HOME > 特集記事> 【2009年4月号】快眠のススメ


快眠のススメ


健康の源といえる「睡眠」。皆さんはきちんと「快眠」できていますか?今月は、心地よい眠りをもたらすノウハウを中心にお送りします!


ぐっすり熟睡!快眠をもたらす生活6か条


皆さんは、自分の「眠り」に満足していますか?昨今では、自らの眠りに満足していない人が増えています。充実した眠りは、普段の生活の各シーンで気を配ることでもたらされます。ぜひ皆さんも心がけて、快眠生活を目指しましょう!

【午前7時】朝、なるべく規則正しい起床時間を
快適な睡眠は、まずしっかりと起きることから。ふとんの中でダラダラと過ごしていると熟睡感が薄れてしまいがちです。また、起きる時間は毎日なるべく同じ時間に設定し、生活のリズムを守りましょう。多少ならかまいませんが、お休みだからといって寝すぎてしまうと翌日辛くなりがちです。

【午前7時半】太陽の光をしっかり浴びる!
睡眠を促す物質「メラトニン」は、太陽光を浴びてから14時間後に分泌が始まるといわれています。身体の体内時計を狂わせないためにも、朝起きたらカーテンを開けてしっかりと太陽光を浴びるようにしましょう。

【午後12時半】時間があれば、15分の「うたたね」を
起床から午前中にかけて眠気は収まり、一旦昼ごろに再び眠気が生じ、その後は眼が覚めて就寝前に大きな眠気がやってくる・・・それが現代社会を生きる人間の基本的なリズムです。快活な午後を過ごすために有効なのが、15分程度のお昼寝。短い時間であっても、充分な休息効果が得られます。椅子に座っての「うたたね」レベルで構いません。また、午後4時以降の仮眠は夜の睡眠の妨げになります。1時間以上のお昼寝もまたしかり。15分程度がベストです。寝る前にコーヒーなどカフェインを含むドリンクを飲んでおいてもよいでしょう。カフェインが効き始める頃に起きる、ということになります。

【午後7時】夕食はなるべく早めに、腹八分で!
暴飲暴食は睡眠の妨げのもと。たくさん食べると、それだけ消化にかかる内臓の負担が増え、睡眠に集中できない状況に陥ることがあります。結果的に睡眠時間が無駄に長くなりがちです。量は腹八分目程度に抑えること。また、就寝2時間以内には食事をとらないようにしましょう。過度のアルコール摂取も、眠りが浅くなりがちですのでなるべく避けたほうが賢明です。

【午後8時】寝る直前の入浴&熱いお風呂を避ける
寝る直前の入浴はおすすめできません。就寝3時間前、少なくとも1時間前には入浴を済ませましょう。熱い湯は交感神経が刺激されて身体が起きてしまいます。37度〜39度くらいの湯に浸かって、存分にリラックスしてください。ハーブや入浴剤などを使って「香り」の面からリラックスすることも有効です。

【午後10時】趣味の時間から、入眠準備へ
心身ともにリラックスすることが、この時間帯では大切です。音楽を聴いたり映画を観たり、思い思いの「好きなこと」をして過ごしましょう。明日の仕事の準備などは、なるべく早めに片付けること。適度な運動やストレッチも、心地よい疲労感が眠りやすい身体を作ってくれます。また、これらの行動は「習慣づける」ことでさらに効果を発揮します。一定の行動が「入眠の儀式」となり、身体が「このあと就寝する」ことを把握します。照明はなるべく暗めを保つようにしましょう。
読書もいいですが、熱中しすぎる本は逆に脳を覚醒させてしまうので、一度読んだことのある本を読み返したり、あえて難しめの本を読んでみることもおすすめです。



眠りを妨げる一因は「寝なきゃならない」と自分にプレッシャーをかけ、脳が覚醒してしまうことです。明日は早起きしなければならない。明日は一日中忙しい。そのために少しでも寝ておかないと、と思うことはごく自然ですよね。ただこれが、プレッシャーになってしまっている。

もし明日、火急の用事がなければ、無理に寝ようとせずにベッドから出て好きなことをして過ごすことを心がけましょう。どうしても寝ておきたいなら、逆にベッドに入り、眼を閉じてじっとする。そこで「眼を閉じて横になるだけでも効果がある」と思うことです。実際、四肢などの筋肉も休まりますし、心臓の循環も寝ている際のモードに切り替わるといわれています。リラックス効果から、睡眠時に生じる脳波「α波」も生じます。

枕に花粉症対策・・・寝るためのアイテムにもこだわりを

睡眠には、人それぞれの個性があります。睡眠の「質」もさることながら、仰向けに寝る人もいれば横向きでないと寝られない人もいます。枕ひとつとっても、その高低や硬軟、「そば殻」などの材質も、好みが分かれるところです。

現在、さまざまなタイプの枕が市場に出ています。
「横向き用枕」は、横を向いて寝た際、肩への負担が軽減されるような設計が施されていたり、耳の当たる部分に窪みや通気性の良い素材を駆使しているなど、さまざまな工夫が見られます。安堵感を覚え、リラックスできるといわれている「抱き枕」も人気です。
さらに昨今では枕のオーダーメイドができるシステムを導入したお店も登場。首のカーブを測定したり、さまざまな素材を試したりして、自分に合った枕を手に入れることができます。

そしてもうひとつ、今の季節、睡眠の大きな妨げとなるのが花粉症です。人によっては「睡眠中には花粉症の症状が出ない」人もいますが、鼻が通らず、眠りが浅くなってしまう人もいるようです。そんな方は、鼻に貼る鼻孔拡張テープがおすすめ。鼻孔を広げることで通りがよくなり、いびき予防にもつながります。さらに「横向きで寝る」「部屋を清潔に保ち、保湿する」といったことも試してみましょう。

リラックスできない「過緊張」の人が増えている


リラックスしようと思っていてもなかなか上手くできない・・・そんな方は「過緊張」かもしれません。過緊張とは、人間の自律神経のリズムが乱れてしまっている状態のこと。自律神経には「交感神経」と「副交感神経」があり、前者は日中、後者は夜になると優位に働きます。この切り替えがうまくなされず、活発な活動をつかさどる「交感神経」のまま夜を迎えてしまうと、興奮状態が持続して眠れなくなるのです。下記の症状が出やすい人は「過緊張」の可能性があります。

◇目覚まし時計がなくても朝起きることがある
◇手足がしっとり冷たい
◇脇や手のひら、足の裏などに汗をかくことがある
◇真冬でも、寝るときに靴下を履くのは不快に感じる
◇自分の動悸が気になって眠れない
◇夜中に何度も目が覚めてしまい、十分に寝られない
◇週末は体調を崩しがち
◇夜になるとノドが詰まったり、胸が苦しくなることがある


“非日常”のことに10分間集中してみる
過緊張は、ストレス過多の現代社会がもたらすといわれています。そこで、日中の生活とはかけ離れた趣味などに10分間没頭し、「オン」から「オフ」に切り替えを図りましょう。義務ではなく、楽しむことを前提に、没頭できるものを見つけてみてください。

腹式呼吸を意識する
腹式呼吸を意識することは、副交感神経を優位にすることにつながります。ヨガやストレッチなど、軽めの運動をしながら腹式呼吸を意識してみることもおすすめです。

薬酒を飲む
血行促進、疲労改善などの効果が期待でき、アルコールと生薬でリラックスを促す「薬酒」は過緊張対策としておすすめです。薬酒が放つ香りを楽しむことにもリラックス効果があるといわれています。

日中、どのくらい眠い?〜睡眠時無呼吸症候群の可能性も〜


睡眠が不足しがちになると、さまざまな症状が現れてくることもあります。情緒不安定でイライラしたり、集中力が低下するといった精神的な症状だけでなく、肌荒れや頭痛、免疫力の低下により風邪を引きやすくなることもあります。

また、睡眠に伴うさまざまな病気もあります。昨今よく耳にするのが、睡眠時無呼吸症候群。いびきをかき、10秒以上息が止まった状態が寝ている間に繰り返される症状で、深い睡眠をとることができません。そのため日中の眠気に直結し、交通事故や能率の低下はもとより、放置しておくと心臓の病や脳卒中、糖尿病の原因になることもあります。

ここでご紹介したいのは、下記のチェックリスト。これは「エプワース眠気尺度」と呼ばれるもので、睡眠時無呼吸症候群などの初期判断材料として活用されています。ぜひ実際にやってみてください。
どんな状況でウトウトしたり、眠ってしまいますか?
座って読書しているとき 0点 1点 2点 3点
テレビをみているとき 0点 1点 2点 3点
人の大勢いる場所(会議、映画館など)で座っているとき 0点 1点 2点 3点
他の人の運転する車に、休憩停車せずに1時間以上乗っているとき 0点 1点 2点 3点
午後に、横になって休息しているとき 0点 1点 2点 3点
座って人と話しているとき 0点 1点 2点 3点
昼食後、(飲酒していない状態で)静かに座っているとき 0点 1点 2点 3点
自分で車を運転中、渋滞や信号で数分間停車しているとき 0点 1点 2点 3点
※上記において「眠ってしまうことはない」が0点、「たまに眠ってしまう」が1点、「しばしば眠ってしまう」が2点、「だいたいいつも眠ってしまう」が3点。

合計点11点以上の場合は、医師に相談することをおすすめします。また、睡眠時無呼吸症候群は非常に自覚症状が出にくいため、11点以下であっても昼間に強烈に眠くなるときがあるといった方などは、やはり医師へ相談してみることをおすすめします。肥満の方や、いびきを頻繁にかく方、他人から無呼吸状態を指摘されたことがある方も要注意です。


じつはけっこう怖い、眠りのトラブル。早めに気づいて適切な処置を行い、充実した快眠生活を送るように心がけましょう。





睡眠物質の発見!


「草木も眠る丑三つ時」と昔から言い伝えられているように、私たち人間をはじめとして、どんな動物も必ず眠ります。ヒトや動物が眠るメカニズムはどうなっているのでしょう?

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