HOME > 目の雑学 >  【2020年10月号】 目の雑学

目の雑学

「目の破壊力が最強のキャラクターとは?」「目の色はどうして違うの?」「“目から鱗”“二階から目薬”を絵にすると…!?」——今月は目にまつわる雑学をお届けします!


目の破壊力が最強のキャラクターとは?

古くからアニメや特撮ドラマでは、目からビームを発するキャラクターが大勢登場します。例えば、「スーパーマン」や「ウルトラマン」も、闘うときに目からビームを発しています。その種類はさまざまで、スーパーマンの目から放たれる熱線「ヒートビジョン」は、太陽のエネルギーを蓄えているそう。スーパーマンは他にもX線ビジョンという透視能力も持っています。ウルトラマンも、初代より目からビームを発する技をしばしば披露しています。ウルトラマンの目から発せられる光線は敵を倒す武器というよりは、敵の弱点を見抜いたり、バリアーを破壊したりする際に使われています。
しかし、ギリシア神話には世界最強ともいえる眼光を持つキャラが登場します。その名は「メデューサ」。怪物ぞろいのゴルゴン3姉妹の末娘です。頭髪が全て毒蛇という強烈なルックスのメデューサは、宝石のようにキラキラ発光する目を持っており、その目で見られた相手はたちまち石になってしまうといわれています。メデューサは、カラヴァッジョやレオナルド・ダ・ヴィンチなど天才画家たちの作品モチーフとしてしばしば描かれてますが、いずれも独特の怖さがあります。また、トルコでは古くから「メデューサの目」と呼ばれる青い目玉型のガラス細工が魔よけのお守りとして使われています。敵に回すと怖いメデューサでも、お守りにすれば最強の魔よけになりますね。


メデューサのイラスト


目の色はどうして違うの?

目の色は人によって異なります。色が薄かったり濃かったり、色味が違ったりします。目の色とはいわゆる「黒目」の部分に当たる「虹彩」の色を指します。人間の虹彩の色を決める大きな要因のひとつは、遺伝子です。虹彩の色を決める遺伝子には2種類あり、その遺伝子の組み合わせによって、ブラウンやグリーン、ブルーといった色みが決まるといわれています。日本人は一般的に目が黒いといわれますが、正確には濃いブラウンです。同じブラウンでも、人種によって淡いブラウンや赤みがかったブラウンなど多様です。
虹彩の色はメラニン色素の量によっても異なります。メラニン色素は肌や髪だけでなく、目にもあるのです。メラニン色素の少ない人は肌の色が薄くなりますが、同様に虹彩の中のメラニン色素が少ないほど薄い色になります。その人の育った環境の日照条件によってメラニン色素の量が変わるので、生後半年ほどで目の色が決まるといわれています。
まれに左右の目の色が異なる場合があります。これは虹彩異色症(こうさいいしょくしょう)といい、先天的な原因と後天的な原因があります。クールなまなざしが印象的なロック・スターの故デヴィッド・ボウイも、虹彩異色症だったことで知られています。


「目から鱗」「二階から目薬」を絵にすると…!?

「目」のつくことわざや慣用句は非常に多くありますが、そのまま絵にしてみると奇妙なものが少なくありません。例えば、今まで知らなかったことが急にわかるときによく使うことわざ「目から鱗が落ちる」は、絵にするとちょっと不気味です。意のままにならずもどかしいことを意味する「二階から目薬」は、絵にするとまるでシュールなコントのようです。
一方、隠しごとが漏れやすいことを意味する「壁に耳あり障子に目あり」や、悪事は必ずばれることを意味する「闇夜に目あり」は、絵にするとまるで妖怪のようです。不運が重なることを意味する「弱り目に祟り目」も、絵にするとちょっと怖いですよね。かわいくてしかたがないことを意味する「目に入れても痛くない」も、実際に絵で描くとかなり痛そうです。素早くて油断ならないさまを表す「生き馬の目を抜く」に至っては、絵にするのもはばかられるほど残酷です。自分のことを棚に上げて他人をバカにすることを意味する「目くそ鼻くそを笑う」も、別の意味で絵にするのがはばかられますね…。
ちなみに、害を受けたら同じように仕返しをすることを意味する「目には目を」は、メソポタミア文明の象徴ともいえる「ハンムラビ法典」の有名な一節ですが、「やられたらやり返す」より、恩を受けたらきちんと恩返しする人になりたいですね。