HOME > 健康の雑学 > 【2009年11月号】ウォーキングの雑学

昔の人はどれくらい歩いた?現代人は一日にどれくらい歩くの?日本で初めて歩数計を作ったのは誰?ウォーキングにまつわる雑学をご紹介しましょう。
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歩くという行為は、人類が二足歩行した時から、当たり前になされてきたことです。「ウォーキング」というスポーツの一種として捉えるようになったのは、人類史に比べるとごく最近のこと。これは現代社会を生きる私達の「運動不足」「歩行不足」が招いたことといえるでしょう。「昔は駅の1つや2つは誰でも歩いた」と言う方も多くいらっしゃいますよね。確かにそうであったと思います。もう少し時代を遡れば、さらに顕著。江戸時代の飛脚は、江戸から京都の片道を、速い便だと5日程度で踏破したといいます。もちろん、飛脚は「歩く」というより「走る」ことがメインだったでしょうが、距離にしておよそ492kmですから、1日に100km弱も踏破した計算になります。1日20km歩いたとしても約25日。もちろん、今のような運動に適したシューズはありません。今の私達がそのスピードで歩こうと思ったら、すぐに足の皮が剥けたり、足の筋肉がこわばって動かなくなってしまうことでしょう。いかに昔の人々が健脚であったかがわかります。 翻って現在。「2008年版食育白書」によると、1日の平均歩数は成人が男性7525.5歩、女性が6662.6歩。成人の歩幅はおおよそ70センチといわれていますので、距離にすると成人男性で約5.3kmです。これだと江戸から京都まで100日弱かかることになりますので、もし飛脚だとしたら失格ですね。 ちなみに平均歩数が多い都道府県と少ない都道府県とでは、肥満者の割合も異なります。当然ながら前者のほうが少なく、後者のほうが高くなっています。「健脚は健康のもと」といえるでしょう。 |


単なる“歩く”行為を明確に、数値で表してくれるのが歩数計。「何歩、歩いたのか」をカウントしてくれる歩数計を持つことで、ウォーキングは楽しくなるものです。かつての歩数計は「振り子式」が採用されており、装着する場所が腰のベルトあたりなどに限定されていました。「正しい向き」で身体に装着する必要があったわけです。しかし今では「加速度センサー式」が主流。速度の変化を測って歩数をカウントするタイプで、振り子式よりも誤差が少なくなります。近年は加速度センサー式が進化し、どのような向きで装着していても、歩数をカウントできるタイプも多く登場するようになりました。つまり、カバンやポケットに入れていたとしてもカウントしてくれるというわけです。 そもそも、歩数計は舶来品でした。これを改良したのが江戸の発明家、平賀源内です。源内は28歳のときに腰にぶら下げるタイプの歩数計を作り、「量程器」と名づけました。その後、量程器を改良して車輪と歯車をつけた「量程車」という距離を測る機械も生まれ、伊能忠敬も日本地図を作成する際に活用していました。ちなみに、よく耳にする「万歩計」という言葉は、山佐時計計器株式会社の登録商標です。 また、歩数計とゲームが一体化したものも登場。歩数を重ねることでキャラクターが成長していくタイプのものは、「成長させる」という目標ができるため、ウォーキングが三日坊主になりがちな方は試してみるとよいかもしれません。 ウォーキングのモチベーションの維持に、ぜひとも歩数計を活用してみてください。 |