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冷えと疲れを撃退する快眠裏ワザ決定版!

「手足が冷えて寝つきが悪い」「眠りが浅い」「寝ても疲れが取れない」——師走の忙しい時期は、睡眠が不規則になって、体調を崩しがちです。そこで今月は、1万人の眠りの悩みを解決した快眠セラピストに、冷えと疲れを撃退して冬の快眠度をアップする、とっておきの裏ワザを教えていただきました!

お話を伺った先生:快眠セラピスト/快眠環境プランナー 三橋美穂(みはし みほ)先生

寝具メーカーの研究開発部長を経て2003年に独立。全国での講演やテレビ出演、執筆、ベッドメーカーのコンサルティング、快眠グッズのプロデュースなど睡眠関連事業に幅広く携わる。特に枕に関しては、頭を触っただけで最適な枕がわかるほど。『驚くほど眠りの質がよくなる 睡眠メソッド100』(かんき出版)、『脳が若返る快眠の技術』(KADOKAWA)などの著書や監修したCD、DVDなども多数。
http://sleepeace.com/



睡眠不足はあなどれない!

「たかが睡眠不足ぐらい」と思っていませんか?実は睡眠が不足すると、脳の疲労回復や細胞の修復・再生ができず、免疫力が下がったり、食欲増進ホルモンが出て肥満になったり、高血圧や脳卒中、心疾患、糖尿病、がん、うつなどさまざまな疾患リスクを招く原因になります。前頭葉を休めないと、アルツハイマーの発症原因であるアミロイドβが蓄積されてしまうので、認知症になるリスクも高まります。

冬もぽかぽかぐっすり!

人生の約3分の1は睡眠が占めており、睡眠は心身の健康に欠かせません。ぽかぽか心地よく眠りにつくには、入眠時に深部体温が下がり、手足の熱が放散されるようにする必要があります。けれど、冷え症だったり、寝る前に体を冷やしてしまうと、手足がなかなか温まらず眠りの質が落ちてしまうことに。冬にぐっすり眠るためには、日頃から体を温めておくことが大切です。また、年末の忙しい時でも約24時間周期で進む体内時計をできるだけ乱さないようにしましょう。副交感神経を優位にしてリラックスすることで、スムーズに眠れます。

シニアは遅寝早起きがおすすめ!

一般に、加齢と共に眠りが短くなり、60代以上は6時間ほどの睡眠で十分なのですが、早く床に就いても、寝たり起きたりをしながら8時間以上ふとんの中でだらだら過ごして「眠れない」と訴えるシニアの方がとても多いそうです。心当たりのある人は、今よりも遅寝早起きにして睡眠時間を圧縮すると、満足度の高い眠りが得られます。

ちょっとした工夫で眠りの満足度がアップ!〜7つの快眠裏ワザ!〜

寝具や食事、運動、呼吸などをちょっと変えるだけで、眠りの質は今よりぐっとよくなります。タオルやペットボトルなど、身の回りにあるものなどを利用して眠りの質をアップし、冷えや疲れを解消する「7つの快眠裏ワザ」を三橋先生に教えていただきました。

裏ワザ1★バスタオルで自分にピッタリの枕をつくろう!

普段何気なく使っている枕が、実は体に合っていないため、眠りの質を下げている場合があります。次の5つの項目に1つでも当てはまる人は、枕が合っていません。

  • check 朝起きると、首や肩がコリコリ → Aタイプ
  • check 朝起きると首にくっきり横じわができている → Bタイプ
  • check 睡眠中に枕から頭が落ちてしまう → Cタイプ
  • check 寝る体勢はいつも横向き → Dタイプ
  • check 枕につい手をそえてしまう → Eタイプ
Aタイプは ...
枕が首のラインにフィットしていないため、首や肩が凝ってしまうのです。
Bタイプは ...
枕が高すぎて、あごを引いた状態になるので首にシワができるのです。
Cタイプは ...
枕がフィットしないため、つらくて無意識に頭を外してしまっているのです。
Dタイプは ...
枕が高すぎるため、あお向けに寝るのがつらくて横を向いてしまうのです。
Eタイプは ...
枕が低すぎて頭が安定しないため、つい手をそえてしまうのです。

自分に合う枕の極意とは?

自分に合う枕とは、あお向けに寝た時に立っている時の姿勢をキープできる枕です。その際、首から後頭部にできる頸椎のアーチに枕が自然にフィットすることがポイント。枕をしていることを意識しないほど一体感のある枕が理想的です。その人の体型や頭の形によって合う枕は変わりますが、目安としてガッチリ体型はやや高め、スリム体型は低めの枕が合います。また、日本人の大半は後頭部がなだらかなため、フィットする枕は思っているよりも低めの場合が多いといえます。

フィットする枕は意外と低い! 〜即席バスタオル枕の作り方〜

バスタオルなら簡単に微調整できるので、自分にフィットする枕を即席で作れます。
バスタオルの枕を作って、自分に合う枕の感覚をつかみましょう。

1

バスタオルを3枚用意し、そのうちの1枚を4つに折り畳みます。

即席バスタオル枕の作り方1

2

首に当たる部分を10cm幅で折り畳み、折り畳んだ部分にかぶせるように、さらに半分に折ります。

即席バスタオル枕の作り方2

3

高くなっている方を首に合わせるようにしてあお向けに寝てみます。

→全体の高さが足りなければ、4つに折り畳んだバスタオルを下に敷いて高さを追加。

即席バスタオル枕の作り方3-1

→後頭部が丸く出ている人は、首に当たる部分を2回折り畳んで凹凸の差をつけます。

即席バスタオル枕の作り方3-2
4

筒状に丸めたバスタオルを中央より高くなるように左右に置き、横向きの時の支えにします。
(バスタオルの素材や厚みによって高さを適宜調整してください)

即席バスタオル枕の作り方4

裏ワザ2★リラックスできるあったかフード&ドリンク

鍋のイメージ写真

一般に日中の深部体温は高く、下がると眠りモードになります。夕食で体温を上げることにより、就寝する頃には深部体温が急激に下がって入眠しやすくなります。生姜や唐辛子は体を温めるのでおすすめです。また、寄せ鍋や湯豆腐などの鍋料理も、体温を上げてくれます。特に海老や牡蠣、ホタテなどに含まれているグリシンというアミノ酸は、睡眠の質を高める成分が含まれているので、鍋の具材におすすめです。

ハーブティーのイメージ写真

飲みものは、ノンカフェインの温かなほうじ茶やそば茶、リラックス系のハーブティーがおすすめです。飲みやすいカモミールティーは、マーマレードを入れたり、ミルクティーにしても美味です。体を冷やさないように水も白湯にしましょう。緑茶やコーヒーなどのカフェインを摂るのは、就寝する4〜5時間前まで、ご高齢の方は6時間前までに摂るようにしましょう。

裏ワザ3★眠る前に1分間の快眠ストレッチ

パソコンやスマートフォンを使っていると、背中が丸くなりがちです。眠る前にベッドで約1分間の簡単なストレッチと深呼吸をして姿勢をリセットし、血液やリンパの巡りを改善!

イラスト1

【1】バスタオルを4つ折りにして直径10cmほどの筒状にします。
(厚みが10cmほどのクッションを使ってもOKです)

イラスト2

【2】あお向けに横たわり、背中の下に丸めたバスタオルを入れ、背骨に沿うように当てて、腕と頭はふとんにつけます(苦しい場合は低い枕に頭を乗せます)。ここで1回息を吸って吐きます。

イラスト3

【3】あお向けのまま、両腕を横に伸ばしてひじを上に曲げ、外回りに軽く20回まわします。

イラスト4

【4】手のひらを上にしてふとんに置き、目を閉じて、息を吐く時に体がふとんに沈み込んでいくイメージを思い描きながら深呼吸を10回。

イラスト5

【5】背中の下のバスタオルを外すと、背中全体がふとんに吸い付くような感覚になります。肩や背中の筋肉のこわばりが取れ、全身がリラックスした状態なので、そのまま眠ります。

考えごとが多くて眠れない時の必殺技!

師走は頭の中までざわついて眠れない……そんな時は、まず全身の力を抜き、目を閉じ、人差し指で両耳の穴をふさぎます。そして、鼻から息を細く長く吐きながら「ん〜」と頭の中に響かせます。ゆっくり息継ぎをしながら1分間ほど「ん〜」を響かせていると、頭の中がシ〜ンと静まって心が落ち着きます。

裏ワザ4★眠る前に目・首・腰を蒸しタオルで温めよう!

濡らしたタオルを電子レンジで温め(600wで約1分)、ポリ袋に入れて目を温めると、目の疲れがとれるだけでなく、副交感神経のスイッチが入り、全身がリラックスできます。首や肩が疲れている時は首の後ろに、立ち仕事などで疲れている時は腰に、ストレス疲れの時は背中に、腹痛の時や精神的に落ち込んでいる時はお腹に当ててください。

手作りホットパックもおすすめ!

アイマスクサイズのホットパックを手作りしておけば、繰り返し使えるので、毎回タオルを濡らす手間がいりません。作り方は、まず目の細かな綿生地を二重にして22×12cmほどの袋を縫います。袋に玄米120g、いりぬか100g、天然塩30g、唐辛子1つを入れて、こぼれないように縫い閉じます。これを電子レンジで温めると、目や腰のリラックスポイントをじんわり快く癒してくれます。

裏ワザ5★寒い夜は背中の冷気をシャット!

冬の寒さで眠れない時、ふとんを何枚もかけてしまうと体が圧迫されて血行が悪くなり、かえって温まりません。寝床内を温めるには、床からの冷気を遮断するのがポイントです。背中をぽかぽか温めると全身の血行がよくなるので、敷ぶとんやマットレスの下にアルミシートを敷き、さらにふとんの上に保温性の高い冬用の敷パッドや毛布を敷きましょう。電気毛布は体を乾燥させるので、就寝前に温めておいて、就寝中は電気を切りましょう。

裏ワザ6★ペットボトルで即席湯たんぽ!

手足が冷たいと、深部体温が下がらず、なかなか寝つけません。冬は就寝の30分ほど前に、背中から腰に当たる位置に湯たんぽを置いてふとんを温めておいて、寝る時に足元に移動させましょう。市販の湯たんぽがなくても、ペットボトルでも即席湯たんぽが簡単に作れます。まず、耐熱ペットボトル(キャップのオレンジ色が目印です)を用意します。これに3分の1まで水を注ぎ、残りは熱湯を入れると、ちょうどよい温かさになります。旅先のホテルなどでも即席湯たんぽを作れば、自宅と同じようにぽかぽかの布団で眠れます。

裏ワザ7★師走の不規則ライフには「アンカースリープ」

年末は夜更かししたりして、生活が不規則になりがちです。眠るタイミングや睡眠時間がずれ込むと、体内時計も乱れます。この乱れによる体の機能低下を最小限に抑えるには、「アンカースリープ」がおすすめです。アンカースリープとは、例えば自分に最適な睡眠時間が7時間の人の場合、その半分の3時間半だけ毎日同じ時刻に眠り、残りは眠れる時に眠るようにする方法です。その際、3時間半のコアタイムを深夜0時〜早朝4時の間に固定するのがおすすめです。
また、お正月休みは、昼まで寝てしまったりしがちですが、起床時間は平日より2時間以上遅らせないことがポイントです。

まとめ

睡眠は健やかで充実した人生の土台です。難しく考えず、睡眠習慣をちょっと工夫するだけで、快眠度をアップできるので、ぜひ試してみましょう!



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