花粉症だけじゃない!春はこんなアレルギーにご用心!猫アレルギーは治る?バレンタインに注意したいチョコレートアレルギーとは?——今月はアレルギーの雑学をお届け!
春は花粉症以外にも、注意したいアレルギーがあります。そのひとつが、春に旬を迎えるタケノコ。採れたてのタケノコの煮物や炊き込みご飯は絶品ですが、「タケノコアレルギー」の人は、タケノコの天然成分である「アセチルコリン」「ノイリン」が原因となって、胃痛やかゆみなどのアレルギー症状を引き起こすことがあるので注意しましょう。
また、卒業式や入学式など人生の門出に当たる春は、おめでたいエビ料理を食べる機会が増えます。しかし、日本人の成人には、エビやカニを食べるとアレルギー症状を起こす「甲殻類アレルギー」が多いといわれる(厚生労働省HPより)ので、気になる人はアレルギー検査を受けましょう。
なお、アレルギー体質でなくても、少し傷んだサバやカジキ、マグロなどを食べると、じんましんが出たり腹痛を起こしてしまうケースがあります。これは「ヒスタミン食中毒」といわれるアレルギーに似たアレルギー様食中毒で、誰にでもなり得る可能性があります。魚の保存過程で温度管理が悪く、一度ヒスタミンが産生されると、煮ても焼いてもヒスタミンは減りません。魚は新鮮なうちに食べるに限りますね!
2月22日は「にゃんにゃんにゃん」の猫の日ですが、どんなにかわいい猫でも、猫アレルギーの人にとっては近付きたくないアレルゲン(アレルギー原因)です。今は何の症状もなく猫と暮らしている人でも、ある日突然、猫アレルギーになってしまう可能性があります。猫アレルギーは薬によって症状を緩和できますが、根治はできないといわれてきました。
しかし、カナダのマックマスター大学医学部で研究中の新薬療法の臨床試験では、症状の大きな改善がみられました。原理は花粉症の免疫療法と同じで、猫の唾液や被毛のタンパク質といったアレルゲンを安全な形にして注射する方法です。猫アレルギーの根治が実現すれば、猫アレルギーで猫と暮らすのを諦めていた人に朗報ですね。
ちなみに、犬や猫も人間と同じように食物などのアレルギーがあり、下痢や嘔吐、皮ふ炎などの症状が出ます。犬猫の食物アレルギーも悩ましいけれど、中には人間になかなか懐かない「人間アレルギー」の犬や猫も。飼い犬や飼い猫が人間アレルギーにならないように、愛情を十分に注いで育ててあげましょう。
バレンタインデーになると、下痢、嘔吐、腹痛、鼻血、けいれんなどの症状を訴える人が増えるといわれています。ただのチョコレートの食べ過ぎが原因では?と思いきや、実はそれらは「チョコレートアレルギー」特有の症状です。
チョコレートアレルギーの原因は、チョコレートの主原料であるカカオに含まれる「チラミン」という物質です。チラミンは高血圧発作や偏頭痛を引き起こす誘因にもなる化合物で、チョコレートをはじめ、ココア、赤ワイン、熟成チーズ、漬けもの、イチジクなどにも含まれています。
チョコレートアレルギーは「カカオアレルギー」「カカオマスアレルギー」ともいわれます。バレンタインの時季に多くみられるので、俗に「バレンタイン症候群」の名でも知られています。バレンタイン症候群というと、チョコレートをもらえなくて憂うつな気分に陥った人の病のようですが、逆にチョコレートをたくさんもらったがゆえの悩ましい症状なのです。