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人間関係の雑学

いい子ぶりっこはストレスがたまりやすい?困ったときは交渉のプロにお任せ!世間は案外狭い!6人介せば憧れの人とつながれる?!——今月は人間関係の雑学をお届け!


いい子ぶりっこはストレスがたまりやすい?


4〜5月は季節の変わり目なので、自律神経の変化がメンタルに大きな影響を及ぼします。一般に、メンタルヘルス業界では、入社や異動の後に心身の不調を訴える——いわゆる「五月病」が増えるといわれています。厚生労働省が5年に1度行っている「労働者健康状況調査」では、仕事や職業生活でストレスを感じている人は年々増加しています。今や働く人の約6割はストレスを感じており、その5割近くは「人間関係」に悩まされています。
「人間関係」とひとことで言っても、その関係は多種多様です。簡単にいうと、「人間関係」とは「自分の心に相手がどう映っているか」「相手の心に自分がどう映っているか」ということです。人によく思われようとして本音を隠す人を俗に「いい子ぶりっこ」といいますが、心理学では他者の評価を気にして自分を抑圧する人を「他者報酬型」といいます。どこでもいい子ぶりっこでいると、自分らしさを失い、自分の本当に好きなことができずストレスが増します。人間関係にストレスを感じる人は、本当の自分をいつどこになぜ置いてきたのかを自問自答してみましょう。いい子ぶりっこをしなければならなかった自分を許してあげることで、自分らしさを取り戻すきっかけが見つかるかもしれません。


困ったときは、交渉のプロにお任せ!


人との間で何かもめごとが起きたとき、自分だけでは解決できないことがあります。そんなときに助けてくれるプロフェッショナルの代表格が「弁護士」です。弁護士と言うと、刑事事件にでも巻き込まれない限り無縁と思われがちですが、離婚、相続、職場トラブル、ご近所トラブルなど、身近な人間関係の問題で困っている人にとっても、法律の力で人権を守ってくれる心強い存在です。大所帯の事務所で大企業の高額案件に携わっている弁護士は俗に「ブル弁(ブルジョア弁護士)」と呼ばれますが、身近な対人トラブルは「マチ弁」や「タク弁」がおすすめです。マチ弁とは個人開業している町の弁護士で、タク弁とは自宅で開業している自宅弁護士の略称です。
一方、人質事件が起きたときなど、犯人との交渉に当たる警察や政府の職員は「交渉人」や「ネゴシエイター」と呼ばれます。映画やドラマにもなっていますが、交渉人は人質救出作戦の際、派手なアクションではなく、心理学や犯罪学を心得た巧みな話術によって平和的解決に導きます。人質事件として有名な「あさま山荘事件」(1972年)の時代にはなかった専門職ですが、2005年に警察大学校に「人質立てこもり事件説得交渉専科」が設けられ、そこで学んだ交渉人が全国の警察に配属されているそうです。


世間は案外狭い!6人介せば憧れの人とつながれる?!


6人介せば憧れの人とつながれる?


「夢でもいいからあの人とお近づきになれたらなあ」——有名なスターやアイドルなど、憧れの人と知り合いになることは、実はそれほど難しくないという説があります。自分の知り合いA→Aの知り合いB→Bの知り合いC…という風に、自分を含めて6人以上の人を介すると、世界中の人と間接的に知り合いになることが可能だといわれているからです。これは、アメリカの社会心理学者スタンレー・ミルグラムの仮説をベースにした理論で、「六次の隔たり(Six Degrees of Separation)」と呼ばれています。ネーミングは、同名の戯曲のタイトルに由来します。実際に、ミルグラムが目的の人物に手紙を送る際に何人介するかを実験したところ、平均約5.5人という結果が出たそうです。「世の中は狭い」という意味で、この実験は「スモールワールド実験」と呼ばれています。
日本のバラエティ番組でも、同様の実証実験がよく行われており、有名タレントにも6人前後でつながることが実証されています。ソーシャルネットワークもこの理論がベースになっています。フェイスブックの2016年のユーザー調査では、平均3.46人を介すると全ユーザーがつながることがわかったそうです。2008年の調査では平均4.28人だったので、世間はますます狭くなっているといえます。憧れの人とつながるのは、決して夢ではないですね。