HOME > 健康の雑学 > 【2011年10月号】 腸とお通じの雑学
盲腸が1.5mもある動物とは?腸内細菌の活用でエネルギー問題が解消する?落語にも登場する便秘薬とは?腸とお通じに関する雑学です。
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いわゆる“お通じ”が3日以上ない状態のことを「便秘」と呼びます。生活の乱れやストレスも原因のひとつと言われているため現代病かと思いきや、昔の人々も便秘に悩むケースがなかったわけではありません。
全国統一を成し遂げた戦国武将、豊臣秀吉。その正室は、北政所(きたのまんどころ)こと「ねね」です。政略結婚が当たり前に行われいた時代において、秀吉とねねは恋愛結婚だったといわれています。惜しむことなく愛情を注いだ秀吉ですが、ねねの侍女に充てた書簡の中に気になる一節が。便秘がちなねねを気遣い、下剤を使うことを勧めたり、便通について良い知らせを待っているなどと書き記しています。
この時、実際にねねがどんな対処をしたのかはわかりませんが、昔から便秘に良いとされる薬が東西問わず重宝されていたことは事実です。
たとえば「大黄(だいおう)」というタデ科の植物。昔から便秘に効果があるといわれている大黄は、落語の中にも登場しているほどです。「地獄八景亡者戯(じごくばっけいもうじゃのたわむれ)」という噺では、人を飲みこむ地獄の鬼が登場します。しかし、飲みこんだ人がお腹の中で暴れ、困った鬼は閻魔大王のところへ行き、「こうなったら、あなたを飲む!」と言い放ちます。「大王(大黄)を飲んでスッキリする!」というサゲ(オチ)ですね。大黄が下剤であることを知っていて初めて笑うことができます。また「夏の医者」という古典落語では、ウワバミ(大蛇)に飲まこまれた医師らが胃の中から脱出を図るため、薬かごの中に入っていた大黄をパラパラと撒いたところウワバミが腹を下し、肛門から無事脱出するというくだりが登場します。庶民の娯楽である落語にしばしば登場するということは、大黄は下剤として広く浸透していたといえそうです。