HOME > 健康の雑学 >  【2016年6月号】 目の雑学

目の雑学

「目は口ほどにものをいう」の心理学。メガネはどこで生まれたの?マンガのキャラクターは目力が命!今月は目にまつわる雑学をご紹介!


「目は口ほどにものをいう」の心理学


人の第一印象は見た目に左右されるといわれますが、目は特にごまかしが効きません。

例えば…

  • 目を閉じながら視線を横にそらすと、相手は拒絶されたように感じます。
  • 目をそらさず相手を凝視し続けると、不信感や警戒心を抱いているように見えます。
  • 相手を見つめるときに目をぐっと見開くと、ちょっとガンを飛ばしているように見えますが、これは「心の内を悟られたくない」という気弱さの裏返し。
  • 上目づかいは気弱そうに見えますが、目力の強い上目づかいは不満や反発を抱いている可能性も。

こうした目の動きは意識すれば多少コントロールできますが、黒目の中にある瞳孔はもっと正直です。瞳孔は暗いときは大きくなり、明るいときは小さくなりますが、光量の調節だけでなく、興味を感じるときにも「もっと見たい」という意識が働いて大きくなります。もし意中の人の瞳孔がマックスに大きくなっていたら、あなたに興味津々といえますが、瞳孔が小さいままなら残念ながら脈ナシといえそうです。まさに、「目は口ほどにものをいう」なのです。


メガネはどこで生まれたの?


近視や老眼になれば、誰しもメガネやコンタクトレンズのお世話になります。コンタクトレンズは19世紀末〜20世紀に生まれましたが、メガネの誕生はもっと古く、13世紀のイタリアで発明されたといわれています。イタリア語でメガネは「オッキアーリ(Occhiali)」といいますが、オッキは目、アーリは翼を意味します。はじめはメガネの片側についた柄を手で持ったり、鼻にのせるスタイルでしたが、やがて頭に挟むタイプや、頭の後ろでレンズのついたベルトを結ぶタイプ、今のように耳にかけるタイプへと進化していきました。中世時代にはメガネは賢人の象徴とされ、メガネが発明される以前の聖人の像にもしばしばメガネが描かれました。メガネ=インテリキャラという発想は、今も昔も変わらないようです。

メガネ メガネ

今はメガネのデザインも驚くほど多様化していますが、古典的なメガネはレンズもフレームも丸い形が基本でした。解剖学的に見ても、丸メガネは目の周りにある眼輪筋の形とほぼ同じ形をしています。アーティストには古典的な丸メガネ派が多く、建築家のル・コルビュジエ、画家の藤田嗣治、喜劇役者のハロルド・ロイド、音楽家のエリック・サティ、ジョン・レノンなど丸メガネがアイコンとなっている人が少なくありません。そんな古典的メガネの対極を成すのが、SF映画を地で行くような最先端のメガネ型ウェアラブル端末です。メガネをかけるだけで、インターネットや動画撮影、道案内、ゲームなどさまざまな機能を活用できるなど、その可能性はまだまだ未知数です。近未来には、古典的メガネの時代には想像もしなかったようなスタイルのメガネが主流になっているかもしれませんね。


マンガのキャラクターは目力が命!


「目は心の窓」といいますが、マンガのキャラクターも目が命です。少女マンガに代表される目にキラキラ輝く星は、日本独特の描写スタイルといわれており、最初に目に星を描いたのはマンガの神さま手塚治虫先生。目に星が描かれた第一号スターは、1953年から連載が始まった『リボンの騎士』のヒロイン、サファイアでした。これが瞬く間にマンガ界に広がり、星が複数化したり、三日月形のハイライトが組み合わさったり、不安や絶望の表情は大胆な白目になるなど、マンガ独特の様式がつくられていきました。びっくりしたときに「目が点!」などといいますが、これは驚いたときの目を「点」で描くマンガから生まれた言葉です。星はおもちゃ業界にも飛び火し、1960年代に生まれた初代リカちゃん人形は目に星が1つだったのに対し、1970年代に登場した2代目リカちゃんは星が3つに増殖しました。最近はドライアイで目が乾いている人が増えていますが、魅力的な目に欠かせないキラキラ感を失いたくないですね。


少女マンガ風の目


独特の目力を持ったマンガのキャラクターは、目を見ただけですぐに誰かわかります。その典型例が、人気劇画『ゴルゴ13』ことデューク東郷の目力です。ちなみに老け顔を象徴するほおのシワのことを俗に「ゴルゴ線」といいますが、これはほほの表情筋のたるみによるもので、疲れ目が原因になることも多いようです。できるだけ疲れ目を防いでゴルゴ線を撃退しましょう!


ゴルゴの目