HOME > 研究員のウンチク > 【2006年9月号】中央構造線
先日、釣りバカの私はロードマップと釣り竿を片手に長野県と静岡県の県境、南アルプスの主峰赤石岳山麓にある大鹿村を流れる青木川をぷらぷら探索していました。すると突然『中・央・構・造・線』という文字が私の目に飛び込んできました。非常に単純な私の脳裏には、よく理解していないにもかかわらず反射的に『日本沈没』ということばが思い浮かび、小松左京氏のSF小説『日本沈没』のリメイク版映画が公開されていることを思い出しました。この映画『日本沈没』は、私がまだ紅顔の美少年だった1973年にも公開され、ノストラダムの大予言、世紀末、超能力と合わせて大ブームだったことも思い出されました。
中央構造線博物館
ちなみに、大鹿村には「中央構造線博物館」が、日本列島を関東から九州へ縦断する大断層『中央構造線』のほぼ真上に建っており、館内には中央構造線の成り立ちや断層露頭はぎ取り標本・岩石標本などがきれいに整理され、また、それらについて学芸員の方が丁寧に説明してくださいます。博物館横には、『ろくべん館』という大鹿村郷土資料館もあります。
安康露頭と案内標識(2006/7/30撮影)
また、青木川に沿って国道152号を上村方面へ向かって行くと、道路わきに『安康露頭入口』の標識が現れ、中央構造線の領家変成帯の岩石と三波川変成帯の岩石が接している所を見ることができます。
青木川にはキャンプ場もありますので、家族で釣りや川遊びを楽しみながら日本の歴史について学んでみられては如何でしょうか。
■浜崎 健二郎(養命酒中央研究所・主任研究員)
九州は鹿児島の出身で、『釣りバカ日誌』のハマチャンと同じ大の釣りキチ。 花の独身。