春を迎え、重いコートを脱いで軽快な装いにチェンジするように、身体にも春じたくが必要です。
東洋医学では、秋から冬に向けてため込んでいたものを、春に向かって「発散」することで心身のバランスをとると考えます。そこで今月の元気通信では、東洋医学のツボを利用した健康体操でもおなじみの先生が、めぐりをよくする「超カンタン気功体操」を伝授! 心身ともにデトックスして、冬体質から脱皮しましょう!
● ツボ刺激体操で「気」のめぐりを改善!
東洋医学では、身体を構成する生命エネルギーとして「気・血・水(き・けつ・すい)」の流れを重視します。これらのいずれかが不足したり、めぐりが悪くなると身体に不調をきたすと考えます。
春先は特に「気」のめぐりが滞りがちなので、いつでもどこでも簡単にできる「超カンタン気功体操」で気の流れを整えましょう!
冬の疲れや、春のイライラ、ウトウトをスッキリ解消する、邱先生直伝の3つの気功体操は、どれもとっても簡単なので、ぜひトライしてみてください!
両手の指の間にある「指間穴(しかんけつ)」は、自律神経を整え、精神を安定させるツボで、高ぶった交感神経をしずめる効果があります。指間穴を刺激しながらストレッチすることで、交感神経が整ってイライラを解消できます。時間がないときはSTEP1だけでもOK!
わくわく願いごとをする時のように、両指を絡めて指と指の間のツボ「指間穴」をぎゅっと刺激します。
指を絡めたまま、手のひらを上に向けて両腕をまっすぐ伸ばし、左右にゆっくりと振ります。
古くから中国に伝わる「鳴天鼓(めいてんこ)」という健康法の1つで、後頭部を指で太鼓のように鳴らすことで、自律神経が刺激されて、心身ともにすっきりリフレッシュします。眠気を解消すると同時に、ストレスも緩和できます。
両手で耳全体をしっかりとふさぎ、指先を後頭部に置き、人差し指を中指の上にのせます。
左右の人差し指を同時に勢いよく弾いて、人差し指の先で後頭部をポンポンと30回ほど軽くたたきます。
耳をよく見ると、逆さになった胎児の姿に似ていると思いませんか? 東洋医学では、耳は全身が投影された「体の縮図」と考えます。耳たぶは頭、耳輪はセキツイという風に、耳には全身の部位に相当する110ものツボがあり、もし耳を押して痛い箇所があれば、そこに対応する体の部位も不調といえます。そのツボをもんだりひっぱったりして刺激することで、対応する部位の不調を緩和することができます。
資料提供:主婦の友社
気の流れを整えるためには、冬にため込んでしまった悪い気をまず外に出す必要があります。この「ぶらぶらデトックス体操」は、首・肩をほぐし、内臓の働きを活発にしてくれるので、慢性病や成人病にも効果があります。
両足を肩幅ほど開いて立ち、背筋を伸ばし、膝と肩の力を抜いて、両手を自然に垂らします。
目はまっすぐ前を向き、舌先を軽く上あごの中心につけます。
丹田(おへそのやや下)を意識しながら、舌先を上あごにつけたまま息を吸い、手首の力を抜いて腕を90度ほど前に振り上げます。
口から体内の老廃物や悪い気を吐き出すようにイメージしながら息を吐き、膝を軽く曲げて、前に振り上げた腕を曲げずにそのまま後ろに振り戻します。足の指で地面をつかむように立ち、丹田に集めた「気」を指先から払うようなイメージでリズミカルに動きます。慣れてきたら、膝をもう少し深く曲げて同じ動作を繰り返します。
前後をぶらぶらさせて悪い気を出した後は、左右に体をひねる運動です。STEP1のポーズから、息を吐きながら体を右にひねり、右手でへその真後ろにある腰のツボ「命門」をポンと叩いたら、今度は息を吸いながら体を左にひねり、左手で命門をポンと叩きます。「気」が湧いてくる命門を叩くことで、春の活力を養えます。
上半身には、「気」をめぐらせるのに欠かせない「任脈(にんみゃく)」と「督脈(とくみゃく)」という2つの経脈が流れています。「任脈」は下唇から首、胸、ヘソを通って体の前半分に流れており、「督脈」はお尻から背中、後頭部を経由して眉間、上あごへと流れています。舌を上あご(前歯の裏側辺り)につけることで、この2つの経脈が1つの環のようにつながり、気がうまくめぐるようになるのです。
ツボを刺激する「超カンタン気功体操」を覚えて、毎日実践すれば、春のちょっとした不調の緩和にきっと役立つはず。家族や友人にもぜひ教えてあげましょう!
超カンタン気功体操の3つのポイント
- 朝起きた時、お昼休み、入浴前、就寝前など、体操はいつ行ってもOKです。
毎日続けることでより効果が高まります。 - 体操は30回から段々増やして、疲れない程度の回数を目安に。
- 足腰に痛みがある人は、椅子に座ったままでもOK。
肩が上がらない人は、動かせる範囲でかまいません。
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