薬酒は、東洋においても西洋においてもかなり早い時期から用いられてきました。 当初は領域も広く、さまざまな疾病に用いられていましたが、やがて時代が進むにつれて、滋養強壮や体質改善、慢性疾患などの分野で多用されるようになりました。
滋養強壮や体質改善などの場合、急性疾患のようにそのときだけの治療と違って、どうしてもある程度の服用期間が必要となります。したがって、そのための薬は日常生活の中で楽しく続けて服用できることが大切な条件となってきます。その点、薬酒は好適な条件を備えていました。
異物感や違和感がなく飲みやすい、生薬の自然の香味とアルコールの官能的要素が一体となっているため、心身に快い刺激となって楽しく飲用できるなど、薬酒特有の“快い飲用感”が大きな要因でした。