2015年の初詣は、ぜひ無病息災や長寿延命、病気平癒など、健康にご利益のある神社に行ってみませんか?
意外と知らない初詣のウンチクから、健康祈願におすすめの全国選りすぐりの神社をご紹介!
「初詣」は、まず自分の住んでいる地域の氏神様に参拝してから、他の社寺に行くのが礼儀です。参拝時期は、新しい年の「年神様」がいらっしゃる1月7日までの松の内に行きましょう(地域によっては1月15日まで)。年神様は元日にやってきて、元気の「元」である命のパワーを参拝者に授けてくれます。
神社を参拝する際には必ずくぐる鳥居。実は、鳥居の起源はいまだナゾに包まれているのですが、境内の参道に立っている鳥居は「神域の門」と呼ばれ、鳥居の先は神様の領域ですよというしるしです。清らかな気持ちでくぐりましょう。古来、鳥は天上と地上をつなぐ聖なる生きものとされており、鳥居は神様にお供えした鳥の宿り木に由来するという説もあります。
大鳥神社(東京・目黒)の鳥居
神社の境内にいる一対のこまいぬは、神社を守護する魔除けです。口を開けているのが「阿形(あぎょう)」、口を閉じているのが「吽形(うんぎょう)」で、合わせて万物の始めと終わりを意味する「阿吽(あうん)」を表しています。中国から伝来したものですが、そのルーツはエジプトのスフィンクスに遡るという説もあります。ちなみに、お稲荷さんにはこまいぬではなくキツネがいます。
大鳥神社(東京・目黒)の狛犬の足元には子どもの狛犬の姿も。
盛岡天満宮(岩手・盛岡)の狛犬はちょっとゆるキャラ風?!
神社の境内にある水場を「手水舎(てみずや)」といい、参拝前には必ずここで両手を洗って、口をすすぎます。この行為を「手水」といい、参拝前に心身を清める「みそぎ」を意味します。手水の順番は、ひしゃくで水をすくって、左手、右手の順に清め、次に左の手のひらでひしゃくの水を受け、それで口をすすぎます。最後に左手をもう一度すすぎ、ひしゃくを立てて残った水で柄を清めたら、元の位置に置きます。
日本では古来より海や山、風や火などの自然をはじめ、あらゆるものに神が宿っていると考えられてきました。八百万の神というのは、万物に宿るさまざまな神々の総称で、『古事記』や『日本書紀』には、さまざまな神々が登場します。八百万の神を代表するイザナギノミコトやイザナミノミコト、アマテラスオオミカミは、全国各地の神社のご祭神になっています。
健康にご利益のある全国のさまざまな神社をご紹介します。
大鳥神社 宮司 堀江久教さん
「酉の市」で有名な大鳥神社は、「目の病」にもご利益があり、日本神話の舞台にもなった由緒正しい神社なのです。宮司の堀江久教さんに詳しいお話を伺いました。
「はるか2000年近く前、日本武尊(ヤマトタケルノミコト)が東夷(とうい)を平定される際、今の大鳥神社がある場所にあった社で戦勝祈願をされました。その際、部下の目の病が治るようにお祈りされ、社になっていた山ぶどうの実を与えると、部下の目の病が治ったそうです。その後、無事に東夷を平定された日本武尊は当社を「盲神(めくらがみ)」と称えられ、お持ちになっていた剣を献納して神恩に感謝されました。その剣は天武雲剣(あめのたけぐものつるぎ)と称し、今も当社の神宝として受け継がれています。当社がある目黒の名の由来も、「めくらがみ」に関わりがあるという説もあります」
社殿
目黒区下目黒3-1-2
JR山手線目黒駅西口下車徒歩7分
鳳凰の紋
日本武尊が亡くなった後、その霊が白鳥となり、今の大鳥神社のある場所にも現れたことから、「鳥明神」として社殿にお祀りしているそう。大鳥神社の社紋が鳳凰なのは、この伝説に由来しているのです。
櫛塚
大鳥神社の社殿の右奥には、女性の命といわれる髪の美しさを願って奉納された「櫛塚」があります。日本神話には、神社のご祭神・日本武尊の妃の身代わりとなったといわれる櫛の伝説も残されていますが櫛は古来より神聖な力を宿していると信じられてきました。この櫛塚にも健康祈願のご利益があるそうです。
御神木
社殿の右には、目黒川のそばから移植され、東京大空襲で焼けても復活した非常に生命力の強い大銀杏のご神木がそびえています。木肌には空襲の黒い焦げ跡も残されています。
養老公園内にある不老長寿祈願で有名な神社です。境内には「菊水泉」と呼ばれる清水がこんこんと湧いています。その昔、美濃の貧しいきこりが山で薪をとっていたところ、岩から酒が湧いているのを見つけ、ひょうたんに汲んで老父に飲ませたら若返ったという伝説から、若返りのご利益があるといわれています。時帝・元正天皇も、この霊水を浴びると若返ったのだとか。春分の日には「若水取り」の神事が毎年行われています。アンチエイジング祈願にぜひ。
養老神社
岐阜県養老郡養老町養老公園
鎌倉時代に創建された三重県有数の歴史的神社です。医薬酒造の神様である少彦名命(スクナヒコナノミコト)がご祭神に祀られています。延命の力があると伝えられる「御神水井戸」と同じ水脈から湧き出ている水が手水舎でも用いられており、その神聖な水を求めて遠方より多くの方々が参拝に訪れています。
社殿
三重県伊賀市一之宮
御神水井戸
伊勢神宮のおひざ元にある「足神さん」の愛称で親しまれている神社です。足腰の病にご利益があることから、マラソンの野口みずき選手がアテネ五輪前にこの神社で祈願し、金メダルを見事獲得したことで一躍有名になりました。祠にある撫石と、自分の足の患部を交互に撫でると病やけがが治ると伝えられており、参拝すると人生の足取りがよくなるともいわれています。
宇治神社
三重県伊勢市宇治今在家町
「お多賀さん」として親しまれている、病気平癒、延命長寿で名高い神社です。豊臣秀吉の母や元正天皇などもこの神社で病気祈願を行ったと伝えられています。室町時代以降、甲賀や近江の薬売りが延命神徳の紙芝居などを行う「多賀講」を全国で開いたことから、江戸時代には「お伊勢参らばお多賀へ参れ、お伊勢お多賀の子でござる」という俗謡が生まれて庶民の間で流行しました。
多賀大社:滋賀県犬上郡多賀町多賀
病を防ぐ防疫神の牛頭天王が祀られている祇園屈指の神社です。古来、疫病は怨霊のたたりで起こると信じられていました。平安時代には疫病が流行る夏になると「御霊会(ごりょうえ)」と呼ばれる怨霊鎮魂・防疫のための国家行事が開催されるようになり、多くの人々が防疫神である牛頭天王が祀られた八坂神社を参拝しました。
八坂神社
京都府京都市東山区祇園町北側
京都最古の神社である世界遺産の下鴨神社。文化財のひとつでもある御手洗社(みたらしのやしろ)から湧きだす清らかな御手洗池には病気平癒の力が宿るといわれ、夏にはその清水に足をつけ、無病息災を願う御手洗祭が行われます。御手洗池から湧き出る丸い泡を人型にかたどった「みたらし団子」の発祥地としても知られています。
下鴨神社
京都府京都市左京区下鴨泉川町
御手洗池
初詣で神社を参拝すると、とても清々しい気持ちで1年を迎えられます。ただ、この時期は神社が混んでいることが多いので、風邪をひかないように暖かな服装でお出かけください。また、願いが叶ったら、必ずお礼参りをお忘れなく。
選択肢を選んで投票ボタンをクリックしてください。あなたの一票が反映されます。