HOME > 生薬百選 > 【2009年8月号】生薬百選 65 ツワブキ
ツワブキに含まれる成分には抗菌性があるため、民間薬として、できものや切り傷等に使用されていたようです。
現在、ツワブキは民間薬としての使用よりも、食用もしくは園芸用として利用されることが多いようです。
研究所がある、長野県では越冬することが困難なため、群生しているツワブキを見ることはありませんが、私が生まれ育った長崎県の生月島では、逞しく繁茂するツワブキを見ることができます。
若い葉が生い茂る季節になると、茎の部分を食用とするため、おばさん達がのんびりとツワブキを採取する光景を目にします。
ツワブキの葉はフキと同じような形をしていますが、形態観察をするといろいろな違いが確認できます。
ツワブキの葉は濃い緑色で光沢がありますが(1)、フキの葉は緑色が薄く、光沢はありません。(2)
顕微鏡で観察しますと、フキの葉の表面には細かい毛が確認できます。(4)一方ツワブキの葉の表面にはフキの葉で見られた細かい毛は無く、葉脈に沿って生える長い毛が観察できます(3)。
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■ 古川 康二 (養命酒中央研究所・商品開発グループ)