HOME > 健康レシピ > 【2006年4月号】百合蒸蛋(ぱっはっぷちぇんだん)
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1. 百合根は水洗いして一枚ずつばらばらにほぐし、水に浸けておく。 | |
2.飾る分の百合根(8〜10個程度)を沸騰したお湯でやわらかく茹でる。 | |
3. 枸杞の実は洗った後、少量の熱湯をかけそのまま浸しておく。 | |
4.タマゴ3個を割りほぐし、一度金ザルなどで漉しておく。 | |
5.「4」のタマゴ液に、水気を切った「1」の百合根、飾る分を少量残した貝柱水煮缶を汁ごと、さらに水400cc、サラダ油を加えて、醤油、塩、コショウで調味して器に注ぐ。 | |
6.蒸気の上がった蒸し器に「5」を入れてラップや皿でフタをし、強火で2分間、中弱火にしてさらに15〜25分間蒸す。蒸し器の種類や火力によって蒸し時間はもう少し長くなる場合も。 ときどきフタを空けて蒸しあがりを確認すると、途中で蒸し器の中の温度が下がるので「すが立つ」などの失敗が少なくなる。表面が固まったら、真ん中に箸を差してタマゴ液がにじんでこなければ蒸しあがり。 |
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7.「2」の茹でた百合根と「3」の枸杞の実、残しておいた貝柱、洗って水気を切った香菜の葉先をちぎって飾る。 |
3月初めは啓蟄(けいちつ)。
長く続いた寒さをしのぐために冬眠をしていた虫が、大地がだんだん温まってきたことで地上にはい出てくる季節です。
漢方で春は、肝が傷つきやすいといわれます。肝が傷つくと、些細なことでイライラしたり、精神的な不安を感じやすくなります。また冬から春は、自律神経が「静」の状態から「動」に切り替わるので、心の不調が出やすくなるといわれています。
百合根は咳を鎮めたり体の熱をとるだけでなく、ストレスからくる胃腸の不調にも効果があり、心を落ち着けてくれると信じられています。
百合根を上手に食事にとり入れて、春のストレスを解消しましょう。
百合根は薬膳料理には欠かせない野菜のひとつ。
肺を潤して咳を鎮めたり、体の炎症を抑える、また体内の水分バランスをよくするといわれています。
滋養強壮効果もあって、ストレスからくる胃腸の不調や、不安やイライラでなかなか眠れないときに漢方薬として処方されることもあります。
また、前回紹介した蓮の実と百合根を一緒に煮込み、砂糖で甘み加えた糖水(とんそい=甘く煮込んだ温かいスープ状のデザート)は、香港ではとてもポピュラーなデザート。眠りが浅いとき、寝つきが悪いとき、また胃腸が弱っているときなどにもおすすめです。肺の働きを助ける作用から、慢性気管支炎や喘息にも有効といわれています。
うまみたっぷりの貝柱に、ほくほくやわらかい食感と自然な甘みがおいしい百合根を組み合わせた茶碗蒸しです。
香港では、出汁には干し貝柱や干しエビなど、乾物を組み合わせて使うのが一般的です。乾物を戻すのに時間と手間を惜しまなければ、滋味あふれる本格的なうまみが味わえます。ですが、ここでは水煮缶詰を汁ごと使って、簡単なレシピにしました。
大きな器でたっぷりとまとめて作るのが香港風。蒸しあがった後、枸杞の実と香菜で飾り付けると見た目がきれいです。スプーンやレンゲでさっくりすくって取り分けてください。