HOME > 特集記事 > 【2008年8月号】「水」で潤う
私達の健康と美容に密接に結びついている「水」。身近な存在ゆえ、つい何気なく使ってはいますが、「賢い使い方」をすれば、心とカラダ と暮らしに「潤い」がもたらされます。水について知っておきたいこと、ご紹介しましょう!
私達のカラダに欠かせない水。では一体、1日にどれくらいの量が必要なのかご存知ですか? | |
環境省の「熱中症保健指導マニュアル2006」によると、1日に出入りする水の量は1人あたり2.5リットル。水の摂取は飲み水、食事、体内で生成される水などで補われ、尿や便、呼吸、汗などで同じ量の水分が体外に放出されます。意識して水を摂り入れる「飲み水」の量の目安は1.2リットル。もちろんジュースなどでも水分は補給できますが、同時に糖分の補給過多になりがちです。また、ダイエット中には食事で摂取する水分量が減りがちになるので、その分「飲み水」を多めに補給する必要があるといえます。 なにしろ、人間のカラダのおよそ60%は、水でできています。このうち、たった3〜4%の水分が失われただけで、死を招く恐れのある脱水症状に陥るといわれています。血液中の水分が減って循環不全が生じ、体温の調節機能の異常、酸素が効率よく体内に運ばれないことから起きる「熱中症」は、現在社会問題にもなっています。また、水分の足りない生活を続けると、脳梗塞や心筋梗塞などのリスクも高まります。 |
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健康面のみならず、美容の面でも水分補給を怠ることは大いに問題アリ。「みずみずしい」と形容されるほど、お肌と水の関係は密接です。肌の細胞は皮膚の内側で生まれるため、お肌のケアは外側からだけでなく、充分に水分を補給して内側から働きかけることが大切といえるでしょう。
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これほどまでに大切な水ですが、かつて、学校の部活動などでは「練習中に水を飲むな!」と言われていた時代もありました。が、今となっては非常識な話。運動をして上昇した体温を発汗によって冷ます、それがカラダの仕組みですが、水分が足りないと充分に汗が出ず、体温は上昇を続け、果ては熱中症や脱水症状などに陥ります。いわゆる「水を飲まない根性論」は当然のごとく廃れていきました。 |
ミネラルウォーターの但し書き部分などで「硬水」「軟水」という言葉を目にしたことがあると思います。硬水とは、カルシウムイオンやマグネシウムイオンを多量に含んだ、硬度の高い水のこと。軟水はその逆で、これらイオンの含有量の少ない水のことです。アメリカやヨーロッパでは硬水が多く、日本の水は軟水が主といわれています。そして、水の硬度によって「適した用途」が異なります。
◇パスタを茹でる
硬水に含まれるカルシウムがパスタのデンプン質と結合し、麺のコシが生まれやすくなります。
◇洋風のダシをとる&肉料理に使う 硬水は肉のアクを出す効果が高いため、牛や鶏の肉や骨と野菜から作られるブイヨンなどのダシを取ったり、肉を使った洋食に向いています。しゃぶしゃぶなどにも硬水がオススメです。
◇運動後に飲む 運動によって失われたミネラルを補給します。また、飲酒後も同様にミネラルが不足しがちとなるため、水分補給に硬水がオススメです。
◇ダイエット時に飲む 一般的に空腹感を抑えやすく、食事制限によるミネラル不足を補うために硬水がよいとされています。硬水に含まれるカルシウムも、食事制限から生じるストレス緩和に一役買うことでしょう。
◇お茶を煎れる
緑茶や紅茶などは成分がよく抽出され、茶葉ごとに香りなどの差が出やすくなります。ちなみにコーヒーも風味が引き立ちますが、硬水でも苦味が効いてくるのでお好みに合わせてご利用ください。
◇和風のダシをとる&ご飯を炊く
お茶同様、旨味や香りを引き立たせる効果は、繊細な味を重んじる和食向き。和食は日本の風土に根ざした軟水が生んだ料理ともいえるでしょう。また、米を炊く場合にも水分が程よく浸透し、ふっくらと炊き上がります。
◇水割りを飲む
一般的にはお酒本来の風味を損なわないために軟水が良いといわれていますが、一部スコッチなどには硬水が良いという説も。やはり「好み」によるところが大きいといえます。
◇洗濯する
硬水を使う場合、ミネラル分が石鹸と結合し、洗浄力を低下させてしまう石鹸カスが生まれます。あわ立ちもよくないため、軟水のほうがベターといえるでしょう。
用途ごとに賢く水を使い分けつつ、夏本番を迎えるにあたって、しっかり水を摂り入れる習慣をつけましょう!
我々にとって身近で大切な水。 |
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