HOME > 健康の雑学 >  【2015年1月号】 神社の雑学

神社の雑学

大吉が出て喜ぶのは素人?! おみくじの引き直しはバチ当たり?! 巫女さんは健康優良女子が条件?神前結婚式の歴史は意外と浅い? 今月の元気通信は神社にまつわるウンチクをお届け!


雑学1 大吉で喜ぶのは素人?!「おみくじ」の意外な真実


初詣に行ったら、やっぱり気になるのがおみくじ。「くじ」とは神の意を占うという意味で、平安時代には既に吉凶を占うくじがあったようですが、庶民に広まったのは江戸時代といわれています。よく迷うのが「末吉と小吉はどっちが上?」という吉凶の順番ですが、基本的には「大吉・中吉・吉・小吉・半吉・末吉・末小吉・凶」の順でラッキー度が高いといえます。ただ、大吉が一番いいのかと思いきや、易の世界では、大吉は今がピークで、これ以上アガらないということなので、中吉や吉のほうが伸びる可能性があると考えるそう。
「年始早々、運勢がイマイチだったから、引き直そう」などという人がたまにいますが、神様のメッセージであるおみくじを引き直すということは、神様を疑うことになるのでご法度です。また、吉凶ばかり気にして、おみくじに添えられた和歌をうっかり読み飛ばしてしまいがちですが、実はおみくじの核心はこの和歌にあるといわれています。風情ある和歌にこめられた神様からの含蓄あるメッセージを、じっくり読み解いてください。


おみくじ


雑学2 巫女さんになるには健康優良女子が条件?


髪をきゅっとひとつにまとめ、白衣に緋色の袴姿が凛と気高い巫女さん。宮司さんをはじめとする神職さんは資格が要りますが、神事や社務のサポートをする巫女さんには特に資格はありません。ただ、巫女さんは古来より神様と人をつなぐ媒介役として、神事や祈祷に欠かせない重要な役割を担ってきました。巫女さんの「巫」は「かんなぎ(かむなき)」と読み、神の依り代(よりしろ)という意味で、神に奉納する「神楽」を舞ったり、祈祷の際に神が憑依する「神がかり」となって神様の言葉「神託」を人々に伝えるという重大なお役目がありました。非常に神聖な仕事を司るため、巫女さんになる女性には肉体的にも精神的にも健康であるという条件が求められました。


巫女さん


年末年始には各地の神社で巫女さんのアルバイトが募集されますが、短期高収入バイトとして大人気です。ただし、茶髪やネイル、ピアス、つけまつげなどはもちろん禁止で、髪は束ねるのが鉄則です。また、屋外でも白衣に袴、足袋に草履が基本で、コートもブーツも着用できないので、冷え症の巫女さんアルバイターの中には、「ヒートテックやスパッツをこっそり着こみ、カイロをお腹や背中に仕込む」という人もいるようです。寒さ知らずの健康優良女子でないと、やはり巫女さんは務まらないようですね。


雑学3 神前結婚式の歴史は意外と浅い?


枕詞に「古式ゆかしい」と表現されることが多い「神前結婚式」は、大昔から続いている日本古来のクラシカルな婚礼スタイルと思っている人が多いようです。しかし、実は神前挙式の歴史は意外に浅く、20世紀以降に確率した挙式スタイルなのです。そもそもは1900年(明治33年)、宮中で行われた後の大正天皇となる皇太子と後の貞明皇后になる九条節子姫の神前挙式がもとになっており、一夫一妻制の結婚式は皇室初とあって、庶民の間でも神前挙式を希望する声が上がったようです。
それまでの庶民の結婚式といえば、自宅の床の間のあるお座敷で三三九度の固めの盃を交わす「祝言」スタイルの結婚式が一般的でした。1901年に今の「東京大神宮」で、先の皇室の神前挙式を模した民間向けの神前挙式スタイルがつくられ、それが全国各地の神社にも広がっていったといわれています。今では神社だけでなく、結婚式場やホテル内にしつらえられた神殿でも神前挙式が行われています。歴史は意外と浅い神前挙式ですが、神社や神殿を背景にした和装のお嫁さんはとても絵になりますね。


神社の神前挙式風景
神社の神前挙式風景