HOME > 研究員のウンチク > 【2007年10月号】秋の味覚「二十世紀梨」


秋の味覚「二十世紀梨」


爽やかな実りの秋を迎え、ここ伊那地方では葡萄、梨、リンゴといろいろの果実を楽しむことが出来ます。日中まだ汗ばむこの季節、水分が多く歯ごたえのある梨が私は一番好きです。梨も幸水、二十世紀、南水と種類により8月下旬から11月下旬まで楽しめます。



贈答用の梨


伊那地方は二十世紀梨の産地で、今最盛期を迎えています。特に下伊那郡松川町は有名で観光農園もあり、梨、リンゴ狩りが楽しめます。また、JAの選果場では、直売所があり、味は良いのに形や傷で規格外となったものを安く買うことができます。わたしは毎年この時期選果場に行って、家には規格外を、親戚に贈答用を送っています。



直売所(左)  袋掛け後の二十世紀梨(右)


二十世紀梨はほとんど自然交配をしないため、他の品種の花粉を、花ひとつひとつに耳かき棒のようなものでつけていきます。
実がビー玉くらいの大きさのとき、1つの軸の中でよりすぐれた1つの実だけ残して後は摘果し、小袋をかけます。実がピンポン玉より大きくなったとき大袋をかけます。この袋があるため病害虫や農薬が直接つかずすべすべの肌の二十世紀梨ができます。また、二十世紀の味をさらに高めるため無袋栽培した、サン世紀と言う伊那地方独特の梨もあります。




■酒井 里美(養命酒中央研究所・研究担当)
美味しい果実を前に、体重増加が気になるこの頃です。