HOME > 特集記事 > 【2008年2月号】美と温泉


世界の温泉 世界中の人びとに「美」と「健康」をもたらす恵みの湯


寒い冬に心と身体を解きほぐし、冷え性や皮膚病などに効果的といわれる温泉。その湯には「美」をもたらす力があります。今月の特集は「美と温泉」がテーマです。



冷えを改善する「保温」、麗しの肌をもたらす「保湿」


「外側」に作用する温泉の作用


火山の国・日本は温泉大国。古事記や日本書紀の時代から人々に愛され、病を癒す「湯治場」として機能していました。現在でも温泉のパワーは健在ですが「旅の一環」としてリフレッシュすることが主な目的とされていますよね。もちろん、心からリフレッシュすることは心の健康だけではなく、ストレス緩和によりさまざまなカラダのケアにもつながります。それに加えて、温泉はミネラルの集合体です。つまり温泉を飲むことは、いわば野菜を摂取しているようなもの。内側から「美」がもたらされることももちろんですが、今回ご紹介するのは「外側」、つまり「お肌」に対する温泉の作用です。

まず真っ先に思いつくのは「保湿」作用。温泉の成分に含まれる塩類が、皮膚を構成するタンパク質と結びついて「コーティング」してくれます。これにより汗として水分が出ていくことを抑え、お肌をしっとりと保つことにつながるわけです。これは同時に「保温」にもつながり、湯冷めしにくくなります。よく温泉は冷え性に効くといわれますが、単にあったまるだけではなく、塩類によるところがひとつ大きいといえるでしょう

「冷え」についてもっと詳しく知りたい方はこちら



「洗浄作用」でお肌ツルツル


そして「洗浄」作用。重曹泉や硫黄泉などは皮膚の角質を軟化させて取り除いてくれるといわれています。現代の美容用語でいうところの「ピーリング」に近いといえますね。よく温泉に入ると「お肌がつるつる」になった経験もあるかと思いますが、これは主に皮膚の脂肪に溜まった分泌物を乳化する作用によって生じるものです。とりわけ重曹を含むアルカリ性泉には石鹸と同様の効果があるとされています。ただし、角質が取れて一旦つるつるになったとしても、角質除去によって保湿効果が損なわれる可能性もあります。特にPH値が10以上の強アルカリ性泉に入る場合は、過度に長湯せずにさらりと入浴し、入浴後はしっかりと保湿ケアするようにしましょう。

他にも、硫黄泉でよく謳われる「美白」作用や「抗菌」作用、新しい角質づくりを促す「角化」作用などが泉質によって謳われています。もちろん、上記以外の温泉も「美」につながります。日本の温泉の泉質として代表的な「塩化物泉」は刺激が少なく肌の弱い方にオススメ。肩こりや腰痛への効果も期待できます。群馬県伊香保温泉などでよくみられる赤茶色の「鉄泉」は文字通り鉄分が豊富。貧血気味の方にオススメです。さまざまな症状が緩和されるとストレスが緩和され、結果として肌荒れなどに効果が現れることもあるでしょう




日本に続々!おすすめの“美人の湯”


湯の川温泉(島根県)


川中温泉(群馬県)、龍神温泉(和歌山県)と並び、古くから「日本三美人の湯」といわれています。泉質はナトリウム・カルシウム・硫酸塩を含む塩化物泉。三美人の湯はいずれも肌にやさしい弱アルカリ性。そこにナトリウムとカルシウムが皮脂と結びついて洗浄作用が生まれるといわれています。出雲空港から車で5分の山あいにあるこぢんまりとした温泉郷です。

湯の川温泉



銀山温泉(山形県


NHK連続テレビ小説「おしん」の里です。含食塩硫黄泉(硫化水素泉)で乳白色に濁っています。角化症、皮膚掻痒症に良いとされていますが、皮膚の弱い方は入浴後しっかりシャワーで洗い流しましょう。温泉街の遊歩道には足湯もあり、旅の風情を満喫できます。

銀山温泉



月岡温泉(新潟県)


越後の奥座敷といわれる月岡温泉、その泉質は硫黄とナトリウムを含む塩化物泉です。いわゆる「卵のにおい」が立ち込める温泉郷で、とにかく硫黄の含有量が豊富。群馬県の万座温泉に次いで日本第二位の含有量です。角質を取り除き、美白効果も期待できます。

月岡温泉

銀山温泉



別府明礬温泉(大分県)


全国屈指の温泉地といえば大分県。そのもっとも山沿いに位置するのが別府明礬温泉です。お湯は全国でも珍しい酸性明礬泉。明礬泉には肌を引き締め、しわやたるみの是正や皮膚病に効果があるといわれています。

別府明礬温泉・湯の里



不動の湯

塩原温泉・不動の湯(栃木県)


塩原温泉の「不動の湯」は、森に囲まれ渓流を見ながら入浴できる共同露天風呂。泉質は石膏を含む弱塩化物泉(食塩泉)です。塩成分が保湿力を高めてくれます。石膏を含む湯は飲用すると慢性皮膚病にも効果があるといわれています。全国区の人気を誇る露天風呂ですので、朝の早い時間帯がオススメ(朝でもわりと混みあいます)。



かみのやま温泉(山形県)


泉質はナトリウム、カルシウム、塩化物を含む硫酸塩泉。低張性弱アルカリ性で慢性皮膚病や冷え性に効果があるといわれています。心臓や肺に負担をかけない足湯が街に点在しているので、下駄を鳴らして足湯を巡り歩く楽しさを満喫できます。

やまがた温泉ガイド・かみのやま温泉




もちろん、この温泉は万人にこの効果がある、とはいいきれません。お肌のタイプは人によってそれぞれですので、鉄泉はいいけれどPHの強い硫黄泉では肌が荒れる、といった人もいることでしょう。よって、自分の肌に合う温泉を知っておくことが大切。温泉に出向いた際には浴室や脱衣所に泉質が書かれていることもよくあるので、そのつどチェックして「自分と温泉(泉質)の相性」を確認しつつ楽しみましょう。

今年の冬は、「美」を求めての温泉旅、いかがですか?さらに海外旅行で訪れてみたい「世界の温泉」と、温泉の熱がもたらした「温泉卵」を使ったレシピのコーナーもぜひチェックしてみてください。




薬草風呂


日本人は、世界一お風呂や温泉が好きな民族といわれています。私も温泉が大好きなので仕事の帰りに職場の近くにある温泉に良く行きます。この温泉は美人美肌の湯として知られており、私の一日の疲れを癒してくれる憩いの場となっています。近くに美人美肌の温泉がある所はそんなに多くはないと思いますので、家庭で簡単に入れる美肌に効果のある薬草風呂をご紹介します。


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