HOME > 健康レシピ > 【2006年1月号】杏仁蓮藕痩肉湯(はんやんりんがうさうよっとーん)

杏仁とレンコンと鶏肉のスープ:「杏仁蓮藕痩肉湯(はんやんりんがうさうよっとーん)」


   
杏仁()10g
豚肉(カレー用)300g
レンコン 300g
ショウガ親指大ひとかけ
1000cc
小さじ1/2
塩・醤油 食べるときにお好みで
()ここでは南杏と北杏を5gずつ使用。

作り方

1. レンコンは皮をむいて2センチ角のさいころ状に切り、酢水(※)に10分間浸けてアクを抜く。
※ボウルに水を張って大さじ1程度の酢を入れたもの。こうすることで色が白く仕上がります。色が気にならないならそのままでも。
2. ショウガは水で洗って皮がついたまま3ミリ幅にスライスする。
3. 鍋に、豚肉、水切りしたレンコン、ショウガ、杏仁を入れて水を注ぎ、中火にかける。沸騰したら弱火にして、あくをとりながら40分間煮込む。
4.好みに応じて、塩で調味する。薄味が好みなら、味付けをしないで素材の味をそのまま楽しんでも。
5.好みに応じて、塩で調味する。薄味が好みなら、味付けをしないで素材の味をそのまま楽しんでも。




日本の冬は湿気が少なく、さわやかなお天気が続いて気持ちよく過ごせる反面、厳しい寒さや乾燥が気になる季節でもあります。
低温低湿だと風邪のウイルスが活発になるので、健康面での注意はなんといっても乾燥です。粘膜の乾燥は免疫力の低下を招き、喉や肺が乾くとセキが止まらなくなったり、タンが切れにくくなります。

また外では北風、室内では暖房という乾燥のダブルパンチで皮膚の水分や皮脂量が急激に減少するので、かさかさ肌に悩む人が増えてくるのです。
そこで今回は、良質の脂肪酸を含み、咳を鎮める効果がある杏仁と、肺を潤すといわれるレンコン、それにビタミンB1が豊富な豚肉を組み合わせた、乾燥対策にもってこいの薬膳スープです。



今月の食材:杏仁(はんやん)「杏仁」



杏仁は文字通り杏の仁、アンズの硬いタネの中にあるやわらかい核のことです。

オレイン酸を中心にさまざまな脂肪酸をたっぷりと含み、肌の若返りを促進するといわれます。かの楊貴妃は、杏仁を全身に塗って美貌を保っていたと言い伝えられているほどです。
杏仁には、北杏(ぱっはん)と南杏(なむはん)という2種類()があって、薬効が高くほんのり苦味のあるものが北杏、デザートに使う甘みが強い杏仁が南杏です。北杏には咳を鎮めて消化を促進したり解熱作用などの効能が信じられ、甘みの強い南杏をブレンドすると味わいが深くなるといわれます。北杏が手に入れにくい場合は、南杏を使ってください。

()日本では「ホッキョウ」「ナンキョウ」と呼んでいるそうです


杏仁とレンコンと豚肉のスープ


杏仁の甘い香りがふっと漂う、ちょっと不思議な味覚が楽しめる薬膳スープです。
これは、材料のうまみが凝縮した出汁がごちそうで、別皿に盛りつけた具材は、なんと「出汁がら」という位置づけになります。

医食同源の香港では、気候や体調に合わせた材料を適当にアレンジして、家庭でも気軽に薬膳スープを作ります。具材は別皿に盛り付けるのが一般的。
「これだけの材料を使った」証拠として、スープに添えて一緒に出します。レストランでは山盛りの具を目で楽しみながら、贅沢にスープだけを味わうこともあるのですが、この具は醤油や塩をつけて食べるとおいしくいただけるので、ぜひともすべて味わいたいもの。
もちろん、具とスープを一緒に盛り付けて味わっても構いません。