今回の「生薬ものしり事典」は、過去にご紹介した生薬百選より「珍珠(チンジュ)」をピックアップしました。
解熱、鎮痛、滋養強壮に役立つ生薬 |
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真珠には特有の美しい光沢(テリ)があり、古今東西の人々を魅了し続けてきました。宝石の真珠として一般的なのは、見事な球状をした養殖真珠でしょう。 写真1はアコヤガイの養殖真珠を用いたブローチと、南洋パールがあしらわれた宝飾用ルースです。シロチョウガイに加え、クロチョウガイから採取されたものの一部が広義の南洋パールとして流通しているといわれています。
海辺のお土産店には、写真2のように貝の中にある真珠の採取体験ができる缶詰が売られていることがあります。
宝石として珍重される真珠は、別名「珍珠(チンジュ)」と呼ばれ、生薬としても利用されてきました。生薬としての真珠「珍珠」には、宝石としての価値が劣るものが粉末化されて用いられています。ただし、粉末化された生薬の「珍珠」は、100gあたり数万円で流通しており、宝飾用途でなくとも高価なものといえます。
淡水真珠の母貝の1つであるイケチョウガイは、琵琶湖水系の固有種です。全国各地でイケチョウガイを使って水質改善と真珠生産を目的とした養殖が図られています。 |