HOME > 健康の雑学 >  【2015年8月号】 毒の雑学

毒の雑学

「気の毒」の反対語って?「良薬」も「毒」に化ける?! 青酸カリの数千倍の猛毒を持つ生物とは?! 
今回は「毒」にまつわるウンチクをご紹介します。


雑学1「気の毒」の反対語って?


「このたびは大変お気の毒でした」「あんなに頑張っていたのに、気の毒だねえ」「彼はとても気の毒な状況に陥っているみたいだ」――他人の不幸や苦悩に同情して「気の毒」と表現することがあります。また、自分自身が相手に迷惑をかけて申しわけないと思うときも「気の毒なことをしてしまった」などと表現をします。「気の毒」の「毒」とは、「人の気分を害することやもの」を象徴しているといえます。
では、「気の毒」の反対語は何でしょう?

答えは「気の薬」です。今はほとんど使われなくなりましたが、「気の薬」の「薬」とは、「気持ちを癒すことやもの」「気を晴らすようなおもしろいことやもの」を指します。江戸時代には、「気の毒」な人をさり気なく元気づける気づかいの言葉を「気の薬」といっていました。「お気の毒に…」と相手に同情するのもいいけれど、さりげなく相手を元気づける「気の薬」も大切にしたいですね。


雑学2「良薬」も、「毒」に化ける?!


一般に、「毒」とは人の健康や生命を害するもので、「薬」は病や傷を治して健康にするものと考えられています。しかし、「毒にも薬にもなる」という言葉があるように、毒と薬は単純に相反するものではなく、科学的には毒も薬も体に影響を与える物質であることに変わりはありません。ほんの一滴で致死量になるものもあれば、ガブガブ飲んで初めて中毒症状が現れるものもあり、それが毒になるのか、はたまた薬になるのかは、摂取量が大きく関係します。
例えば、身近な調味料のしょうゆや塩も、適量なら食欲を増進し、体を温める効果がありますが、一定量を超えて大量に摂取すれば中毒を起こしたり、命の危険にさらされる可能性があります。
中国最古の薬物書といわれる『神農本草経(しんのうほんぞうきょう)』には、数百種類の生薬が収載されています。生薬はそれぞれ「上薬」「中薬」「下薬」に分類されており、「上薬」は無毒なものですが、「中薬」は量によって毒性のあるものも含まれており、「下薬」は毒性があるので長期服用をしてはいけないとされています。
「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」という孔子の有名な言葉がありますが、どんな良薬も、過剰に摂取すれば毒になる可能性があります。体にいいとされる健康食品や薬も、摂れば摂るほど健康になるわけではないので、適量を守ることが大切です。


薬をもつ骸骨


雑学3 青酸カリの数千倍?最強の猛毒生物とは?!


「毒」とひとことでいっても、その強さは千差万別です。驚くなかれ、自然界には、ヒ素や青酸カリなどの猛毒をはるかに超えた凄まじい毒を持った生きものが少なからずいます。
例えば、沖縄や奄美に棲息している「ハブクラゲ」は、その名の通り、毒蛇ハブに匹敵する毒クラゲです。見た目は青みがかった透明な傘に、長い触手がエレガントな天女のようなルックスです。けれど、ハブクラゲに刺されると、そのしなやかな触手がからみついた箇所はミミズ腫れになり、最悪の場合はショック症状から心肺停止になります。


キロネックスImage from bvinews.com


自然界では上には上がいるもので、オーストラリアやフィリピンなどの熱帯には、さらに強烈な猛毒クラゲが棲息しています。その名も「キロネックス」。このクラゲに刺されると、激痛が走りわずか数分で死んでしまうこともあるそう!そんな「殺人クラゲ」の異名を持つキロネックスにも天敵がおり、アカウミガメだけにはその猛毒がまったく効かず、逆におやつにされてしまうそうです。

同じ海中には、青酸カリの8千倍もの猛毒を持つ恐るべき生物も潜んでいます。その正体は、ハワイのマウイ島にいる「イワスナギンチャク」。陸上最強の毒ヘビ「インランドタイパン」の250〜500倍もの毒性があり、世界最強といわれます。「そこまで激しく毒づかなくても…」と思われるかもしれませんが、強烈な猛毒は、生物が過酷な自然界でサバイバルしていくために身につけた「生きる知恵」なのです。