HOME > 特集記事> 【2009年12月号】たまごの恵み
私達の食卓に欠かせない「たまご」には、どんな栄養パワーが秘められている?目玉焼きやたまごかけご飯など定番料理のコツや、知っておくと便利なたまごの知識についてお送りします。
![]() たんぱく質を形作っているのは、ご存知アミノ酸。アミノ酸は私達のカラダの中で合成されますが、中には体内で作れないもの、つまり外部から取り込む必要があるもの(必須アミノ酸)もあります。この必須アミノ酸を数種類含む、貴重な供給源として、たまごは理想的な食材なんです。 たとえば「メチオニン」というアミノ酸。これは肝臓において、アルコールや体内に蓄積された毒素(アンモニア)を分解する手助けをします。つまり、お酒の肴としてもたまご料理は良いということ。健康を大きく左右するにもかかわらず、頑丈なため諸症状が出にくいことから“沈黙の臓器”といわれている肝臓ケアに一役買ってくれるのです。ちなみにメチオニンはシジミにも多く含まれていて、昨今ではシジミエキス配合のサプリなども人気を博しています。 卵白に含まれている酵素のひとつ、リゾチームは、殺菌・抗菌効果を促し、免疫力を高めてくれるもの。風邪などの諸症状に効果が期待できます。 こんなに栄養価が高いにも関わらず、たまごには「太りやすそう・・・」といったイメージを抱いている方も多いのでは?それはひとえに「コレステロール」の問題です。 コレステロールとは脂質の一種。細胞膜を作るなど、人間のカラダに必要不可欠といえますが、血中のコレステロール値が高くなると血管の壁に付着してしまい、高脂血症を引き起こしてしまうこともあります。 たまごにコレステロールが含まれているのは事実ですが、近年の研究では卵白に含まれる脂肪酸(レシチン)が血管壁のコレステロールを落とす効果が期待できるという報告もあります。 やはり何事も、過ぎたるは及ばざるがごとし。1日に何個も摂取せず1〜2個に留め、高脂血症の方は摂取を控えるなどして、上手にたまごと付き合っていきましょう。 手の込んだものから至ってシンプルなものまで、私達の食卓には多彩なたまご料理が並びます。目玉焼きなどの定番料理も、ちょっとした工夫でさらに美味しさに磨きがかかること、ご存知ですか?さっそく明日から活用してみてください。 ![]() 美味しさはさほど変わらないものの、やり方によって殻が途中で割れてしまったり、むきづらいといった状況になりがちです。 回避する方法としては、まず「室温に戻したたまごを使うこと」。急激な温度変化に対応するためです。「水の状態から茹でる」「湯に酢を少々たらす」「茹で終わったら流水で冷やす」ことも効果的。半熟にしたいのなら沸騰から6分前後、固ゆでにしたいなら沸騰から10分前後が目安です。 ![]() ![]() オムレツなどにもいえますが、ふんわり感を出したい料理の場合は、たまごをかき混ぜすぎないことがポイントです。 たまご2個にミルクを大さじ1杯くらい入れて、ゆっくりとかき回します。フライパンを熱し、油を引いてサラリとしてきたらそこに投入。このときフライパンの熱が不十分だと、たまごがくっつきやすくなりますので要注意。さらに投入後は慌ててかきまぜないことです。 また、仕上げは「まだちょっと火の通りが甘い」くらいがベスト。フライパンに余熱があるので、お皿に移すころにはちょうどいい塩梅になっているはずです。 ![]() たまごを割り、醤油とまぜたものをご飯にかけるのが一般的ですが、たまごをダイレクトにご飯の上にかけ、その上から醤油を垂らして少々かき混ぜるのもオススメ。味の「濃い部分」と「薄い部分」が生じ、飽きずに食べ進めることができます。また、醤油のかわりに納豆についているタレを使っても美味。かつおぶしを少々乗せて一緒にかき混ぜても美味しく仕上がります。 ![]() 黄身は65度くらいから、白身は75度くらいから固まり始める特性を利用した調理法です。沸騰したお湯ではなく、低めの温度で茹でることで出来上がる、というわけですね。料理用温度計で70度くらいをキープして茹でる方法もありますが、もっとも手っ取り早いのは、丼などの器に生たまご(殻のまま)を入れて、そこに沸騰したお湯を注いでフタをする方法。使用している器の素材や室温などにより微妙に変化しますが、おおよそ20分くらい放置すれば、ほどよい加減の温泉たまごが出来上がります。 ![]() 一般的にたまごの賞味期限は「生で食べることができる期限」のこと。よって、たとえ1日くらい過ぎていたとしても加熱調理すれば食べることが可能です。ただし生鮮食品には変わりないため、なるべく早く食べ、半熟などではなく「固め」に調理することを心がけましょう。 |