健康の森 BLOG

キキョウの遺伝子多様性戦略

2018.07.23 森林担当 やっしん

お客様駐車場北側の野草育成地では、今、桔梗(キキョウ)の花が

が見頃を迎えています。

20180718_01.JPG

今回は、キキョウの遺伝子多様性戦略について書いてみたいと思います。

種子植物は、雄(お)しべの花粉が雌(め)しべに付くことで受粉して、

種子ができることは、皆さんご存知ですね!?

ところが、同じ個体の中で雄しべの花粉が雌しべに付いてしまうと

(「自家受粉(じかじゅふん)」という)、

近親交配で遺伝子の多様性が低下してしまいます。

そこでキキョウの花には、なるべく他の個体と花粉を交換して

(「他家受粉(たかじゅふん)」という)、

遺伝子の多様性を保つ仕組みがあります。

それでは、キキョウの花に近づいて見てみましょう。

咲いたばかりの花では、雄しべが雌しべに張り付いています。

20180718_02.JPG

まず、雄しべが先に成熟して花粉を飛ばします。

花粉を他の個体へ運んでくれるのは、花の蜜を吸いに来た虫たちです。

雄しべは花粉を飛ばし終えると、倒れて花弁に張り付きます。

20180718_03.JPG

続いて、雌しべが成熟すると、先端が割れて開きます。

20180718_04.JPG

これで、他の個体からの花粉を受け取る体制ができます。

この様に、キキョウの花は雄しべと雌しべの成熟期をずらすことで、

なるべく他花受粉をして、遺伝子の多様性を維持しています。

機会がありましたら、キキョウの花を覗いて見てください。

キキョウのたくましい生き様を感じることでしょう。

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