HOME > 特集記事 > 【2020年8月号】 水分の摂り過ぎは免疫力を下げる…!?水毒を改善して免疫力アップ!

水分の摂り過ぎは免疫力を下げる…!?
水毒を改善して免疫力アップ!

水分の摂り過ぎは免疫力を下げる…!?水毒を改善して免疫力アップ!

「朝から身体が重い…」「夏なのに冷えが辛い…」「夏バテかなあ…」――その不調、もしかしたら水分の摂り過ぎが原因かもしれません。体に余分な水分がたまると水毒になり、代謝や血行が悪くなって免疫力まで下がってしまう危険性が!今月は人気ドクターの石原新菜先生に、水毒を改善して免疫力を上げる方法を教えていただきます。

お話を伺った先生
イシハラクリニック副院長
石原 新菜先生
石原 新菜先生

長崎県生まれ。小学2年生までスイスで過ごす。医学生時代に父の石原結實医学博士と共に、ミュンヘン市民病院の自然療法、英国のブリストル・キャンサー・ヘルプセンター、メキシコ・ティファナのゲルソン病院などを視察し、自然医学への見識を深める。現在は東京のイシハラクリニックで主に漢方医学、自然療法、食餌療法による治療を行う。『さよなら ぷよぷよ肉・冷え・むくみ 今日から水出し生活 水毒を改善する3つのメソッド』(メディアファクトリー)、『病気にならない 蒸しショウガ健康法』(アスコム健康BOOKS)など著書多数。

水分を摂り過ぎると
どうして免疫力が下がるの?

「夏はこまめに水分を補給しましょう」とよく言われますよね?外にいる時や運動時は熱中症予防のために水分摂取が必要です。ただ、冷房の効いた空間にいる時に必要以上に水分を摂っていると、身体に余分な水分が溜まって水毒になってしまいます。
水毒とは東洋医学の用語で、体内に溜まった水分がうまく排出されないために起こる、さまざまな不調のことです。水毒になると、代謝や血行が悪くなって体温が下がります。体温が下がれば、免疫機能を持った白血球の働きが悪くなり、腸や腎臓などの内臓機能が低下するため、免疫力が下がってしまうのです。特に、マスク必須の今夏は、暑さしのぎに水分を過剰に摂取しがちです。それにより水毒になって免疫が低下するリスクが高まるので要注意です!

こんな人は水毒で
免疫力がダウンしているかも?!

水分の摂り過ぎによる水毒のサインは身体のいろいろなところに表れます。放っておくと免疫力が下がってしまうので、早めに気付いてケアすることが大切です。

水毒サイン 1平熱が36℃以下

水分の摂り過ぎで水毒になっていると、代謝や血行が悪くなるので体温が下がります。理想的な平熱は36.5~37℃ですが、水毒になっている人は平熱が35℃台という人が少なくありません。体温が1℃下がれば、免疫力は約30%もダウンしてしまいます。免疫機能が正常に働かないと、感染症をはじめ、さまざまな病気にかかりやすくなります。

私は平熱が37℃です。水毒を改善すれば体温が上がって免疫力もアップしますよ

水毒サイン 2のどが渇きやすい

水分補給をしてものどが渇いた状態が続くのは、全身の細胞に必要な水分が行き渡っていない証拠です。のどが渇くからと水分補給をすれば、ますます余分な水分が溜まるという悪循環に陥ります。1日に水を7杯以上飲むなど、水分を摂っているのにトイレに行く回数が5回以下の人は、身体に余分な水分が蓄積して水毒になっている可能性が高いといえます。

水毒サイン 3汗っかき

冷房の効いた室内で運動もしていないのに汗をかきやすいのは、身体の中に余分な水分が溜まっている証拠です。汗っかきは体温が高いと思われがちですが、水毒による隠れ冷え症になっているかもしれません。水毒で水分が溜まっていると、汗だけでなく涙や鼻水が出やすかったり、下痢しやすかったりもします。

水毒サイン 4舌の周りがギザギザしている

鏡の前で舌を出した時、周りがギザギザになっていたら要注意です。身体に余分な水分が溜まると舌がポッテリむくむので、舌の周囲に歯形がついてギザギザになってしまいます。頬の内側を噛みやすい人や、手足がむくみやすい人、やせているのに下腹がポッコリ出ていて叩くとポチャポチャ音がする人も、水分が溜まって水毒になっているサインです。水分が溜まってむくむと、身体もだるく、重く感じます。

舌の周りがギザギザの絵

水毒による免疫力ダウンを防ぐ
5つのポイント

Point 1
身体を冷やす薄着はNG!

身体に溜まった余分な水分を排出するには、身体を冷やさないことが必須です。夏は薄着になりがちですが、エアコンをつけた部屋に長時間いるとお腹や下半身が冷えて、ますます代謝や血行が悪くなり、免疫力が低下してしまいます。夏でもインナーやソックス、腹巻などを着用したり、出掛ける時は羽織るものを持参したりするのをお忘れなく。

Point 2
シャワーでなく湯船に浸かる

暑い夏はシャワーで済ませがちですが、余分な水分を排出するためにはできるだけ湯船に浸かるようにしましょう。湯船に入ると、下半身に水圧がかかって血液やリンパ液が押し上げられ、代謝や血行がよくなり、むくみも改善できます。じわっと汗が出てきたら、体温が1℃上がったサインです。

Point 3
簡単筋トレで水分排出!

余分な水分を出すためには、適度な筋トレが必須です。適度な運動で筋肉を鍛えることで、代謝や血行が促進されて体温が上がり、白血球の働きもよくなって免疫力もアップします。筋トレといっても、ハードな運動をする必要はありません。日常生活のすき間にできる簡単な運動をご紹介します。

寝ながらひざ曲げ運動

1. 仰向けに寝ながら両足をそろえ、息を吐きながら両ひざをゆっくり胸のほうに引き上げます。
寝ながらひざ曲げ運動1
2. 息を吸いながら両ひざをゆっくり伸ばして元の姿勢に戻ります。
*この運動は腹筋より楽にできます。ベッドやソファでゴロゴロしている時に自分のペースで25~30回ほど行いましょう。
寝ながらひざ曲げ運動2

ゆっくりもも上げ運動

1. 背筋を伸ばし、足をそろえてまっすぐ立ちます。
ゆっくりもも上げ運動1
2. 背筋を伸ばしたまま左右の太ももを片足ずつ引き上げ、ゆっくりと元の姿勢に戻ります。
*片足で立つとふらつく人は、壁に片手をそえてもOKです。左右1セットで5~10回ほど繰り返しましょう。
ゆっくりもも上げ運動2

Point 4
身体を温める食材を選ぶ

余分な水分を排出するには身体を温める必要があります。夏が旬の食材は、東洋医学では身体を冷やす「陰性食品」に分類されるので、できるだけ身体を温める「陽性食品」を摂るのがおすすめです。例えば、朝食にジュースやスムージーを作るなら、リンゴ、ブルーベリー、ニンジン、ショウガなど身体を温める食材を選びましょう。夏はリンゴが手に入りにくいので、100%ジュースで代用してもOKです。甘味を加える時も、身体を冷やす白砂糖より、身体を温める黒砂糖やハチミツを使いましょう。ショウガに含まれるショウガオールという成分は蒸すと約10倍に増えるので、体温アップ効果も高まります。

蒸しショウガの作り方

1. ショウガを皮付きのまま洗って厚さ1mmにスライスし、クッキングシートに並べる。
蒸しショウガの作り方1
2. オーブン(80℃)で加熱し、パリパリに乾燥させたら完成。冷めたらすり鉢ですりつぶして粉末にし、紅茶やみそ汁、そばつゆなどに小さじ1/2杯入れるだけで体温を上げるのに役立ちます。
蒸しショウガの作り方2

Point 5
酢酸菌×乳酸菌で免疫力アップ!

黒酢やバルサミコ酢には免疫細胞を活性化する酢酸菌が含まれています。なお、酢酸菌と乳酸菌を合わせると免疫力が倍以上に高まるという実験結果があるので、乳酸菌が含まれているヨーグルトに黒酢などを入れて免疫力をダブルで強化しましょう。

水毒改善&免疫力アップに役立つ、欲張り「酢ムージー」

身体を温めて余分な水分を出し、免疫力を上げる食材をたっぷりと入れた「酢ムージー」を元気通信編集部で作ってみました!

材料:ニンジン1/2本(皮付きのまま2cm角に刻む)、ブルーベリー100g、リンゴジュース150ml、ショウガ1片、黒酢大さじ2杯、ヨーグルト100g
酢ムージー材料
作り方:すべての材料をミキサーに入れて、均一に混ざるまで回します。甘味が足りない場合はハチミツを足します。
※ハチミツを使用する場合は一歳未満の乳児には与えないでください。
ミキサー
グラス入り酢ムージー

蒸しショウガのピリッと感と黒酢の酸味がアクセントに!



まとめ

身体に必要なはずの水分が、摂り過ぎると毒になるなんて驚きですね。夏でも身体を温める生活習慣を心がけるだけで、水毒を改善して免疫力ダウンを防ぐことができます。今日からぜひ実践してみてください。



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