HOME > 生薬ものしり事典 > 【2016年8月号】栄養ドリンクにも含まれる生薬「黄耆(オウギ)」

生薬ものしり事典46 栄養ドリンクにも含まれる生薬「黄耆(オウギ)」


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今回の「生薬ものしり事典」は、過去にご紹介した生薬百選より「黄耆(オウギ)」をピックアップしました。

人参と並ぶ滋養強壮の代表選手

今回の生薬ものしり事典は、過去にご紹介した生薬百選より「黄耆(オウギ)」をピックアップしました。

キバナオウギ
キバナオウギ
キバナオウギの花
キバナオウギの花

人参と同様に元気をつける生薬として知られている黄耆は、マメ科の「キバナオウギ」または「ナイモウオウギ」の根を乾燥させたものです。
夏になると、キバナオウギは写真のように長く伸びた花軸に花柄が間隔をあけて並ぶ総状花序の状態で黄色い可憐な花を咲かせます。この花が咲いた後、かわいらしい豆果をつけます。
秋になって、ゴボウ状に真っすぐ伸びた根を掘り出し、頭根部と枝根を切り落とします。それを日干しにして乾燥させたものを生薬として用います。


生薬 黄耆
生薬 黄耆

黄耆の「耆(ぎ)」には、体力を補うために用いる補薬の長という意味が込められているようです。
黄耆は栄養ドリンクに用いられることも多い生薬の1つですが、主な成分は、フラボノイド、サポニン類、多糖類などです。人参と並ぶ滋養強壮薬であることから、漢方では人参と一緒に配合されることも多く、体力や免疫力を高める漢方処方の基本となっています。代表的な処方として、「十全大補湯(じゅうぜんだいほとう)」や「補中益気湯(ほちゅうえっきとう)」などがあり、最近ではがんの治療(抗がん剤の副作用軽減)にも用いられています。


十全大補湯茶
十全大補湯茶

朝鮮半島では、高麗時代まで仏教文化とともに茶葉を使ったお茶が飲まれていました。しかし、李氏朝鮮時代の儒教文化への移行時に、果実や穀物、野草などを利用した伝統茶の文化が発達したといわれています。そんな伝統茶の一種である「十全大補湯茶」は、シナモンの香りがして、ほんのり甘く、やや苦味のあるお茶です。ソウルの街を歩くと、伝統茶を楽しめる喫茶店が点在しており、黄耆の入った伝統茶を飲んで元気をつけることができます。