HOME > 名言集 > 【2006年6月号】ともかく具体的に動いてみよう。具体的に動けば具体的な答が出るから。


名言集


ともかく具体的に動いてみよう。具体的に動けば具体的な答が出るから。



「にんげん」を表現しつづけたひとりの人間


「書家」というと、作品を通じて何をいわんとしているのかわからない、それ以前に達筆すぎて字が読めない・・・といった認識をお持ちの方も多いと思います。その逆に、わかりやすい言葉を使い、ほがらかともいえる筆跡で、ストレートかつ具体的に「人間」を表現したといえるのが相田みつを氏です。氏は大正時代、栃木県足利市に生まれ、歌人や書家に師事。また、生涯の師といえる禅僧・武井哲応老師と出会い、在家として仏法を学びました。氏の考えの源流のひとつは、仏教といえるでしょう。「書」ひとすじに頑固に制作を続け、彼の書籍で最も有名な『にんげんだもの』が出たのは彼が60歳の頃。高度成長期、モノが尊ばれた時代にはあまり受け入れられず、「こころの時代」といわれるようになってようやく多くの人に理解され、世に広まることになりました。



うまくいくとは限らないけど、進んだことにはかわりない


ともすれば「簡単にかきなぐったもの」と見られやすい彼の「書」ですが、生活に窮しても生涯において「書」以外の仕事をせず、道具や環境に徹底的にこだわり、一枚の作品を生み出すために数百枚の失敗作を燃やしてしまうほどの一途さがあったことは、あまり知られていません。彼の生涯は、自らの口ぐせであった「具体的に動く」ことをまっとうしたものだったといえるでしょう。この名言のよさは「具体的に動けばうまくいく」と言っていないところにあると思います。うまくいくかもしれないし、うまくいかないかもしれない。ただ「具体的な答え」が出れば、それをステップにしてまたチャレンジできるよ、答えがでないと進まないよ、という意味合いです。皆さんは日々、「具体的」に動いていますか?