HOME > 健康レシピ > 【2011年11月号】 オイルサーディン丼
39歳のリッチな独身男性の主人公が、素敵な女性のために手料理を作る。それだけのシチュエーションに、いろいろなかっこいいディテールをちりばめた小説「デザートはあなた」。今でいう「料理男子」の元祖のような主人公は、毎回凝った料理を披露するのですが、このオイルサーディン丼は例外。とてもシンプルであっという間にできあがる料理です。というのも、訪ねた女性の部屋にあった食材が、オイルサーディンと米としょうゆ、干からびたネギだけという状況で作ったものだから。作者である森瑤子さん自身が、与論島で何の食材もないときに作ったとされるレシピでもあり、彼女と親交のあった著名人にも、この丼のファンは数多くいたようです。
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1.米を炊き、炊き上がって蒸らしている間にネギを小口に刻む。 | |
2.フライパンにオイルサーディンを缶汁ごとあけ火にかける。 | |
3.グツグツわいてきたらしょうゆを加え蓋をし、蒸し焼きにする。 | |
4.器にごはんを盛り、3をタレごとのせ、ネギ、七味唐辛子をふる。 |
◇レモン(すだちやライムなどの柑橘)をかける
◇しょうゆを入れるときにプチトマトをいくつか加え、仕上げに軽くつぶす
◇ご飯の上に軽くスライスしたタマネギをのせ、その上からオイルサーディンをのせる
◇ネギの代わりに青しそと刻みのりをのせる
おつまみとしておなじみのオイルサーディンはイワシをオイル漬けにしたもの。レモンを絞ったり、ゆでたジャガイモに添えたり、もちろんそのまま食べてもおいしい缶詰です。イワシを骨ごと食べられるので、カルシウムがたっぷり摂れます。また、イワシに含まれているDHA(ドコサヘキサエン酸)は、コレステロールを中和させたり、脳の活性化を助けたりする働きをするといわれています。ただし、オイル漬けなので、カロリーは少し高め。ダイエット中は、量を少し控えめにするのがおすすめです。
ごはんが炊き上がってから3分で完成。お腹がすいたときに、チャッチャと作れる簡単レシピです。しかも、森瑤子さんのエッセイ「非常識の美学」によると、この丼は「男殺しの一品」だそう。確かに、食材のないときに、こんな丼を作ってさっと出せたら、女っぷりも上がりそうです。とはいうものの、20年近い年月も流れた今なら「こんな料理をさっと出せる男子は、女殺し」といったほうがしっくりくるかもしれません。どちらにしても、料理初心者でもカンタン。忙しい人でも、あっという間にできるスピードメニューです