HOME > 健康の雑学 > 【2011年9月号】 健康診断の雑学
バリウムはなぜあんな味?500円で検査が受けられる意外な場所とは?なぜ「人間ドック」って呼ばれてるの?──健康診断にまつわる雑学です。
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中国に端を発する東洋医学にも、当然ながら人間の健康状態を見極める“診断”があります。その基本になっているのは「四診(ししん)」と呼ばれる4つの方法です。
まずは「望診」。「望」は“見る”の意です。体つきをはじめ、眉間や頬、眼球、皮膚など、色や艶などを細かく見て診断します。舌をみて診断する「舌診」もそのひとつ。色や苔、乾燥具合などで判断します。
次に「聞診」。声のトーンや調子、息遣いの荒さやペース、体臭や口臭などの匂いを観察することも含まれます。病状にもよりますが、西洋医学ではあまり行われず、東洋医学ならではの診断法といえます。
「問診」は、医師の問いかけに患者が答えること。「今、どこが痛いか」という直接的な質問だけでなく、普段どんな食事をしているか、どんな部位に冷えを感じるか、自身やその家族はこれまでどんな病気をしたかなど、細かく聞いていきます。
「切診」は、“切る”わけではなく“押さえる・触れる”という意味合いの診断です。主に、手首の動脈にあたる部分などを触り、体を巡っている経脈を診断する「脈診」と、お腹を触って診る「腹診」があります。腹診の研究は日本でも盛んに行われてきました。西洋医学でもお腹を触って診ることはありますが、足を曲げて触る西洋に対して、東洋は足を伸ばして診る等、触り方や診断方法が異なります。
東洋医学ではこの4つを行い、総合的に判断することになります。ただ、現在の中国で伝統的な東洋医学を施す病院でも、健康診断時には、西洋医学にみられる血液検査などを導入しているところがほとんどです。これに加えて、従来の「四診」を適宜活用している状況です。
ただ、中国の方の中には「観光するついでに、医療水準が高い日本で健康診断やがん検診を受けよう」という富裕層もこのところ増えつつあります。昨今、西洋文化が一気になだれこんでいる中国都市部では、日本と同様にメタボや生活習慣病が問題化しつつあります。それらのリスクを日本で測ろう、というわけです。気になるお値段ですが、中国の平均的なサラリーマンの年収と同じくらいになるケースもあるほど!まさに富裕層限定ですね。
ちなみに、中国人の健康意識は元々高いといえます。具体的な例ですと、お茶。日本ではコンビニに行けばすぐに冷たいウーロン茶が手に入りますが、中国の場合は冷やしてお茶を飲む習慣がありません。「お腹が痛くなったりして体によくないのに、なぜ冷たいものを飲むの?」という感覚です。事実、中国のコンビニでは、夏の盛りであっても通常の棚にペットボトルのウーロン茶や缶ビールが並んでいることが多く、常温で飲む方が多いようです。冷蔵ケースもありますが、日本よりも温度が高めに設定されていることがほとんどです。
健康診断を受けることはもちろん、普段の生活の中でも健康を意識して、日々を元気に過ごしたいものですね。