お客様駐車場北側の野草育成地では、今、桔梗(キキョウ)の花が
が見頃を迎えています。
今回は、キキョウの遺伝子多様性戦略について書いてみたいと思います。
種子植物は、雄(お)しべの花粉が雌(め)しべに付くことで受粉して、
種子ができることは、皆さんご存知ですね!?
ところが、同じ個体の中で雄しべの花粉が雌しべに付いてしまうと
(「自家受粉(じかじゅふん)」という)、
近親交配で遺伝子の多様性が低下してしまいます。
そこでキキョウの花には、なるべく他の個体と花粉を交換して
(「他家受粉(たかじゅふん)」という)、
遺伝子の多様性を保つ仕組みがあります。
それでは、キキョウの花に近づいて見てみましょう。
咲いたばかりの花では、雄しべが雌しべに張り付いています。
まず、雄しべが先に成熟して花粉を飛ばします。
花粉を他の個体へ運んでくれるのは、花の蜜を吸いに来た虫たちです。
雄しべは花粉を飛ばし終えると、倒れて花弁に張り付きます。
続いて、雌しべが成熟すると、先端が割れて開きます。
これで、他の個体からの花粉を受け取る体制ができます。
この様に、キキョウの花は雄しべと雌しべの成熟期をずらすことで、
なるべく他花受粉をして、遺伝子の多様性を維持しています。
機会がありましたら、キキョウの花を覗いて見てください。
キキョウのたくましい生き様を感じることでしょう。