東洋医学では心身の状態を見る独自の「ものさし」があり、そのひとつが「実証、虚証」です。「証」とは体質のこと。まずは下表の当てはまる方をチェックしてみましょう。多くついた方が今のあなたの体質。ほぼ同数ならその間の「中間証」です。
たとえば体力がなくて疲れやすいのは虚証の人、体力があって疲れにくいのは実証の人といったような傾向があります。ただし、実証の人も働き過ぎなどで、疲れやすい状況に陥っている場合もあります。
前述のように、疲れやすい人は実証よりも虚証の人に多いのですが、「証」は年齢によっても変化します。個人差はあるものの、20代をピークに体力が低下していきます。歳を重ねると自然に弱い方に傾き、実証から虚証へと向かうので、それに応じた生活を心がけることが大切です。運動や食事は体に負担がかからないよう適度に量とメニューを調節し、バランスをとりましょう。
それでも疲れが残るという人は、生薬を用いてみるのもひとつの方法です。生薬は動植物などの自然の素材から作られる物で、組み合わせにより、幅広い症状や体質に対応できます。
たとえば、疲れやすい人は胃の弱いことが多いのですが、胃の調子がよくなると、栄養分を吸収できるようになり、疲れにくい体になっていきます。じっくり時間をかけて自然治癒力を高め、体の機能を改善していくのが生薬のメリットです。また、胃腸などの内臓の機能が改善されれば、肌の状態もよくなります。生薬配合の胃腸薬や便秘薬を服用しているうちに、肌荒れも治ったという人もいます。
近年、自分の健康は自分で守るセルフメディケーションが注目されています。その一助となる「薬酒」は、通常長い期間にわたり服用するので、楽しく続けられる物を選びましょう。「薬酒」なら、生薬そのものの体への効き目に加え、快い飲用感を得られ、心にもよい刺激になります。