HOME > 特集記事>【2010年5月号】ハーブの香りを楽しむ



ハーブ特集、第二弾!日々の暮らしの中で、ハーブの“香り”を楽しんでみませんか?香りのタイプや楽しみ方、お部屋での活用方法などを今回はご紹介します!


柑橘、フローラル、エキゾチック・・・お気に入りの「香り」を探そう


春の草原の匂いや花の匂いなどがふと鼻をくすぐると、心が落ち着いたり、良い気分になることはよくありますよね。香りがもたらすリラックス効果は科学的にはまだ未解明なものの、確かに私達のココロとカラダは「良い匂いだな」と感じると元気になる・・・そんな気がします。

そこで今回は、お部屋にいながらにして香りを楽しむ方法をいろいろとご紹介します。まずはアロマテラピーに使われる精油(せいゆ)を使って、香りのタイプをご紹介しましょう。



実践レポート!「実際に嗅いで“好きな匂い”を見つけてみた!」


皆さんこんにちは。元気通信編集部員のKです。香りを楽しむ際、もっとも大切なことは「自分が嗅いでみて、良い香りかどうか」ということ。そこで今回は、さまざまな精油を嗅いでみて、お気に入りの匂いを見定めたいと思います!

ではどうやって見定めるべきか?今回は、名前からイメージされる「先入観」を払拭して臨みたいと思い、編集部員Tを助手に“クイズ形式”にしてみました。編集部員Tが、精油を沁みこませた紙を私の鼻先に近づけて、私が匂いを判断してみます。私は何の香りか、知らされていない状態です。

T「じゃあさっそく。コレはどうですか?」
私「・・・コレは、夏みかんのような清々しさを伴っている。頭がシャキッとするな。コレ、果実タイプの香りでしょ?」
T「最初から大間違い。コレ、『バジル』の香りですよ」
私「エーッ!? そ、そう言われれば・・・」

といった具合に、自分の鼻ながら情けなくなってきます。「バジル」といわれたら、なるほどバジルの香りなんですけど、先入観というものは恐ろしいですね。

T「次はコレ。コレがわからなかったら、もう辞めたほうがいいですよ」
私「それはプレッシャー!・・・・わかった、ガムだ!」
T「ちゃんと『ミント』って言ってくださいよ」

ミントはわかりやすかったです。ペパーミントガムを噛んだ時と同じ清涼感がありました。仕事の合間の休憩に良さそうです。

T「次はコレです」
私「コレは甘いお酒の匂いだ。妖艶・・・というか、なんというか」
T「正解は『パチュリ』。オリエンタルタイプの香りですね。でも精油を作る過程で、発酵させてから蒸留するから、“お酒の匂い”もあながち間違いではないですよ」
私「おお、微妙に当たった!」

といった具合に、匂いクイズは続きます。下記に私が嗅いだ感想と、正解をまとめてみました。あくまでも私独自の感想ですので、人によって異なると思いますがご参考までに。

「床屋で嗅いだことがある匂いだ」 レモン
「お菓子!お菓子の甘さ!カラメル」 シナモン
「これは・・・バス・トイレタリー系?」 タラゴン
「スッとする。色にたとえるなら白」 イランイラン
「青春?初恋?そんな甘美さがあるよ」 ローズウッド
「木のようでいて、懐かしい匂い」 クローブ(丁子)
「う〜ん。最近どこかで嗅いだスッキリ系」 ローズマリー・カンファー
「わかった!歯医者の待合室の匂いだ」 フランキンセンス


我ながら恥ずかしいトンチンカンな感想もありますが、たとえばローズマリー・カンファーの「カンファー」とは樟脳(しょうのう)のこと。衣服の防虫剤などにも使われています。先日、衣替えをしたばかりなので「最近どこかで嗅いだスッキリ系」という感想になりました(笑)。シナモンや、バラに似た香りがするローズウッドなども我ながら的を射ているような気がします。おっと、今回はクイズが本題ではなく「好きな匂い」を見定めるんでした。以下に私、編集部員Kの好きな匂いベスト3を挙げます。

【第3位】ベンゾイン(樹脂タイプ)


エゴノキ科の木にキズをつけ、そこから滲み出た樹脂が原料。「安息香(あんそくこう)」とも呼ばれる。私の感想は「気品があって、クラシカル!素敵な調度家具が揃う部屋にいるような感覚になる。バニラっぽい匂いも若干するなぁ」。

【第2位】マンダリンオレンジ(果実タイプ)


ミカンに似た柑橘系の果実。精油は果皮を圧搾して作られる。オレンジやグレープフルーツよりも香りが優しく、広く好まれる香り。私の感想は「やんわりとした甘酸っぱさがあって、心が華やぐというか、元気になる感じ!食欲もそそられる!」。

【第1位】タイム(ハーブタイプ)


精油のみならず、肉料理などにも幅広く活用されているハーブ。防腐作用・殺菌作用もある。古代ギリシャでは“勇気が生まれる”ハーブとしても愛用された。私の感想は「軽めのミントのような香り。でもスッキリするし、休憩時にリラックスするには最適!」。

以上、編集部員Kの「好きな匂い発見」レポートでした。いろいろな香りを嗅いで自分の好きな匂いを見つける行為がこんなに楽しいなんて!というのが正直な感想です。精油が揃っているアロマショップでは“お試し”で匂いを嗅がせてくれるところも多いので、ぜひとも皆さん、お試しください!!

ハーブのエキスがギュッと詰まった「精油」の香りを楽しむ


ハーブの有効成分を濃縮したものが「精油(エッセンシャルオイル)」です。中には大量のハーブを使って数滴しか採取・蒸留できないケースもあるほど。濃縮しているため、使うときは数滴単位で希釈します。精油になじみのない方は、必ず専門店で店員さんに使用方法などを聞いてから購入・使用するようにしましょう。正しい知識を得た上で使えば、香りを楽しむバリエーションがグンと広がります。それでは実際に、精油を楽しむ手法をご紹介してみましょう。

最も手っ取り早いのは「ハンカチ」
精油を楽しむ方法として最も手軽なのは、コットン生地などのハンカチに沁みこませて使う方法です。量は、1滴ないし2滴で十分。そのまま鼻を近づけて匂いを楽しみましょう。精油をつけた部分が直接鼻や皮膚に触れないように注意してください。
「マグカップ」に入れてにおいを嗅ぐ
こちらも手軽な楽しみ方のひとつ。精油は熱を加えることによって、さらに成分を拡散させます。マグカップには8分目くらいまでお湯を入れて、そこに1〜2滴垂らします。鼻を近づけて、手で扇ぐようにして香りを楽しみましょう。そのまま飲むことはできませんのでご注意ください。
「オイルウォーマー」で灯りも楽しむ
精油の使い方としては一般的なのが、オイルウォーマーで温めて使う手法。中にキャンドルを仕込み、火をつけて上皿に垂らした精油を熱します。6〜8畳の部屋では5滴程度が目安です。取り扱い説明書をみながら使用してください。たいていのオイルウォーマーは、中のキャンドルの灯りが漏れるようになっていますので、癒しムードを演出するライトとしての機能も果たしてくれます。
「アロマライト」で安全に楽しむ
精油の香りをお部屋に拡散させるアイテムのひとつ。アロマライトは電気の熱によって精油を温めるもの。火を使わないので安全です。さまざまなデザインのアロマライトが市販されていますので、お部屋のインテリアに合わせて購入しましょう。もちろん「ライト」ですのでぼんやりと光り、見た目としても癒されること請け合いです。
お風呂や足湯で香りを楽しむ
鼻から香りを楽しめるだけでなく、肌からも精油の成分が浸透します。お湯を張った浴槽に、おおよそ5滴前後が目安。ただし精油によっては希釈させてから使うものもあります。また、アロマショップなどで購入する際には「お風呂で使う」「肌が弱い」「リラックスしたい」「妊娠している」「子どもも入る」といった点について、詳しい店員さんに話を聞きながら精油を選んでみてください。


まだまだあります!香りを楽しむ芳香浴いろいろ


精油以外にも、お部屋にいながらにして香りを楽しめるアイテムはたくさんあります。自らがもっとも癒される方法で、香りをぜひとも楽しんでみましょう。

「ポプリ」を楽しむ
ハーブをはじめ、花や葉、スパイスや果実の皮、木片などを乾燥させてブレンドし、ビンやポットの中で熟成させたものが「ポプリ」。乾燥したものに精油を垂らして使ったり、塩を使って熟成させる「モイストポプリ」といったものもあります。乾燥させた「ドライポプリ」なら市販品も多く出回っていますので、お部屋に置くだけで手軽に香りを楽しむことがあります。

見栄えもよいため、ガラスなどの器に入れて楽しみましょう。金属やプラスチックの器の場合、精油を垂らすタイプのポプリだと腐食する場合もあります。また、ポプリの量が多ければその分だけ強い香りを放ちます。大き目の部屋なら、口の開いた大きな器を使い、小さなスペースであれば小瓶などを使って置くとよいでしょう。ベッドルームにはゆったりと落ち着いた気分になれる香りのポプリを配置するなど、場所によって香りを変えるとさらに効果的です。
「サシェ」や「リース」を楽しむ
日本でいうところの「匂い袋」です。通気性のよい綿などの布袋にポプリやドライハーブを入れて利用します。さりげなく枕元に置いてもいいですし、クローゼットや引き出しの中、自動車の車内などに入れても重宝します。カバンに入れて持ち歩いても良いでしょう。

「リース」は、木などで作られた輪にハーブをあしらったもの。精油をしみこませたものもあります。こちらも市販されているので、玄関やお部屋の壁などに飾って楽しみましょう。
「お香(インセンス)」を楽しむ
ご存知、お香です。スティック状のものや、コーン状のものが主流です。こちらもフローラルタイプや樹脂タイプ、和風の香りやエキゾチックな香りなど、多種多様なタイプがあるので、お気に入りの香りを探してみましょう。ちなみに、火をつけなくても香るため、そのまま置いておくだけでも香りを楽しむことができます。

また、インテリアとしてお香立ても和洋さまざまなタイプが出ています。また、持ち歩くこともできるので、アウトドアでのキャンプなどに持参してもよさそうです。
「茶香炉」を楽しむ
お茶の香りが好きな方には、茶香炉がおすすめ。ローソクなどで火を焚いて、その上の皿に茶葉を載せておくと、お茶が焙られて、お茶屋さんのようなかぐわしい匂いがお部屋に立ち込めます。香炉は陶器製のものが一般的で、和室によく似合います。

お茶の葉は、一般的に飲用として売られている煎茶でOKですが、茶香炉専用の茶葉も市販されています。この茶葉は厚みのある葉を用いているため飲用には適しませんが、茶香炉に使うと香りが長持ちします。あとは「茎茶」もおすすめ。お茶の香りは消臭効果も期待できます。