HOME > 特集記事> 【2010年2月号】ニンニクで元気!!


ニンニクで元気!!


風邪予防や食欲増進など、さまざまな効果が期待できるニンニク。そのパワーのヒミツをはじめ、作り置きできるニンニク調味料のレシピや“におい消し”レポートなどをご紹介します!


今の季節、ニンニクには「風邪予防」の効果に期待!!


ニンニクがふんだんに入った料理を食べると、誰しも「精がつきそう!」と思いますよね。これは実際、その通りなんです。人間にとって欠かせない栄養素のひとつがビタミンB1。このビタミンB1は、運動したり働いたりすると消耗します。不足すると「疲れ」や「だるさ」「倦怠感」を抱くようになります。

ビタミンB1は肉や魚に多く含まれていますが、ニンニクは、このビタミンB1を速やかに吸収し、さらに体内で長持ちさせることができる優れた食材なんです。

もうひとつ、見逃せないのは風邪予防の効果が期待できること。ニンニクには「アリイン」という成分が含まれていますが、ニンニクを切ったりすりおろしたりすると、「アリイン」は「アリシン」に変化します。ニンニク特有の臭いが強まるのも、この「アリシン」のせい。「アリシン」には風邪予防のほか、胃腸の働きを活性化させ、食欲増進につながるといわれています。どうも食欲がないなぁ、という時に「元気」をもたらしてくれるというわけです。

他にも肌荒れ防止やストレス緩和などの効果も期待できます。

ただし!食べすぎにはくれぐれもご注意ください。とりわけ生のニンニクは刺激が強く、殺菌作用も高め。食べ過ぎると胃腸内の有益な菌まで殺してしまいます。また、すりおろすことによって生じる「アリシン」には風邪予防などの効果が期待できると言いましたが、摂取しすぎると貧血になる可能性もあります。生であれば一日1片、火を通したものであれば一日2〜3片が目安です。さらに空腹時にはなるべく避けるようにしましょう。

作り置きが便利!!料理をニンニク風味に仕上げるカンタン調味料


料理のアクセントとして重宝するニンニクですが、使ったとしても2、3片。残りは冷蔵庫の隅っこに置きっぱなし・・・という方、いませんか?そんな場合は、どんな料理にも駆使できるニンニク調味料を作り置きしておくと便利です。肉や魚、炒め物にパスタやカレー、ラーメンなどなど、いろんな料理に利用して、ニンニクの持つ元気パワーを取り入れましょう!




使い方いろいろ、カリカリ香ばしい「ニンニクチップ」


   
ニンニク 1個
サラダ油 大さじ4杯

作り方


step01
薄皮を剥いて水洗いし、頭と根元の部分を包丁で落とします。芯の穴が小さいほうから爪楊枝を差し込んで芯を抜きましょう。さらに薄切りにします。
step02
油を引いたフライパンを熱し、弱火でときおり混ぜながら10分程度揚げます。ニンニクがキツネ色になってきたら火を止めましょう。
step03
キッチンペーパーの上で油を切って、できあがり。タッパーなどに密封して冷蔵保存しましょう。

肉や魚などの料理や中華料理、さらにはサラダにトッピングしたり、ラーメンやパスタに乗せたりと、さまざまな使い方ができるニンニクチップ。作り方もカンタンです。ポイントは、揚げる際に焦げてしまいがちなニンニクの芯を抜いておくことと、弱火でじっくりと揚げることです。ちなみにチップを揚げた際のオイルも瓶詰めなどにしておけば2週間ほど日持ちします。ただし熱したことによって酸化が進んでいるため、いわゆる「ガーリックオイル」を作りたいなら、生のニンニクをオリーブオイルやごま油などに浸してそのまま保存する方法のほうがオススメです。



濃厚な香りに食欲がそそられる!「ガーリックバター」


   
ニンニク 1片
バター 100g
パセリ 適量

作り方


step01
バターを室温で30分くらい放置しておきます。薄皮を剥いたニンニクとパセリは、包丁で細かくみじん切りにしましょう。
step02
バターをボールに入れ、みじん切りにしたニンニクとパセリを加えてよく混ぜます。バターが固くて混ざりにくい場合は軽めに湯せんしましょう。
step03
混ぜ合わせたらできあがり。使用しない分はラップに包み、冷凍庫で保管するようにしましょう。

トーストに塗って焼き上げれば、香り抜群のガーリックトースト。魚介類のムニエルやパスタ、きのこのホイル焼きなど、さまざまな料理にもアレンジがきくガーリックバターも、カンタンに作ることができます。下記のレシピは有塩バターを使用したケースです。無塩バターを使う場合は塩を小さじ1/2程度加えてください。パセリの代わりにお好みのハーブを加えてたり、香りづけにブランデーやコニャックを数滴加えてもOKです。自分なりのガーリックバターを追求してみてはいかが?



生野菜との相性も抜群!「ニンニク味噌」


   
ニンニク 2片
味噌 200g
砂糖 大さじ1
大さじ2
みりん 大さじ1
ネギ 1/4本

作り方


1.まずはニンニクを薄皮のついたまま、レンジで1分間加熱。その後、薄皮を剥いて根元を切り落とし、すりおろします(みじん切りでもOK)。
2.ネギもみじん切りにして、すべての材料を混ぜ合わせます。その後、ビンに詰めて冷蔵庫で2週間ほど寝かせるとできあがります。お好みで唐辛子などを加えたり、砂糖の代わりに黒糖を使っても美味しく仕上がります。

日本料理はもちろんのこと、肉につけてグリルにしたり、炒め物に加えたりと、使用頻度の高い味噌に、ニンニクを加えます。きゅうりやセロリ、エシャロットなどの生野菜にニンニク味噌をつけてガブリ!堪えられない美味さです。焼きおにぎりに塗っても美味しく食べられます。食欲があまりわかないときなどにも重宝すると思いますよ!



「ニンニク醤油」


   
ニンニク 5片
醤油 100g
唐辛 1本
小さじ1

作り方


1.ニンニクの薄皮を剥き、根元の部分を切り落とし、半分にカットしましょう。煮沸消毒して乾燥させたビンにニンニクを入れ、酒、唐辛子、醤油を加えます。
2.その後、1〜2週間ほど冷蔵庫で保存しておくとニンニクの風味が醤油に混ざり、できあがり。ニンニクを丸ごと漬ける場合は1ヶ月程度熟成させることをオススメします。

さまざまな料理に使うお醤油が、ニンニク風味となります。お料理のたびにニンニクを1片取り出して利用するより、ニンニクのエッセンスが入ったお醤油を使うだけで、定番料理がいつもとはちょっと違う料理に早変わり。ニンニクを丸ごと漬け込んでもOKですが、半分にカットするとニンニク自体も料理に駆使しやすくなるのでオススメ。ニンニク、醤油ともにお好みの量で作ることができます。




実践レポート!「ニンニクの臭い消しには何が最適か!?」


皆さんこんにちは。元気通信編集部員のKです。今回の実践レポートは、ニンニクの臭い消しがテーマ。民間療法的に「ニンニクを食べた後にこれを摂ると臭いが消える」といわれているモノを、実際に効果があるのかどうか検証してみたいと思います!

今回の検証に用いるのは、市販の口臭チェッカー。息をハーッと吹きかけると、臭いのランクが6段階で表示されます。「レベル0」がまったくの無臭で、「レベル6」が最も臭う状況を指します。ただし!どうやら「良いにおい」と「悪いにおい」を判別するわけでなく、あくまでもにおいがキツイかどうかを判別するようです。そこで考えました。口臭チェッカーだけではなく、「人」も必要であると。つまりニンニクを食べた後、ハーッと吐いた息を嗅いで判断してくれる「人」です。編集部内で検討したところ、誰も「嗅ぎ手」として立候補する人はいませんでした。そこでやむなく、身内(つまりは嫁さん)を嗅ぎ手に据えることになったのです。

ではいざ、実験。まずはニンニクを食べます。臭いにメリハリがあったほうがよさそうなので、「生のすりおろしニンニクを1/2片」食べてみると、うわっ!ビリビリする!皆さんは真似しないでくださいね。さっそく口臭チェッカーを試してみると「レベル5」に!

私「レベル5だよ!実際、どう?(といって息を吹きかける)」
嫁「うわ!嫌いになりそう!」

家庭不和になりかねない感じで検証は進みます。この段階で、まずは「牛乳」を200ccほど一気に飲んですぐさま口臭チェッカーに息をハーッ・・・

私「うわ!レベル6に上がっちゃったよ!」
嫁「さ、最低!!」

どうやら牛乳を飲んですぐだと、牛乳で緩和されるというより「牛乳のにおいがプラスされる」ようです。そこで5分程あけてチェックしてみると「レベル3」までダウン!戒厳令が解除されました。実際、ハーッと息を嫁に吹きかけてみたところ「かすかにニンニク臭は残っているけれど、随分落ち着いてきた。ごまかせるレベル」とのことでした。

その後、間隔を置いて「レベル1」くらいまで戻しては、さらにニンニクを食べて臭い消し対策を施して計測・・・ということを繰り返します。といっても1日にすりおろし生ニンニクを大量に摂取するわけにはいかないので、日にちを改めたりしながら検証しました。それでは検証結果を発表します。簡易的な口臭チェッカーと「嗅ぎ手の感覚」によるものなので、科学的検証とは言い難いものですが・・・・

【臭い消しランキング】

1位 ヨーグルト
2位 緑茶
3位 リンゴ
4位 ウーロン茶
5位 牛乳



ヨーグルトは、口臭チェッカーでも「臭い消し」効果が顕著で(レベル5からレベル2に)、実際の口内の感覚としても、もっともくまなく口内のヒリヒリ感を洗い流してくれた印象です。これは緑茶も同様です。ヨーグルトと牛乳は乳製品同士なのに、印象的に差がちょっとありましたね。いずれもじっくりと時間をかけて摂取したほうが、口内に付着したニンニクのエキスを洗い流すには良さそうです。ただ、なんといいますか、いずれも「一時しのぎ」感は否めない・・・というのが正直なところですね。

とりあえず今回の結論としましては「すりおろしニンニクを生でそのまま食べるのは避けよう」です。実際、日を改めてニンニクの1片をまるごとアルミ箔で包み、オーブンで焼き上げたものを食べてチェックしてみたところ「レベル2」でした。やはり、すりおろすことによって臭いの元「アリシン」が活発になるようです。火を通したほうがホコホコして美味しいですし、臭いも弱まるということは言えそうですね。