HOME > 特集記事 > 【2008年9月号】エコライフ≒健康生活


エコライフ≒健康生活


エコを心がけた生活は、環境保全だけでなく自らの健康にも繋がります!今月はエコと健康の係わり合いと、普段から実践できるエコのノウハウをご紹介しましょう。



残暑対策や調理にも活かす!「エコ&ヘルシー」術


私達が暮らしの中でできる「エコ」。その中には、地球にとっても、私達の健康にとっても、私達の「おサイフ」にとっても、プラスとなることがたくさんあります。そこでまずは「残暑」対策のエコ&ヘルス術など、いくつか挙げてみました!夜はちょっと涼しくなってきましたが、まだまだ暑い日もありますのでぜひ参考にしてみてくださいね。

まずは“風の通り道”であるベランダに「涼」を!

クーラーの使いすぎは地球にも、カラダにもよくありません。そこで暑さをしのぐエコ&ヘルス術。まず考えたいのが「風」の有効利用です。その入り口となるのがベランダ。ここでは日差しを遮って風のみを通す「よしず」や緑の植物を置きましょう。さらに日本古来より伝わる「打ち水」!ベランダの気温が下がれば、そこを通る風の「涼」が増します。ちなみに打ち水はお風呂の残り湯などを使って「エコ」を実践しましょう。

窓際には工夫を凝らした扇風機(じつは冬も使える!)

窓を背にして扇風機を回すと、窓から入ってくる風がさらに涼しげなものに。体感温度が下がります。湿らせた目の粗い(軽い)タオルなどを扇風機の前面にクリップなどで留めたり、前面に氷などを置くとさらにパワーアップ!もしクーラーをつけるなら、クーラーの前で扇風機を回して風を送ると、効率よく「涼」を得られます。

ちなみに扇風機は冬場でも活用できるってご存知でしたか?暖房を使うと温かい空気は部屋の上にたまりますので、天井に向けて扇風機を回せば温かい空気が循環し、暖房費の節約にもつながります!扇風機に利用するエネルギーは、おおよそエアコンの10分の1程度です。

快眠の「エコ&ヘルス」は「い草」で解決!

最近注目されているアイテムが「寝ゴザ」です。使用されているのは「い草」。中国地方や九州など、い草の栽培が盛んな地域で持てはやされてきました。い草は内部がスポンジ状になっていて、湿度を上手に調節してくれるため、寝汗による「蒸れ」を逃がし、快適な眠りをもたらしてくれます。い草の香りもオーガニックで心地よいですよね。

さらに、い草のパワーは冬場も有効。お部屋が乾燥する冬場は、寝ゴザが「保湿」を促してくれるため、熱が逃げずに暖かく寝ることができます。

エコ&ヘルシーなオーブンレンジが続々

昨今、家電製品を選ぶ・購入する際に、その製品がどれくらい「エコ」なのかを選ぶ基準にする人も増えています。「環境によい素材を使っているか」「温室効果ガスの排出量が少ないか」「エネルギー使用量が少ないか(=ひいては経済的か)」といった基準ですね。

調理器具のひとつである「オーブンレンジ」も近年目覚ましい発展を遂げています。煮物や焼き物、蒸し物などをいっぺんに調理できる機能が備わったオーブンは、調理時間の短縮(=エネルギー使用量の低減)をもたらしてくれます。また、高温の水蒸気を使って加熱する「スチームオーブンレンジ」には、食品の余計な脂分を落とす効果や減塩効果が備わっているケースもあり、健康にも一役買っています。家電を買うときに、「エコ」と「健康」を考えて製品を選ぶクセをつけてみてはいかがでしょう。

温室効果ガスを減らす、一人ひとりの「知恵」


現在よく耳にする「エコ」。なぜここまでよく耳にするようになったかというと、世界が抱える大きな課題「地球温暖化」がクローズアップされてきたためです。

石炭や石油燃料を使うと、大気中に「温室効果ガス」が広がっていきます。その濃度が濃くなると気温が上がり「温暖化」となります。100年前に比べると地球の平均気温は0.4〜0.8℃上昇したとのこと。特にここ10年の気温上昇の伸びが目立ち、このまま人間が何の対策も講じないかぎり、100年後には1.4〜5.8℃も上昇するとの予測もあります。温暖化は気温上昇に伴う飢餓、海水面の上昇、自然生態系への影響などを引き起こすとされています。

そこで「エコ」の発想です。エコは言い換えれば地球、ひいては未来の人間のために必要な「人類の知恵」とでもいいましょうか。世界レベルで法律の整備も進み、企業もエコを意識した活動を始めています。

そして私達一人ひとりが「身の丈でできること」をする。具体的にいえば二酸化炭素(CO2)などの温室効果ガスをできるだけ排出しないような生活を心がけることが、すなわち「エコな暮らし」であるといえるでしょう。たとえその効果が微々たるものでも、小さな一歩を皆で踏み出そう、という発想です。エコな暮らしは、私達に健康をもたらしてくれることもあります。

カラダも喜ぶ、食物の「地産地消」とは?


私達のエネルギーの源は「食」にあり。食生活においても、エコを意識した健康生活を目指すことができます。

「地産地消(ちさんちしょう)」という言葉をご存知でしょうか?これは地域生産地域消費の略で、簡単にいえば「地域で作られた農作物や水産物を、その地域で消費すること」です。これがなぜエコなのか?その理由は、輸送にかかるエネルギーにあります。遠くで生産されたものを運んでくる際に使われるクルマや飛行機などの交通機関は、はからずも温室効果ガスを排出します。近場で獲れたものを近場で食べれば、その交通を使う必要が最小限で済む、というとても単純な理屈です。

このことを数字に現す「フードマイレージ(食料の輸送距離)」という考え方があります。「重量×距離=フードマイレージ」で、食物の生産地と消費地が近ければ近いほど、さらに運ぶ量が少なければ少ないほどフードマイレージは低くなり、地球温暖化対策に一役買っていることになるわけです。


農林水産省が2001年に公表した、日本国民一人当たりのフードマイレージ(トン×キロメートル)は「7093」。一方、イギリスは「3195」、アメリカに至っては「1051」でした。日本がいかにフードマイレージが高い(つまり、食物を遠方からの輸入に頼っている)かがわかります。

また「地産地消」の考え方を実践しようとすると、おのずと「旬」の食べ物を食べることとなります(「旬」ではない食物を作るハウス栽培もありますが、場合によっては露地栽培に比べて使用エネルギー量が高くなり、結果的にエコではなくなってしまう可能性もあります)。
※作物を自然の気象条件で栽培すること。

旬のものを食べるということは、人間にとって非常に理に叶っています。たとえば夏、誰しも汗をかきます。これは体温を調節するためにとても重要なこと。汗を“正しく”かくためには血の巡りを良くする必要があります。そこで夏野菜です。トマトやきゅうりなどには血液循環を促す効果があるとともに、身体を冷やす作用があります。暑いとなるとついクーラーに頼りっきりになってしまいがちですが、こうした旬の食物を摂ることによって体温を調節できることも、知っておいて損はありません。冬の場合は逆に身体を温めてくれる旬の食材が出回ります。エコに繋がる「地産地消」が、結果的に健康をもたらしてくれる、というわけです。


「自転車は足が太くなる」は迷信!?ゆったり漕いで有酸素運動を


食物の輸送に使われるクルマも、エコを配慮したものが生まれています。ご存知「ハイブリッドカー」は温室効果ガスのひとつ、CO2の排出量が一般車に比べて低く、なおかつ燃費が良いクルマとして注目されています。

そして、にわかに“エコな乗り物”として、鉄道にもスポットが当たっています。クルマと比べた場合、ひとりの人間を運ぶために発生するCO2の量は約9分の1で済むとのこと。環境負荷の小さい鉄道を利用することが地球温暖化防止に繋がると鉄道各社はアピールしています。とりわけ昨今ではガソリン価格の高騰、飛行機ですと燃料のサーチャージが発生するとのことで、なおさら鉄道利用熱が高まっているといえるでしょう。

しかし、どんなに温室効果ガスの排出量が低くても、「歩き」と「自転車」には勝てません。もちろん双方とも「遠出」はできませんが、極力「歩き」と「自転車」を使うことは、日頃の運動不足を解消し、健康につなげる意味でもおすすめしたいところです。

よく「自転車に乗ると足が鍛えられて太くなる」といわれていますが、これはある意味で間違い。競輪選手の太い腿を見ていると確かに太くなりそうですが、それは彼らのトレーニング方法が瞬発力を伸ばすことをメインとしているため。筋肉でいえば「速筋」が発達しています。陸上でいえば短距離選手ですね。よって、日常生活で普通に自転車に乗っている限りは大丈夫。「遅筋」が発達し、長距離選手のようなスリムでしなやかな脚となります。

こうしてついた(太くない)筋肉は基礎代謝を高め、カロリーを消費してくれます。もちろん、自転車に乗る行為そのものも有酸素運動です。その他、心臓への負担をかけずに心肺機能を高めて生活習慣病のリスクを減らす効果もありますし、ストレス解消にもなる。生活の中に取り入れることによって飽きずに、変わる景色を楽しみながら続けられるなど、健康に対するたくさんのメリットがあります。ぜひとも自転車生活、始めましょう。




生薬とフードマイレージ


生薬の供給を遠方に頼らず、なるべく国内で、地元で。 安全性の確保だけでなく、環境のためにもなります。 食品ならぬ「生薬マイレージ」を考えてみました。

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益母草(メハジキ)の栽培風景