HOME > 健康レシピ > 【2006年5月号】龍井蝦仁(ろんじんはーやん)

解毒作用のある緑茶パワーを料理に活かしてデトックス!:「龍井蝦仁(ろんじんはーやん)」


   
エビ(むき身)180g
龍井茶3g
ショウガ 親指大ひとかけ
小さじ1/2
小さじ1
片栗粉 小さじ1
卵白 小さじ1
サラダ油 適量

作り方

1. エビは切れ目を入れて背わたをとった後ボウルに入れ、手早く水洗いしてからキッチンペーパーで水気をふきとる。
2.1に塩と酒を加えて手でもんだ後、卵白と片栗粉を入れて混ぜ、最後に少量の油を加えて軽くほぐすように混ぜる。
3. 龍井茶は少量のお湯でもどす。
4.ショウガは皮を向いて千切りにする。
5.中華鍋を熱してやや多めの油を入れ、エビを加えて、手早くほぐしながら火を通す。だいたい火が通ったら油をきって皿にとる。
6.再び鍋を熱して油大さじ1を熱してショウガを入れる。香りが立ってきたら5のエビを中華鍋にもどし、水気をきった3の龍井茶を合わせてさらに炒め、塩少量をふって味を調える。




春が盛り、気候がよく暖かくなってくると、花が咲いて木々が芽吹きはじめます。

その後で、冬の寒さからようやく万物が甦った頃に迎える季節が清明です。清明というのは、春の清らかで明るい様子を表す言葉でもあり、暦の上では4月の上旬、旧暦の4月5日前後といわれます。この頃になると、関東から西では桜が見ごろになって、南の地方ではツバメが渡りはじめます。このように春の空気が満ちあふれて陽気が強くなる頃は、胸や頭に血が上がって水分の代謝が滞り、動悸やめまい、むくみを起こしやすくなります。春はホルモン代謝が大きく変化する季節でもあり、ストレスから便秘がちになったり、ニキビが出やすくなることもあります。
そこで解毒作用のある春の緑茶を、飲むだけでなく料理にも活用して、デトックスを心がけましょう。



今月の食材:龍井(ろんじん)「龍井茶(ろんじんちゃ)」



中国茶というと日本ではウーロン茶がおなじみですが、実際にはそのほとんどが緑茶です。なかでも龍井茶は、その膨大な中国緑茶の「王様」といわれる、中国を代表する銘茶のひとつでもあります。

春の訪れを感じるこの茶葉は、熱い釜に押し付けてつくる扁平な形状と、豆を炒ったような芳ばしい香りが特徴です。発酵させずに作るので、香りは清く、味は新鮮でさわやか。中でも、清明節に降る長雨の前に摘んだものが最上といわれます。
ガラスのコップに茶葉を入れ、直接湯を注いで飲むと、茶葉が広がる様子を楽しみながらフレッシュな若々しい風味を味わえます。

龍井茶の効能には利尿作用と解毒作用が信じられ、肝臓を刺激して毒素と老廃物の排出を促します。その結果尿の通りをよくして、からだのむくみを解消します。
また、膀胱炎や腎機能が低下している場合にも効果があるといわれています。


エビの龍井茶炒め


本場中国の杭州では、川エビをおいしく食べるための風味づけとして、清冽な香りの龍井茶葉を使います。

龍井茶にはほんのりした甘みがあって、プリプリしたエビとの絶妙な組み合わせで、香りだけでなく茶葉そのものの味もおいしく楽しめるのです。
一般的には茶葉をお湯でもどした後、料理に使用しますが、新芽のシーズンには摘みたてのフレッシュな茶葉を利用することもあります。豊かな風味の龍井茶は、最近日本でも中国茶の専門店で手に入れやすくなってきました。
ですが、身近で手に入りにくいという場合は、代わりに日本茶の新茶を使ってもたいへんおいしくいただけます。