林弘幸先生が「長生き呼吸法」を考案されたきっかけは、かつて飛行機内で咽頭蓋が急激に腫れて気道をふさぐ急性咽頭蓋炎になり、呼吸ができなくなってしまった体験に基づくそうです。人は息ができずパニックになると緊張して交感神経が優位になり、ますます息が浅くなって呼吸が苦しくなります。小林先生はまず落ち着こうと考え、機内音楽のヒーリングを聴きながら、それに合わせてゆっくり深い呼吸をするように努めました。それによって徐々に呼吸が楽になって命拾いしたそうです。
呼吸と共にリラックスできる画像や音楽を楽しもう♪
ゆったりした曲調のクラシック音楽やヒーリングミュージックを聴いたり、心が癒やされるような画像や動画を眺めたりしながら「長生き呼吸法」をすると、さらに効果が期待できます。小林弘幸先生のインスタグラムには自律神経を整えるのに役立つ画像がたくさん投稿されているので、「長生き呼吸」をしながらご覧ください。
https://www.instagram.com/dr_hiroyukikobayashi/
まとめ
ふだんは無意識に呼吸しているので、自分の呼吸を意識することはほとんどありませんよね。でも、呼吸の仕方を変えるだけで、自律神経が整い、血行も腸内環境も改善されて免疫力アップに役立つなんて驚きですね。2021年はぜひ「長生き呼吸法」を実践して健やかな1年を過ごしましょう!
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