HOME > 研究員のウンチク > 【2009年3月号】研究員の手軽にできる健康法



研究員の手軽にできる健康法


懐かしの健康グッズが流行ったのは私の若いころで、その頃は健康のことを気遣うこともなく、とくに運動もせず、健康器具にも興味はなかったですね。しかし、中年になると基礎代謝量の低下、肥満が気になりだし、生活習慣病の予防の必要性を感じはじめました。若い頃と同じ食生活をしていてはだめなのですね。
さて、平成20年度から40〜74歳にメタボリックシンドローム診断のための特定検診が義務づけられました。メタボリックシンドロームとは内臓脂肪型肥満と高脂血症・高血圧・高血糖などの危険因子が集まった状態で、一つひとつの因子は小さくても、いくつか重なることによって心疾患や脳血管疾患発症の危険性が増大してしまいます。

メタボリックシンドロームの定義

1 内臓脂肪の蓄積 腹囲 男性
女性
85cm以上
90cm以上
1は必須
2 高脂血症 中性脂肪
HDLコレステロール
150mg/dl以上
40mg/dl未満
2〜4のうち、少なくとも2つを満たす
3 高血圧 収縮期血圧
拡張期血圧
130mmHg以上
85mmHg以上
4 高血糖 空腹時血糖値 110mg/dl以上

メタボリックシンドローム診断基準検討委員会基準


メタボリックシンドロームの予防には、食生活の改善と運動習慣が大切と言われています。バランスのとれた適切な量の食事を心掛け、食事をする時間や食べ方などにも注意し、1日3食規則正しく食べることが大切です。また、日頃からの運動により、消費エネルギーが増し、心身機能の活性化、代謝の活性化により内臓脂肪が減少します。その結果、血糖値や脂質の異常、高血圧などが改善されます。

そこで今回当社研究員の健康グッズ、健康法について聞いてみた中から、誰でもできるウォーキングと乗るだけという手軽さの乗馬フィットネス機器を取り上げてみました。

<ウォーキング>
ウォーキングには血管・血圧の正常化、心肺・身体機能の向上、糖代謝・骨代謝の改善、筋肉の増加による基礎代謝量の増加、心へのプラス効果(若返り)などの効果があります。早足ウォーキングなどの有酸素運動を30分以上・週3回続けるとより効率的に脂肪を燃焼させることができるそうです。
しかし、高齢者にも手軽にできるウォーキングですが脚筋力や持久力といった体力のアップはできず、マシンによる筋力トレーニングが必要となります。そこで、ウォーキングでも充分な強度の高い運動ができるようあみ出されたインターバル速歩(松本市熟年体育大学)という方法があります。数分の速歩の間に軽いウォーキングをはさんで繰り返すことで無理なく適度な強さで運動することができるそうです。数分間の速歩をちょっと頑張ればいいというわけです。具体的な方法は十分なウォーミングアップの後ハァハァと息があがるようにサッサカ歩きを3分間続けたら、次に呼吸を整えてリフレッシュするようにブラブラ歩きを3分間、これを交互に繰り返し、最後にクーリングダウンを行って終了です。

<乗馬フィットネス機器>
テレビを見ながらただ乗るだけという手軽さにもかかわらず、腹筋や背筋の効果的な運動ができるということで、注目を集めた健康グッズです。乗馬療法のための馬の動きを再現する乗馬ロボットの動きのうちの足腰の強化に効果的な前後へのスライド、横に倒れるような回転、前後に倒れるような回転の3つの動きを組み合わせたV字の動きを再現できる家庭用機として開発されたそうです。新しいモデルでは8の字を描く立体的なスムーズな動作ができるそうです。前後の傾斜によって運動中のアクセントができ、前傾斜で腹筋の強化、後傾斜でヒップアップの効果も期待できるそうです。
みなさんも無理せず、楽しくできる自分に合った運動法をためして、日頃の運動習慣を作りましょう。



■ 酒井 里美 (養命酒中央研究所・研究員)